さき‐かた【先方】
相手の人。相手方。せんぽう。
せん‐ぽう【先方】
1 さきの方。向こう。「―の山」2 相手方(がた)。「―の意向を聞く」⇔当方 [類語] 向こう
とう‐ほう〔タウハウ〕【当方】 (回答者 注:*「先方」の対義語)
自分の属している方。自分の方。こちら。
《以上、大辞泉(小学館)より引用》
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「向こう」にも、自分の側から見た“相手・先方”という意味がありますが、「先方」としたときよりも乱暴な印象があります。
何かを話し合うときでも「向こうの意見を聞く」というよりも、「先方の意見を聞く」とした方が丁寧で、改まった(=きちんとした)表現です。
相手を「向こう」と呼ぶときには、やはり、No.1さんが仰るとおり見下した印象があり、「先方」とするよりも冷淡な感じがします。
「先方」には、かしこまった硬い表現である印象がありますが、取引や話し合い、正式な文書など改まった場面では、「向こう」や「こちら」とするよりも「先方」「当方」とするのが良いでしょう。
似たような表現に「あちら」という言葉があります。
意味や使い方は「先方」や「向こう」とほぼ同じですが、「先方」よりも堅くなく、「向こう」よりも親しみがある表現です。
また、対面で紹介し合うときにも使われます。
その場合、「あちらが~さんです」などと、掌を相手に向けて紹介したりします。
こういう場面で、「向こうが~さんです」とすると、物扱いしたようで失礼な印象もあります。ですから、「向こう」を使うのであれば、「向こうに“いらっしゃる”のが~さんです」となります。
「あちら」を使って、より丁寧に敬意を込めて紹介したいときは、「あちらに“いらっしゃる”のが~さんです」となります。
ただ、こうすると丁寧になった分、親密度が弱まり、余所余所しい印象があります。
「あちら」と「向こう」とを比べたとき、心理的にも実際の距離でも「向こう」の方が遠い印象を持ちます。「向こう」には突き放した感じ、遠い感じがあります。
また、「先方が~さんです」とすると、何か他人行儀で余所余所しく場に不似合いで不適切です。人を紹介し合う場面では、「先方」は使いません。
改まった場では「先方」を使うのが好まれますが、親密的な表現には適しません。
「向こう」は、先方よりも表現の幅は広いのですが、突き放した印象もあるので使い方に気をつける必要があります。
お礼
ご親切に回答していただきありがとうございます。大変参考になりました。本当にありがとうございました。