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知っているのに間違える生徒
高校教師です。 うちは中堅高校ですが、生徒の半数は、計算の基本さえあやふやです。 真ん中より下の子は、こんなミスを連発します。 (1)(2の3乗)×(2の5乗)=(4の15乗) (2)約分と称して、分数(a+b)/(a+c)のaを消す 私が不思議なのは、彼らは指数や分数の意味を 『知っているのに間違える』んです。 (1)の子に「2の3乗って何?」と訊くと「2×2×2」と答えます。 指数の定義をキチンと知っているんです。 それじゃあと書かせると、なぜか答えは「4の15乗」 (2)の子に、分数や約分について語らせると、 ちゃんと正しいことを言うんです。 なのに答案は、なぜかあんな感じ。 何人かに、間違える理由を聞いたことがあります。 どうやら(1)だと、掛け算を見た時点で 「2×2で4だ!3乗×5乗で15乗だ!」と本能的に思ってしまうようです。 それを変だと思わないのか?と聞くと「まったく思わない」そうです。 違和感を感じないから、「ちょっと待てよ、指数の定義は…」 なんて思いつきすらしないんだとか。 (2)でも、分子と分母に同じ文字を見た瞬間、 「約分できる!」という気持ちを止められないんだそうです。 どうやら知識として知ってはいても 「それはそれ。これはこれ」のようです。 定着するまで何度も練習させたいのですが、高校では正直、 そんなことに割くための時間はありません。 しかし放置すれば、壊滅的になるのは目に見えている… 先生方、あるいは、自分がそうだったという生徒の方の 意見を聞いてみたいと思いました。
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私は教職の身ではありませんが、私も、近年の若者に非常に多い傾向であると思っています。 偏差値が高くとも、高IQ、高EQとは限りません。 数学の問題のみならず、このようなサイトでもちょっと考えたり、検索をすればわかるような問題をよく見かけます。 学生の頃、私もこういった事例が理解できず、いったい何を考えているのかと当時の恩師に解説を求めた事があります。 その際の恩師の回答は、「問題を解くには、IQだけでなく、EQも必要」 「IQが知能指数との表現であれば、EQは心理指数である」との事でした。 相手が何を言わんとしているか理解できないどころか、 自分が何を言いたいのかという時点ですでに理解ができていない=低EQは、脳の思考に対する使用範囲の違いから起こるそうです。 時折、頭にパルスを感知するネットのようなものを被って、脳の動きを見てみましょうといった観察がされます。 その際、高IQ者と低IQ者の思考力の違い、活性化などを色で比較したりしますよね。 質問に挙がる生徒たちは、この活性に問題があり、IQやEQが活性に比例して低いのです。 他にもおくつかの要因があり、例えば「認識の違い」でもそういった事は起こります。 ここに「じゃがいも」があるとします。見た目だけで、99%の方が「じゃがいも」と認識できるでしょう。 では、このじゃがいもの特徴を言えとか、このじゃがいもを使った料理を作れとなったらどうでしょう。 2~3品作れる方もいれば、数百というレシピの持ち主もいるでしょう。 これは、そのものに対する「記憶」、要するに経験や認識の違いなのです。 文中に、>掛け算を見た時点で 「2×2で4だ!3乗×5乗で15乗だ!」と本能的に思ってしまうようです。 とありますが、これがこの問題を解くヒントになっているように思います。 「掛け算を見た時点で」~~~~「本能的に思ってしまうようです」 じゃがいもを食べる習慣のある人が、じゃがいもを見た瞬間に食べ物だと思うのに似ています。 じゃがいもを食べた経験の無い者にとっては、ただの根っこの塊です(笑) ある日突然、今日からじゃがいもは食べ物ではなくて、燃料の原料ですと言われても、 じゃがいもを見れば、これは食べ物なのに…と思えてしまうのです。 脳の活性の問題は、極端になれば発達障害として正しい扱われ方をしますが、 その多くは性格だから仕方ないとして放置され、このように周囲を悩ませる事になってしまいます。 こういった理解は、根本の追及と改善をしなければ次から次へと起こるうえ、何度でも躓いてしまいますから、 一時凌ぎとしてその問題を理解させても、他に認識や理解の差異が表れた時には、再び同じ事が起こるのです。 私も子を持つ親ですが、一番低いレベルに合わせて指導していただきたいとは思っておらず、 最低限必要な授業をきちんと進めていただければ納得だと思っています。 全員が理解できる指導は理想論で、偏差値の差が無い国内全員満点は現実的ではありません。 「その子の持つ能力の差」と捉えれば良いのではないかと思います(^^)
