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N2O5 の分解反応の速度式の求め方
試験の問題なのですがどう解けばいいか全く分かりません。 求め方を教えてください。 問い N2O5の分解 2N2O5→4NO2+O2 の速度式を素反応1~4より d[N2O5]/dt= K[N2O5] と導いた。Kをもとめよ。 ただし中間体NOとNO3についてそれらの濃度の時間変化がゼロとして答えなさい。(定常状態近似) 1 N2O5→NO2+NO3 :速度定数k1 2 NO2+NO3→N2O5 :速度定数k2 3 NO2+NO3→NO2+O2+NO :速度定数k3 4 NO+N2O5→3NO2 :速度定数k4 素反応1~4の速度vをそれぞれv1~v4として上記速度定数を用いて v1=k1[N2O5] v2=k2[NO2][NO3] v3=k3[NO2][NO3] v4=k4[NO][N2O5] としてみましたが定常状態近似をどう使えばいいか 分かりません。 どうかよろしくお願いします。
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- jamf0421
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>つまり反応が試験管の中では、素反応1から4が一回だけでなく何回も >起きていて最後には辻褄があっていると理解してよろしいんでしょうか。 定常状態の要請を満たす素反応の進行速度によりStoichiometryの辻褄はあう形になります。ただしステップの数え方は、前回のNo6の回答でn=1の場合(つまり反応3と4が各1回進む当り、ということで考えます。)を考えればよいです。 (m+1)N2O5→(m+1)NO2+(m+1)NO3(反応1x(m+1)回) mNO2+mNO3→mN2O5(反応2xm回) NO2+NO3→NO2+O2+NO(反応3x1回) NO+N2O5→3NO2(反応4x1回) となり、これで進行すれば 2N2O5→4NO2+O2 のstoichiometryが進行します。単位サイクルについて定常状態の要請v1-v2=v3およびv4=v3から出てくるのは此処までです。反応3と4が1回進む間に反応1がm+1回、反応2がm回進みます。 たとえばその中でもっとも簡単な場合(そうでなければならない、ということはないのですが。)はm=1の時で 2N2O5→2NO2+2NO3(反応1x2回) NO2+NO3→N2O5(反応2x1回) NO2+NO3→NO2+O2+NO(反応3x1回) NO+N2O5→3NO2(反応4x1回) でこれが私が当初思い込みで要請してしまったものです。この場合はone cycleで反応1だけが2回進み、反応2から4までは1回行きます。
- jamf0421
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No2&5さんの言われるとおりですね。No3とNo4で反応1の扱いは訂正しましたが、基本的にv1はv2の2倍であるとしました。(これは化学式の合計からの勘違いの思い込みでした。) 実際No2&5さんの式によれば、(この計算に何の問題もありません。)定常状態で要請される要件は v1-v2=v3...(1) v3=v4...(2) だけです。(但しvと書いてしまうと定数ですが速度定数と反応物の濃度の積であることは注意です。)私は(思い込み)でv1=2*v2を入れましたが、実はv1=v2+v3が成立していればO.K.です。実際反応式でたとえば単位時間に反応1がm+n回、反応2がm回、反応3がn回、反応4がn回進めば、No2&5さんの要請は満たされるのですが具体的に書くと、 (m+n)N2O5→(m+n)NO2+(m+n)NO3(反応1x(m+n)回) mNO2+mNO3→mN2O5(反応2xm回) nNO2+nNO3→nNO2+nO2+nNO(反応3xn回) nNO+nN2O5→3nNO2(反応4xn回) ですが、これを合計すると 2nN2O5→4nNO2+nO2 となり、正しい量的関係で出てきます。即ち定常条件から自然に出て来る関係だけで2N2O5→4NO2+O2の反応が行くということです。 混乱させて済みませんでした。 ただし [NO3]=k1[N2O5]/(k2+k3)[NO2] で[NO3]が一定ですから、消費される[N2O5]と生成する[NO2]の比率が一定な条件の実験ではあります。
お礼
