- 締切済み
無損失線路ではなく損失を考慮する場合の伝送線路における電圧定在波比について
電圧定在波比について質問があります。 一般の伝送線路理論に関する参考書に載っている説明ではほとんどが無損失線路と仮定した上で説明していますが、疑問に思うことがあります。 電圧定在波比は電圧波の節点の実効値と腹点の実効値の割合で表されますが、これは無損失線路上では入射波や反射波の減衰がないので、線路上全ての点で電圧定在波比はこのように表すことができると思います。 しかし実際の損失を考慮しなければならない場合の伝送線路では、この減衰も考慮しなければならないはずなので、線路上で発生する定在波の電圧定在波比は一定ではないのではないかと自分は疑問に思っています。 無損失線路の場合の電圧定在波比と損失を考慮した線路での電圧定在波比の値は、どちらの場合も一定の値となるのでしょうか? それとも損失を考慮すれば、線路に流れる入射波と反射波の減衰によって電圧定在波比も変化するのでしょうか?
- みんなの回答 (6)
- 専門家の回答
みんなの回答
すみませんが補足・訂正させていただきます。 最初の回答では損失を電力比で定義しています。電圧比で考えると次のようになります。 ------ 観測点から負荷端までの損失をL(電圧比、小数)とすると、観測点での見かけの反射係数Γ'は Γ'= (1-l)^2 Γ となります。これを(2)式に代入すると、 VSWR= (1 + (1-l)^2|Γ|) / (1 - (1-l)^2|Γ|) となり、観測点では、VSWRの値は負荷端の値に比べ小さくなります。 たとえば、負荷端で開放とすると、Z = ∞で、Γ=-1 VSWR=∞になります。 これが途中の損失をl=0.5とすると、VSWR=1.67になります。 この結果は2つのことを示唆しています。 1つは、線路に損失がある場合には、負荷の正しいマッチングのためには、VSWRは負荷端で計測しなければいけないこと。 もうひとつは、途中に-3~-6dBのパッドを入れれば、短絡や開放しても送信側に深刻な悪影響を与えないということ。-3dBでVSWR=3, -6dBでVSWR=1.67
線路が損失をもつ場合、観測する位置によってVSWRは変化します。 今、線路の特性インピーダンスをZo、負荷のインピーダンスをZとし、 反射係数Γを、反射波の振幅/進行波の振幅と定義すると、 Γ=(Z-Zo)/(Z+Z0) (1) Γを用いるとVSWRは VSWR= (1 + |Γ|) / (1 - |Γ|) (2) と表すことができます。 負荷端では、線路の長さが0なので損失が生じないため、Γの値は損失の有無にかかわらず、 (2)式のとおり VSWR= (1 + |Γ|) / (1 - |Γ|) となります。 一方送信端側のある観測点では、進行波が負荷端で反射したのち再び送信端まで戻る往復の経路で減衰を受け、反射波の振幅は小さくなっています。したがって、見かけ上、反射係数Γの値は線路の損失分だけ小さくなります。観測点から負荷端までの損失をL(小数)とすると、観測点での見かけの反射係数Γ'は Γ'= (1-l) Γ となります。これを(2)式に代入すると、 VSWR= (1 + (1-l)|Γ|) / (1 - (1-l)|Γ|) となり、観測点では、VSWRの値は負荷端の値に比べ小さくなります。 たとえば、負荷端で開放とすると、Z = ∞で、Γ=-1 VSWR=∞になります。 これが途中の損失を0.5とすると、VSWR=3になります。
変化しますね。アマチュアのテキストあたりには書いてあるんですが、SWR系をアンテナ直下に入れた場合と送信機の出口に入れたばあいとでは指示値が違います。 線路の損失が十分に大きければSWRが落ちることを利用したのが進行波形アンテナです。 測定したいのが「アンテナのSWR」であれば、アンテナ直下にSWR計を入れるのが正しいです。
>V(x)|max vs |V(x)|min の比が x とともに変われば電圧定在波比も変化するのでは、..... 損失のある (Lossy) ライン (γ=a+jφ) では、Γ*e^(-2ax-j2φx) の動径が Γ*e^(-2ax) になるので、 x が大きくなるにつれて、|V(x)|max vs |V(x)|min の比が小さくなる。 損失により見かけの反射が減るわけで、これは、リターンロス改善のため pad (アッテネータ) を挿入したと きに似た現象ですね。
- tadys
- ベストアンサー率40% (856/2135)
どのような形で損失が入るかによるでしょう。 例えば50Ωの線路に50Ωのアッテネータを入れた場合には50Ωの負荷ではVSWRは1です。 アッテネータの減衰比が非常に大きい場合は負荷インピーダンスに関係なくVSWRは1になります。 50Ωの線路に75Ωのアッテネータを入れて直後に75オームで終端した場合は VSWRは1.5になります。 同様にアッテネータの減衰比が非常に大きい場合は負荷インピーダンスに関係なくVSWRは1.5になります。 50Ωで終端した場合は1.5より小さくなるでしょう。
>..... 損失を考慮すれば、線路に流れる入射波と反射波の減衰によって電圧定在波比も変化するのでしょうか? .... ご質問の真意がよくつかめず、まずは VSWR のレビューから。 特性インピーダンス Zo、伝搬定数γ(complex) の伝送線路に負荷インピーダンス Z を終端。 反射係数Γ Γ = {1+(Z/Zo)}/{1-(Z/Zo)} として、 |V(x)| = |V1|*|1 + Γ*e^(-2γx)| 電圧定在波比 (VSWR) は、 VSWR = |V(x)|max/|V(x)|min 無損失ライン (γ= jφ) なら、Γ*e^(-j2φx) は動径がΓの円周になり、L がある程度大 (2φx > π) なら、 |V(x)|max = |V1|*(1+|Γ|) |V(x)|min |V1|*(1-|Γ|) VSWR = (1+|Γ|)/(1-|Γ|) Lossy なライン (γ=a+jφ) なら、Γ*e^(-2ax-j2φx) の動径が Γ*e^(-2ax) になり、|V(x)|max vs |V(x)|min の 比が x とともに変わるのでは、ということでしょうかね。
補足
説明が下手で申し訳ございません。 V(x)|max vs |V(x)|min の比が x とともに変われば電圧定在波比も変化するのでは、ということです。