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- arrysthmia
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> 時間の無駄 家庭教師ではなく、集団授業なのだから、 生徒間に理解度の差があるのは当然で、 授業は何処かのレベルに焦点を 当てざるを得ません。 学校の存在意義からして、 公立校なら最低のほんの僅か上に、 私立校なら平均と最上位の二層に 焦点を当てることになるでしょう。 それが自分に合うレベルであるか否かは、 入学時点で十分考えておくべきことです。 中学年ならともかく、高校生にもなって、 それが理解できない子供は、EQ が低すぎて、 高卒で社会にだしては、ロクなことに なりそうにありません。 困難とは思いますが、進学指導・受験対策を がんばって、教育期間を確保してあげてください。
お礼
焦点の当て方については、まったく仰るとおりです。 確かに社会に出してはロクなことにならないでしょう。 何だかんだ言って、誰かがとどこかで 食い止めないといけないことなんですよね。
- Ama430
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>時間の無駄だ。隣のクラスの友人から聞いたが、こんなことしてるから、ウチは隣より進度が遅い。迷惑だ こういう意見にひとつのヒントが隠されているのではないでしょうか。 「なぜ」を問い返すことなしに本質的な定理・公式の利用はありえませんが、ペーパーテストで点数を効率よくとるという目的のためには、「典型的な問題を機械的に答える」という方法が重用される傾向があります。 そのことで、定義を機械的に答えることと、演算を機械的に行うことが別々に存在していて、結びついていないために生じるミスなのだと思います。 少し誤解があると思いますが、高校で時間がないのと同じように、小学校・中学校でも時間は常に不足しています。 >指数について詳細な解説がなされ、 >練習のために何十問、何百問もの問題が課されます。 >それだけに何時間もの授業が割かれます。 そのような学校はまずないでしょう。 確かに、導入以来、様々な場面で反復練習しますから、他領域での演習まで含めれば、3年間で何百問というオーダーには達しているでしょう。 けれども、導入部分での定義は簡単で、純粋な演習は教科書だけなら4~6題でしょう。 指数法則も出てきません。 高校入試のために、時間制限のある学力テストで高得点をおさめるスピード計算を理想として、応用ができないばかりか、逆に計算力を落としている生徒は多いはずです。 そのことを自覚している指導者は、演習のために問題集を使ったり、自作のワークシートを用意したり、典型的な誤答に焦点を当てて図解による説明を試みたり、という工夫をしています。 高校と違って、生徒の学習の水準に大幅な開きがある中学校では、ていねいに解説することによって理解の早い生徒が不満を持つというケースはさらに多いと言って良いかもしれません。 教師が生徒を指導するという固定的な見方では、「どこでバランスをとるか」という折衷論に陥ってしまいますが、生徒間の横の教育力を引き出す様々な手立てに思い及べば、多少はそうした生徒間の利害対立を乗り越えることが可能です。 (1)早く問題が解けた生徒を「小先生」「アシスタントティーチャー」に任命して、わからない生徒に付かせる (2)問題と解答をカード化して神経衰弱の要領でグループ活動を行う数学ゲームなどを取り入れる (3)「(2の3乗)×(2の5乗)=(2の8乗)」を使った文章問題を班ごとに考えさせる このような実践を参考にされて、本筋から外れた教材を思い切って端折ることで時間を生み出して、「なぜそうなるか」にこだわった授業をしていただくのが良いように思います。 個人的には、受験第一主義は好きになれませんが、受験のことを考えたとしても「急がば回れ」ということなのだと思うのです。
お礼
そうですね。確かに、その通りです。 私も典型的な間違いなどをよく取り上げますが、 そうした授業は生徒に好評です。 生徒同士に教え合わせることもよくします。 おかげで聞く相手ができたと、低学力な生徒も喜びます。 ちなみに、他の先生にはあまりいい顔をされません。 授業中は静粛であるべき。喋ることを許せば私語につながる! という方針の学校なので。 説明しても「う~ん、でもね~~」という感じです。 そして、本来なら小中学校の内容を、どこまで私がカバーすべきか。 それも悩みどころです。 高校で教える範囲であれば、授業の一環ということになります。 しかし例のような「指数」「分数」などは、 いちいち高校では言及されません。 してもいいですが、そこまで遡っていては本来の内容から遠ざかり、 授業になりません。 また中学の頃、真面目にそれを習得した生徒も 「高校でここまで手厚くケアされるなら、努力して損した!」 という不信感にもつながりかねません(そういう子がいました…) 急がば回れ、は正論なのですが、 高校教師としては正直、そんなのは済ませておいて欲しかった というのが本音です…
