谷川俊太郎の文章「五月に」
秋晴れはその自体で充足していて、あとにはもう何も残っていない。からっと晴れあがったという、そのからっぽな感じにむしろすがすがしさがあるのだが、五月ばれにはそういう底が抜けたような安心がない。かすかな苛立ちといわれのない希望がある。梅雨という薄暗い季節を抜けて、その先に夏がある。そのことへの期待や希望がそんな感情を呼び覚ますのは確かであるが、同時にその苛立ちや希望は、もっと形のないものにも向かっていると私は思う。
質問1 「抜けて」という単語はここでの意味は何の意 味ですか。「過ぎる」という意味ですか。
質問2 「そのことへ」の中の「その」なにを指すので すか。
質問3 「形のないものにも向かっていると私は思う」 という中の「形のない」は何のいみですか。」