つまり反応が試験管の中では、素反応1から4が一回だけでなく何回も起きていて最後には辻褄があっていると理解してよろしいんでしょうか。
- 101325
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> 逆反応だから2倍する必要がないのですか? いいえ。逆反応だから2倍する必要がない、と考えるのではなく、どんな場合でも2倍にする必要はない、と考えて下さい。説明は長くなるので省きます。この問題の解答は、アトキンス物理化学(下)に載っていますので、そちらで確認して下さい(第4版なら例題26.10,第6版なら例題25.7,第8版なら例題22.7)。 以下は、#1さん宛ての手抜き説明です。 -------------------- ムーア物理化学(上)第4版をお持ちであれば、403ページの脚注にあるN2O5の分解の素反応をみて下さい。こちらの機構ですと確かに足し合わせても2N2O5→4NO2+O2にはなりませんので、1番目の「反応式」を2倍にする必要があります。ですけど「速度式」まで2倍にすると、速度定数k1が2倍になってしまうのでだめです。
お礼
>どんな場合でも2倍にする必要はない なるほどそういうものなんですね。 アトキンス物理化学(下)は持っていないので 図書館で確認してきます。 ありがとうございました。
- jamf0421
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No1&2です。蛇足ですがNo2でk2=k3としました。これによりV2=V3が満たされていることが分かります。定常状態ではV3=V4であるべきです。 V3-V4=k3[NO2][NO3]-k4[NO][N2O5] となりますが、実際これに [NO3]=k1[N2O5]/(k2+k3)[NO2] および [NO]=2k3k1/k4(k2+k3) を代入すると V3-V4=k3[NO2]k1[N2O5]/(k2+k3)[NO2]-k4k1k3[N2O5]/k4(k2+k3) =k1k3[N2O5]/(k3+k3)-k1k3[N2O5]/(k2+k3)=0 となります。 よってまとめれば(1/2)*V1=V2=V3=V4が成立し、これにより定常的に反応が進んでいることが確認できます。
- jamf0421
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No1です。 >反応1を2倍するかは別な方が答えてくださいました。 >どちらが正しいのかもう少し検討してみます。 No2さんの御指摘の通りで、私が反応2が1の逆であることに気付いていませんでした。(^^ゞ そうであるなら、一連の素反応の中で反応1が反応2の2倍進むと考えれば済むことです。よって類似のことを書いて恐縮ですが、以下のようにかけます。 d[NO]/dt=k3[NO2][NO3]-k4[NO][N2O5]=0...(1) d[NO3]/dt=k1[N2O5]-k2[NO2][NO3]-k3[NO2][NO3]=0...(2) となります。以下(1)より [NO]=k3[NO2][NO3]/k4[N2O5]...(3) (2)より [NO3]=k1[N2O5]/(k2+k3)[NO2]...(4) (4)を(3)に代入して[NO3]を消すと [NO]=k1k3/k4(k2+k3)...(5) です。NOの定常状態濃度は反応速度定数だけで決まります。普通の単位をつかう(t=sec, 濃度=mol/L)と、k1は1/sec、でk2,k3,k4はL/(sec・mol)です。この時(5)で[NO]はmol/Lの単位の数字となり、問題ありません。同様に[NO3]もmol/Lの単位になってくれます。ところで反応1は反応2の2倍いかないといけないので、 k1[N2O5]/{k2[NO2][NO3]}=2...(6) (6)に(4)を代入すると 2=(k1[N2O5])/k2[NO2])*((k2+k3)[NO2]/k1[N2O5])=(k2+k3)/k2 よって k2=k3...(7) となります。これを(5)に代入すると [NO]=k1k2/2k2k4=k1/2k4...(8) になり、さらに(4)に代入すると [NO3]=k1[N2O5]/(2k2[NO2])...(9) になります。依然として[NO3]は(9)より[N2O5]/[NO2]が定数でないと定数になりません。反応が進行すれば[N2O5]が増え、[NO2]が減りますので、[N2O5]が定常速度で供給され、[NO2]が定常速度で取り除かれていくような系なのですね。そしてこの保たれた[N2O5]と[NO2]の比によって[NO3]量も決まるということだと思います。