- hesaid
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高校になると数学の抽象度が一気に上がって、脱落する生徒が出てきがちです。教師の方には、一人でも多く脱落を食い止めて欲しいものです。 もう、ひたすら噛み砕いて説明するしかないでしょう。 2^3×2^5=(2×2×2)×(2×2×2×2×2) (2^3)^5=(2×2×2)×(2×2×2)×(2×2×2)×(2×2×2)×(2×2×2) と板書して2の数を数えさせるのです。 その上で、演習問題や宿題を出して身に付けさせるしかありません。 その生徒さんも、理解しているようで理解していないんですから。
お礼
やっぱりそれしかないんでしょうか… 一度それをやってみたこともありますが、 できる生徒から 「時間の無駄だ。隣のクラスの友人から聞いたが、 こんなことしてるから、ウチは隣より進度が遅い。迷惑だ」 とのクレームを受けたことがあります。 加減が難しいのですよねぇ…
自分は今高校2年生です。僕も1年前はそんなミスは茶飯事で、苦い思い出が残っています。 たぶん、そういう生徒の方々は授業で習う指数法則や分数の約分の性質について授業を真剣に聞いていないからだと思います。 それは、「当たり前すぎること」と授業を聞いていて認識してしまうからではないでしょうか。 たとえば、2次方程式の解の公式なんてのは真面目に聞いてないとチンプンカンプンですが、指数の法則、例えばaの2乗×aの3乗=aの5乗であったりとか、ab/ac=b/cなんてのは、その場で「なんとなく」理解できた気になってしまします。 ですから、高校生の大半が解の公式を暗記しているにも関わらず指数の法則などはうろ覚えで間違えてしまいます。 (僕は個人的には+と×の性質を混同しやすい、と考えていますが) こういうのは本当に反復練習しないと定着しないんですよんね。 僕の高校でも皆(僕も含めて)指数のとき授業を全然聞いてなかったもので、先生が次の授業のときに指数の復習テストをやったんですが、前回の授業のときは理解できてたはずなのにテストでは「????」という状態でした。 そして、何回も追試を受けてようやく理解できましたが。 難しい問題は「その場でなんとかして理解しよう」という気持ちが自然と強くなりますが、「そんなの当たり前だ」と思うような問題は何回も繰り返さないときちんと定着しません。 授業の進度によりますが、授業の最初5分を使って問題を解かせたり、あるいは宿題を出しておくのがいいと思います。
お礼
やはり気合の入り方の違いでしょうか。 自分の経験から言うと、 私は指数を初めて習った、その時間からずっと、 「●の何乗」を見るたびに「●×●×●×…」と 頭の中でバラしていました。 最初に指数の意味を習った以上、 以降はそれにしたがって計算するのが常識だと思ったからです。 だから、習った次の日からそれを実行しない人間が、 不思議で仕方ありません。 忘れるのは仕方ないとしても、 「えーと指数の意味は…やべぇ忘れてる」という方向へ考えが行かず、 なぜ「2×2で4!3乗×5乗で15!」などという 条件反射みたいな発想に飛びつくのか、 それを解説していただけると幸いです…
- 4017B
- ベストアンサー率73% (1336/1814)
最近はやりのMr.BRAIN風に解釈すれば(笑)。 ・人間の脳は“入力”よりも“出力”に反応しやすい。 ~と言う事です。 つまりある程度の練習(暗記 =入力作業)は当然必要ですが。長期記憶として定着させるためには、より多くの実戦(テスト =出力作業)を経験させた方が効果的であると言う事。 まあ生徒は嫌がるかもしれませんが…。 大脳生理学的に見れば、「朝の小テスト」なんかは思った以上に効果的な学習方法な訳です。100回の素振りよりも1回の試合に出た方が、より多くの事を学べる~と言えば分かり易いでしょうか? P.S. 実際の現場でわままならない事も多いでしょうけど、諦めずに頑張って下さい。 貴方に取っては長い教師人生の中で、たまたまその年に受け持った生徒ですが。生徒にとっては長い一生の中で、一度きりの高校三年間に出会った掛け替えのない先生なのですから…。
