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ワイブル確率紙
ワイブル確率紙にはグラフ真ん中上部に○印があります。これはどういうものでしょうか?単なるグラフの書き始めの点なのでしょうか?それともやはりここにあるべき理由があるのでしょうか?教えてください。宜しくお願いします。
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この○印は、標本をワイブル確率紙にプロットして、ワイブル分布に従うことが確認された後、ワイブル分布のパラメータを求めるためのもので、重要な意味があります。 ワイブル分布の信頼度関数R(t)は、一般に、 R(t)=exp{-(t/η)^m} …(1) と表示されます。 ここには、パラメータが2個(mとη)あります。 後の説明のため、 t0=η^m …(2) と置き、(1)式を R(t)=exp(-t^m/t0) …(3) と表示しておきます。 ワイブル確率紙を利用する目的は2つあります。 1.対象としている分布がワイブル分布に従うかどうかの確認 2.ワイブル分布に従う場合には、2個のパラメータの確定 ワイブル確率紙は、「ワイブル分布に従う場合には、標本が直線になる」ように作られています。 (3)式の両辺の対数を2回とると、 ln{ln(1/R(t))}=m・ln(t)-ln(t0) …(4) の形になるので、 横軸をX=ln(t) …(5) 縦軸をY=ln{ln(1/R(t))} …(6) にとれば、そのようになるのです。 ここで、さらに、 n=ln(t0) =m・ln(η) …(7) と置き、(5)~(7)を使って、(4)式を次のように書き換えておきます。 Y=m・X-n …(8) 通常、 Xの値は、確率紙の上の辺に、 Yの値は、確率紙の右の辺に、 それぞれ記載されています。 この確率紙に対象の標本をプロットし、直線になれば、1が確認できます。この直線を、直線Aと呼びます。 2のパラメータを求めるには、 a.直線Aに平行で、○印を通る直線を引き、上辺のX=0のときのY(右辺)を読めば、これは、-mになります。 以下、その仕組みです。 ○印は(X,Y)=(1,0)に対する点なので、○印を通り直線Aに平行な直線は Y=m(X-1) …(9) と書けます。この直線は、 X=0でY=-m …(10) となるからです。 b.直線Aと、上辺のX=0と交わる点のY(右辺)を読めば、これは、-nになります。 したがって、(7)式からηまたはt0が求まります。
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- trytobe
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Excel などで用紙を作るサンプルなどがありますが、特にそういう丸印はありません。 ファイリングや製本・印刷の目印か、なにかの管理をしたい時に累積故障確率などの限界点として目印をつけているか、というだけで、用途ごとに要・不要や目印の位置は変わっても構わないのではないでしょうか。
補足
ご回答ありがとうございます。授業で見た手書き用のグラフ用紙に○印があるのです。ちょうど横軸(lnt=1)と縦軸(lnH(t))=0)の交差した点です。確かにエクセル等で作成したグラフには出てきませんが・・・。
お礼
なるほど。まさにこれが知りたかったです。やはり意味があったのですね。PCソフトでのグラフ作成が簡単にできる今時に、手書きのグラフ用紙の事なんて誰も知らないかと思いながら質問したのですが、これで少しワイブル分布による推定が身近になった気がします。丁寧にご回答頂きありがとうございました。