お礼
jamf0421さん お礼の順番が逆になってしまいましたが、NO7のほうで 反応1を2倍しない理由が解けました。どうもありがとうございまし た。
- 101325
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2番目の反応は1番目の反応の逆反応なので、4つの素過程をそのまま足して2N2O5→4NO2+O2にならなくてもいいです。 各成分の速度式をv1,v2,v3,v4で表すと d[N2O5]/dt = -v1 +v2 -v4 d[NO2]/dt = v1 -v2 +3*v4 d[NO3]/dt = v1 -v2 -v3 d[O2]/dt = v3 d[NO]/dt = v3 -v4 定常状態近似により中間体の濃度の時間変化をゼロとすれば d[NO3]/dt = 0 d[NO]/dt = 0 なので v1 -v2 -v3 = 0 v3 -v4 = 0 となるから v1 -v2 = v3 v4 = v3 残りの速度式をv3で表せば d[N2O5]/dt = -v1 +v2 -v4 = -2*v3 d[NO2]/dt = v1 -v2 +3*v4 = 4*v3 d[O2]/dt = v3 一方 v1 -v2 -v3 = 0 より k1[N2O5] -k2[NO2][NO3] - k3[NO2][NO3] = 0 なので [NO2][NO3] = {k1/(k2+k3)}[N2O5] これをv3に代入すれば -2*v3 = -2*k3[NO2][NO3] = {-2*k1*k3/(k2+k3)}[N2O5] 見た目は少し違いますが、#1さんの回答にあるk1をk1/2に置換えれば、同じ答えになります。
お礼
101325さん 回答ありがとうございます。 逆反応だから2倍する必要がないのですか? この辺がよくわからないです。 あと こういう書き方もあるんですね。 勉強になります。
- jamf0421
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4つの素過程をそのまま足しても2N2O5→4NO2+O2になりませんね。1番目の反応だけは2倍行っているのでは? 定常状態とは濃度に変化がない状態です。即ち、[NO]、[NO3]の時間微分をゼロにします。 d[NO]/dt=k3[NO2][NO3]-k4[NO][N2O5]=0...(1) d[NO3]/dt=2k1[N2O5]-k2[NO2][NO3]-k3[NO2][NO3]=0...(2) (1)より [NO]=k3[NO2][NO3]/k4[N2O5]...(3) (2)より [NO3]=2k1[N2O5]/(k2+k3)[NO2]...(4) (4)を(3)に代入して[NO3]を消すと [NO]=2k3k1/k4(k2+k3)...(5) ところで1を2倍し、その他は一つずつ進行するとして[N2O5]の減少速度は[N2O5]をAとかくことにして -dA/dt=2k1A-k2[NO2][NO3]+k4[NO]A...(6) これに(4)と(5)を適用して -dA/dt=2k1A-k2[NO2](2k1A/(k2+k3)[NO2])+k4(2k3k1/k4(k2+k3))A =2k1A-{2k1k2/(k2+k3)}A+{2k3k1/(k2+k3)}A =2k1{1-k2/(k2+k3)+k3/(k2+k3)}A...(7) 即ち d[N2O5]=K[N2O5] に対応させるのでしたら、(7)より K=-2k1{1-k2/(k2+k3)+k3/(k2+k3)} 計算はお確かめ下さい。
お礼
jamf0421さん 丁寧な回答をして頂いてありがとうございます。 おかげで定常状態近似の使い方がわかりました。 自分でも計算しましたが計算はあっていそうです。 反応1を2倍するかは別な方が答えてくださいました。 どちらが正しいのかもう少し検討してみます。
お礼
>(m+1)N2O5→(m+1)NO2+(m+1)NO3(反応1x(m+1)回) mNO2+mNO3→mN2O5(反応2xm回) NO2+NO3→NO2+O2+NO(反応3x1回) NO+N2O5→3NO2(反応4x1回) m=1,2の時を考えるとjamf0421さんの言いたいことがやっと理解できました。 ありがとうございました。 もう一つ似たような質問をするのでもしよろしかったら そっちもお願いします。