お礼
小テストはガンガンやっています。 もうすぐ夏の講習なので、ひたすらにそれを 練習させるクラスを作ろうかという話もでています。 試行錯誤していますが、なかなか改善されないのが現状ですね… 最後の励まし、ありがとうございます。 生徒の立場からすれば、そうですよね! 肝に銘じて、頑張ります。
- taka_tora
- ベストアンサー率56% (59/105)
おはようございます。 結局先生はどうされたいのですか? 「放置すれば、壊滅的になるのは目に見えている」ので、前向きに解決されようとしているのか、「高校では正直、そんなことに割くための時間はありません」から、とりあえずここで愚痴を言っておき、参考程度にあてにならない人の意見でも聞いてみようかということですか? 後者であるなら、転職されてそんなことに割ける時間のある中学校以下の学校か、あるいはそんなことを考える必要のない大学の先生にでもおなりになることをお奨めします。
お礼
私は、解決したいです。 彼らを放っておいては、確実に良くないと思います。 ただカリキュラム上の時間的な制約や、 それを理解せず、ただ自分『だけ』にあわせた授業を要求する生徒、 「できない生徒に関わるのもほどほどに」という上司の意見などで 板ばさみになり、気が立っているのも事実です。 似たような生徒を抱えておられる先生や、 自分がそんな生徒だったという方の意見を聞けば、 何か助けになるかと思って質問させていただきました。
- arrysthmia
- ベストアンサー率38% (442/1154)
No.3 に補足 : 最近ヒットした映画「おっぱいバレー」が、 参考になるかも知れません。 少なくとも、「ドラゴン桜」よりは 示唆に富むと思います。
- arrysthmia
- ベストアンサー率38% (442/1154)
問題の本質は、個々の生徒の学習方法や 御校の指導内容よりも、半数の生徒が基本的な計算さえアヤフヤな 学校が中堅校であるような 現在の教育事情にあると思われますが。 愚痴を言っても始まらないので、 ちょっと考えてみると… 「それはそれ、これはこれ」になってしまう 生徒に、手持ちの知識でなんとか解決する 姿勢を身につけさせるためには、 大量の演習よりも、一問一問を大切に解かせる ことが必要でしょう。 「まてよ、これで合ってるかな」という 考え方を持つためには、 本気で正解したいと思うための動機づけと、 十分な時間が要ると思います。 とりあえず、エサとバツかな?
お礼
そうですね、社会状況に文句を言っても始まりませんね… やはり十分な時間ですね。 ただその時間は高校にはないし、 タップリ時間があったはずの小中学生の頃に何をしていたのか! 自分の怠惰を棚に上げて、教師を責めるな! という怒りは残りますが… あと、動機ですか… おっぱいバレーは知っていますが、あれは…(笑) あんなエサ、他にあればよいですね~
- koko_u_u
- ベストアンサー率18% (216/1139)
きっと小学生くらいの頃からすべて条件反射で問題に解答してきたのでしょう。 >定着するまで何度も練習させたいのですが、高校では正直、 >そんなことに割くための時間はありません。 きっと小学生くらいの頃からすべての先生が「そんなことに割くための時間がありません」とした成果なのでしょう。
お礼
>>きっと小学生くらいの頃から… そうでしょうか? 例えば中学では、「指数」そのものを初めて習う時間があったはずです。 そこでは指数について詳細な解説がなされ、 練習のために何十問、何百問もの問題が課されます。 それだけに何時間もの授業が割かれます。 実際、中学のカリキュラムを見ると、そうなっています。 なぜそのときに習得していないのか? それは教師の責任なのか? 単なる怠惰ではないのか? そうした疑いを、私は持っているのです。
失礼ですが、何度練習しても、それでは単なる暗記になってしまい定着しないと思います。要は、定義と計算とがつながっていない。つながるような計算の練習問題を工夫すればいいと思います。教科書や問題集にある画一的な問題だけを与えれば、生徒も画一的になってしまうのは当然に思えます。
お礼
つながるような練習問題ですか… いろいろ与えたり、方法を変えてはいますが、 なかなかこれというものは見つかりませんね。 ただ諦めずに、もっと試してみたいと思います。
お礼
>>こういった理解は、根本の追及と改善をしなければ… まったくです! やってもやっても、次なる勘違いが起こる。 毎日、穴埋めをしている気分です。 それも高校入学前に、当然埋めておくべき穴を… よく分かるお話でした。 教員の苦労をよくご理解いただいてるようで、ホッとしました。 めげずに明日からも頑張りたいと思います。