(1), (2)を次のように書き換えます。v1',v2'の連立方程式ですから、v1',v2'を含む項を左辺に、含まない項を右辺に持ってきます。
式(2)は、分母のv1-v2を両辺にかけて整理します。
m1v1' + m2v2' = m1v1 + m2v2 ……(1)
-v1' + v2' = ev1 - ev2 ……(2)
さて、連立方程式ですから、(2)の両辺にm1をかけて、
m1v1' + m2v2' = m1v1 + m2v2 ……(1)
-m1v1' + m1v2' = em1v1 - em1v2 ……(2')
とします。(1)と(2')の両辺を足すと、v1'が消えます。
(1)+(2')
m2v2' + m1v2' = m1v1 + m2v2 + em1v1 - em1v2
これを整理して、
(m1 + m2)v2' = (1 + e)m1v1 + m2v2 - em1v2 ……(3)
ここで、右辺にv2が出るように、(3)を次のように変形します。
(m1 + m2)v2' = (1 + e)m1v1 + m1v2 + m2v2 -m1v2 - em1v2
(これは、式(3)の右辺にm1v1を加えて引いただけです)
さらに右辺を整理して、
(m1 + m2)v2' = (1 + e)m1v1 + (m1 + m2)v2 - (1 + e)m1v2
(m1 + m2)v2' = (m1 + m2)v2 + (1 + e)m1(v1 - v2)
((1 + e)m1でくくりました)
最後に両辺をm1 + m2で割ると、
v2' = v2 + (1 + e)m1(v1 - v2)/(m1 + m2) ……(4)
が出てきます。これが答えの1つ。
次にv1'の式を求めるために、(4)を(2)に代入しても良いですが、上で実施したことと同様にやる方が早いような気がします。。
(1) - m2×(2)を計算するとv2'の項が消えて、
(m1 + m2)v1' = m1v1 + m2v2 -em2v1 - em2v2
この右辺に、m2v1をわざと加えて引きます。
(m1 + m2)v1' = m1v1 + m2v1 - m2v1 + m2v2 -em2v1 - em2v2
= (m1 + m2)v1 - m2(v1 - v2) - em2(v1 - v2)
= (m1 + m2)v1 - (1 + e)m2(v1 - v2)
最後に両辺をm1 + m2で割ると、
v1' = v1 - (1 + e)m2(v1 - v2)/(m1 + m2)
これが2つ目の答え。
結局、やっていることは連立方程式を解くだけなんですが、
導く答えの右辺を、"v1 - ", "v2 + "の形が出るように、式変形を工夫する必要があります。
最後に、出てくる答えの物理的意味を考えてみてください。
たとえば衝突後の速度v2'は、衝突前の物体m2から見た物体m1の運動量m1(v1-v2)に比例する速度だけ増加しています。v1-v2は相対速度で、物体m2から見た物体m1の速度です。
また、仮に、2つの物体の質量が等しく、m1 = m2のとき、答えの式は、
v1' = v1 - 0.5(1+e)(v1-v2)
v2' = v2 + 0.5(1+e)(v1-v2)
です。どうやら、答えは、物体の速度変化量が分かる式になっているということが重要みたいですね。
このように、物理では、出てきた式の形が、どういうことを表現しているのかを、自分なりに考えてみましょう。そうすればとても面白くなります。
上記の解き方より、もう少しエレガントな解き方はあると思いますが、最初は、連立方程式をじっくり解くということをやってください。
お礼
大変参考になりました。ほんとにありがとうございます。分かりやすかったです。