- ベストアンサー
王水は1:3ではなく1:4なのでは?
金と王水の反応は、 Au + HNO3 + 4 HCl → H[AuCl4] + NO + 2 H2O と表されますが、 これを見る限り、濃硝酸と濃塩酸の物質量の比は1:4だと思うのですが? HNO3 + 3 HCl → NOCl + Cl2 + 2 H2O という反応だけを見れば、1:3なのはわかります。でも、反応はこれで終わりじゃないでしょう?
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
>金と王水の反応は、 Au + HNO3 + 4 HCl → H[AuCl4] + NO + 2 H2O ではなく、 HNO3 + 3HCl ⇔ NOCl + Cl2 + 2H2O・・・・・・・・・式1 Au + NOCl + Cl2 + HCl → H[AuCl4] + NO・・・・・式2 です。 【参考URL】王水 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E6%B0%B4 Auを溶かす反応に関わるHNO3の個数と、HClの個数の比率は、確かに1:4ですが、これはあくまで分子やイオンの個数の比率であり、濃度比ではありません。 式1に従って発生するNOCl(塩化ニトロシル)は強い酸化力を持ち、塩酸や硝酸とは反応しない金や白金を、酸化する事が出来ます。 【参考URL】塩化ニトロシル - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%A9%E5%8C%96%E3%83%8B%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%83%AB 式1の反応は右方向にも左方向にも進む事が出来る平衡反応ですから、HNO3とHClの濃度比が1:3の場合において、反応が最も右方向に進み、塩化ニトロシルの濃度が最も高くなると考えられます。 塩化ニトロシルの濃度が高い方が、金を酸化する力が強くなりますから、王水を作る際の濃硝酸と濃塩酸の混合比は1:3なのです。
お礼
なるほど!化学平衡も考えなければいけなかったのですね。 ありがとうございます!