フォノンにおける2つのモードについて
固体物理学のフォノンの内容がちっとも理解出来ません。単位格子が異種原子からなる結晶では音響フォノンと光学フォノンの2種類が存在するという点で既に行き詰まっています。
運動方程式を解いて導出した角振動数ω^2にはω+^2とω-^2の2つが得られますが、角振動数ω+とω-の波がそれぞれ同時に固体中で存在しているという事でしょうか。例えば、物体を鉛直投げ上げするときに、物体が投げる位置y=0に再び戻って来る時間を求めるという際には0=v0t-1/2(gt^2)を解くとt=0,(2v0)/gの2解が得られます。でもこれは物体がy=0にある時刻は2つあるだけであって同時に存在している訳ではなく、それぞれ別の場合ですよね。
一方で今回のω+^2とω-^2はこの2種類の角振動数の波が同時刻に固体中を伝播していて、固体中でうなりのような事が起きているという意味なんですか?それだと隣り合う原子が纏まって振動する音響フォノンと逆位相で振動する光学フォノンが同時に結晶中に存在出来ないと思います。ω+^2とω-^2の2つの解が現れる理由もよく分からないし、添付図の見方もよく分かりません。ある波数kで2種類の角振動数の波が別個で伝わっているという事なんでしょうか。エネルギーバンド図と添付図の形が酷似しているのはE=h~ωなので縦軸と横軸が同じになるからだとは思うのですが、考えてみるとバンド構造もある同一の波数kに対してそれに対応するエネルギーEが複数あるのも奇妙に感じてきました。それはともかくとして、ω-kグラフの2つの周期関数もあるkに対して2つのωを持つのではなく、バンド幅と同様に各曲線の振幅の範囲内に無数の角振動数ωの波が同時に混在しているという意味なんでしょうか。難しくてどうしても要領が得られなくて困っています。
また光学フォノンとは正電荷のイオン核が隣り合うイオン核同士で反発し合ってお隣さんとは逆向きに振動しているから起こるのですか?それでは何故、音響フォノンだと隣接原子同士でも反発せずに同位相で振動出来るのでしょうか。
最後に同種原子の結晶中の振動と異種原子の結晶中の振動では、どちらも同じ「原子の振動」ではありますが、どういった違いがあるのか。また異種原子では光学フォノン・音響フォノンそれぞれで固体中を振動が伝播していくとき、結果としてどんな違いがあるのか具体的な現象の例や仮のお話もできればお願いします。