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法学の問題で
Q. 甲建物に居住して、悪意占有を6年続けたXは、その建物を善意無 過失のYに引き渡しYはその後4年占有を続けた。 (1) Yは建物を時効取得できるか? (2) Yはその後悪意のZに建物を引渡しZは10年占有を続けた。 Zは時効取得できるか? とあるのですが(1),(2)それぞれに理由をつけて解答するのにどう答えれば良いのかわかりませんので教えてください。
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申し訳ありません、若干修正いたします。 回答の2)の前段について、 「Zは悪意であるから162条2項による時効取得はできない。」 は判例、通説とは異なる結論です。 そこでこれに替えて以下を挿入させていただきます。 ----- Zは、162条2項によって、時効取得が主張できるか。 まず、187条は、占有の承継があった場合は、前主と後主それぞれに複数の占有が観念できることから、現在の占有者は、占有が承継により連続しているかぎり、前主の占有を選択的に主張できることを定めていると解される。 とすれば、Zは、Yの占有のみを選択して、自己の占有とあわせて主張できると解すべきである。 では、Yの善意無過失についても承継が認められるか。Zが悪意であることから問題となる。 この点、時効取得の制度趣旨は、永続した事実状態の尊重にある。 とすれば、時効取得者の便宜をはかるべく、162条2項にいう所有権の存在についての善意無過失は、占有のはじめに存在することを要しかつそれで足りると解すべきである。 そして、占有の承継があった場合であっても、占有の承継が時効取得者の便宜を図るための制度であることにかんがみ、前主の占有の開始時にあればよいと解すべきである。(この点の根拠については 私 見 です。結論は判例・通説と同じです。) この点、善意無過失は時効取得者についても必要であるとする見解もある。(このように解すればZは10年の占有による時効取得はできないことになります。) しかし、前述の時効取得の趣旨からは、現在の占有者に時効取得の便宜をはかるべきである。(私見です) よって、前主の善意無過失で足りると解する。 したがって、ZはYの善意無過失の占有を併せて主張し、162条2項による時効取得ができる。 以下同文 ------ 大変失礼いたしました、回答後段の20年の時効取得(162条1項)については回答でよいと思われます。 結論だけ言えば、Zは162条1項、2項のいずれも選択的に主張できます。 ●なお蛇足ですが念のために (1) 時効取得の要件である「所有の意思」と所有権についての善意・悪意・過失とは異なる概念です。 (1)-1 「所有の意思」(162条1項)とは自己に所有権があるという認識で占有をしているという状態を指します。(「意思」といいますが、あくまで「占有」という状態の一性質を意味するため、その有無は客観的な法的根拠や事情によってのみ判断されます。e.g 土地の売買があった、税金を納めていたなど) (1)-2 「善意」(162条2項)とは、自己に所有権があることを確信していることをいいます。(逆に言えば悪意とは他に所有権などを主張する者がいることを認識していることを意味します。)「無過失」とは、本人が確信していることに無理からぬ理由があることを指します。(これらは単純に主観的事情を意味するので判断材料は限定されないと思われます) そして、善意無過失は、a)占有のはじめに存在しなければならず、かつそれで足り、b)占有の承継があってもこれは異ならないというのが判例・通説です。この見解によれば、善意無過失は前主についてあれば足り、後主は悪意でもよいことになります。 これには善意無過失は時効取得を主張する者の占有の開始時にも必要だとする有力な反対説がありますが、通説・判例にしたがって回答を修正いたしました。 ただ、その根拠については記載が少なかったので、私見により「理由」として時効取得の趣旨を挙げておきましたが、大きく外れていないと思われます (1)-3 このように、「所有の意思」と所有権についての善意・悪意・過失とは異なるので、悪意、または善意で過失のある占有者でも1項により時効取得はできます。 長文失礼しました。以上です。
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- verve215
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1) YはXの占有を併せて主張する(民法187条1項)ことにより、10年の占有を主張することができるが、同時にその占有の瑕疵、すなわちXが、自分が甲につき所有者であることについて確信がなく、それを認識していた(162条2項における悪意)ことをも承継する(187条2項)。 したがって、Yは162条2項による時効取得ができない。 2) Zは悪意であるから162条2項による時効取得はできない。 ではX,Yの占有を併せて主張することにより、20年の占有による時効取得が出来るか。 この点、187条は、承継人の占有は、前主の占有と自己の占有の二面性を有することから、これを選択的に主張することを認めたものである。そして、これは複数の承継があった場合でも異なることはないと解される。 よって、ZはYの占有を併せて20年の占有を主張することにより、時効取得ができる。
- tadagenji
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どちらも出来ない。 Yは善意ではあるがXから購入したのならば登記簿の閲覧をしなかったという過失があり無過失ではない。 貰ったのなら贈与税などの手続きをしていない悪意がある。 自主占有とは廻りにも自分のものの用に使用していることが必要で、塀を作ったり植木を植えたりしていないといけない。 善意無過失10年、悪意有過失20年はご存じと思います。 善意とは他人物を知らなかったという事、悪意は知っていたという事です。
- akak71
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法学関係の学生なら、すぐに回答できるはずです。ごく簡単な問題です 基本書に掲載されています。