- ベストアンサー
「お粗末」の「お」
日本語を勉強中の中国人です。次の文の中で、「お粗末」の「お」がなくても自然な日本語なのでしょうか。 「今回、政府が発表した行政改革案は、あまりにもお粗末で、およそ改革案の名に値しない。」 また、質問文に不自然な日本語の表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
- みんなの回答 (5)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
まいどっ ^^ >>>次の文の中で、「お粗末」の「お」がなくても自然な日本語なのでしょうか。 自然か不自然かということ以前に、「お」をつけなければ誤りです。 きちんとした品詞として考えるためには、後ろに「だ」をつけて 形容動詞(の終止形)として考えます。 すなわち、「粗末だ」と「お粗末だ」の比較になります。 両者には、はっきりした違いがあります。 「お粗末だ」は、他人または自分自身の落ち度を馬鹿にするときに使います。 「粗末だ」は、雑なことや品質が劣ることを表す場合に使います。 ちなみに、 似た例としては、下記のものがあります。 1.「あなたがおっしゃることは、ごもっとも。」 これは「あなたが言っていることは正しい」という意味ですが、 本心では「あなたが言っていることに対して不満がある」と思っている場合に使います。 つまり、嫌味(いやみ)、皮肉の表現です。 「もっとも」に「ご」が付いているところがポイントです。 2.「それは、それは、ご丁寧に、どうも。」 これは「丁寧にやってくれて、ありがとうございます」という意味ですが、 本心では「そんなことまで、してくれなくてもいいよ」と思っている場合に使います。 これも、嫌味(いやみ)、皮肉の表現です。 「丁寧」に「ご」が付いているところがポイントです。 なお、 「ごもっとも」や「ご丁寧」が、すべての場合に嫌味・皮肉になるわけではありません。 上記1,2など、ごく限られた表現が例外になります。 ご質問文についてですが、 【次の文の中で、「お粗末」の「お」がなくても自然な日本語なのでしょうか。】 の部分は、以下のいずれかにすべきです。 (ただし、微妙なことですので、日本人でも、ちゃんとわかっている人の割合は小さいです。) a)次の文の中で、「お粗末」の「お」はなくても自然な日本語なのでしょうか。 b)次の文は、「お粗末」の「お」がなくても自然な日本語なのでしょうか。 c)次の文の中の「お粗末」は、「お」がなくても自然な日本語なのでしょうか。 d)次の文は、「お粗末」の「お」を取り除いても、自然な日本語なのでしょうか。 e)次の文の中では、「お粗末」の「お」[が/は]なくてもよいのでしょうか。 上記のうち、特に、bをお勧めします。 aは、「が」を「は」に換えただけですが、そこが肝心なところです。 以上、ご参考になりましたら幸いです。
その他の回答 (4)
- kentaulus
- ベストアンサー率60% (1064/1746)
1mizuumiさん、こんにちは。 「おみおつけ」、「おごちそう」の単語を知っていますか? 「おみおつけ」は、「御御御漬」と書きます。意味は「漬物、Pickles」です。 「おごちそう」は、「御御馳走」と書きます。意味は「食べ物、Food」です。 漢字を見ると「御」が重なっています。 「御」は「お、ご、ぎょ」と読み、敬語の意味です。 (「み」の読み方は例外です。) 「漬物」や「食べ物」にも敬語を付け、「大切な物」の意味を付け足しています。 これは、昔の日本はとても貧しく、食べ物は少なく、 漬物やお米は裕福な人だけ獲得しました。 貧乏人は山菜や木の実、小魚、芋、麦などが主食で、 米や加工食品は贅沢品だったのです。 麦は貧乏人の主食だったので「御麦」とは言いません。贅沢品ではないです。 そのため、米に御を付け「お米」、漬物に御を付け「御御御漬」、 白米の有る食べ物を「御御馳走」と言いました。 「漬物」と「御御御漬」は同じ意味。 「食べ物」と「御御馳走」は同じ意味です。 このように敬語の「御」は、誇張、誇大の効果を持っています。 「粗末」は悪い意味を持っています。 「粗末」に「御」を付け足し、「粗末」を誇張、誇大しています。 悪い意味を誇張、誇大する → 皮肉の効果になります。 日本語は、難しい、ややこしいですね。 私も説明するのに困ります。(こまります。) では、また。 再見。
お礼
こんにちは^^。締め切る寸前! もう少しで面白いエピソードを逃すところでした。「おみおつけ」、「おごちそう」の単語は知りません。大変参考になりました。わかりやすく説明していただき心から感謝いたします。
(ちょっと複雑な回答になってしまい、すみません。教えてgooはデータベースとしての役割も担っているそうなので、質問者さま以外の方が参照することも考えて厳密なことを言っています。) 辞書を引いてみると、確かに「お粗末」で一項目立てているので、「粗末」と「お粗末」は今は別の語として扱われているということになります。 が、何をかくそう昭和五十一年発行の「広辞苑 第二補訂版」では「お粗末」の一項目はまだ立てられていません。 また、感覚的には今でも<「お粗末」は「粗末」に接頭語「お」をつけた言葉>という感じがします。両者を「別の言葉」として認識するのはけっこう特異な感じです。というか普通の日本人は、この二語を別の言葉とは思っていないですね。 そこで私はあえて異を唱えたいです。 <意味>と<運用>は別である!と。 接頭語の「お」や「ご」は物事を丁寧に言いたいときに語の頭につける言葉です。 で、その「丁寧に言う」というのを逆手に取って、ものごとを小ばかにしたいときにわざと丁寧に「お」や「ご」をつける――という運用のされ方があります。 そうやって「お」をつけた結果、伝わる意味は嫌味っぽいものに変化してしまうわけですが、でもそのとき本当に違うのは<運用の仕方>であって<意味>ではない、と思うのです。 たとえば「まあ、お上品ですねえ」というのも、本当に上品さに感心して言っている場合と、小ばかにして言っている場合があります。 前の方も書いていらっしゃるように「ご丁寧」「ごもっとも」なども、本当にその意味で言っている場合と、小ばかにしている場合がありますね。 現在の辞書では「お粗末」「ごもっとも」は一項目立てていますが、「お上品」「ご丁寧」は立てていません。その区別の根拠は、おそらく「どれだけ固定化されているか」だと思います。そこには恣意的な判断が働きます。永遠不変の真理ではないのです。 昭和五十一年ごろはまだ「お粗末」は一語立てるほど固定化していなかったのですから。(このとき「ごもっとも」は一項目になっています。「御尤」という漢字の状態ですが。) 時系列でまとめるとこうです。 1、「お・ご」という丁寧さを表す接頭語がある。 2、「わざと丁寧に言って小ばかにする」という運用法がある。 3、ある特定の言葉について、その運用法が固定化し、一定の意味をはらむようになる。 4、「ごもっとも」が固定化し、辞書の一項目になる。 5、さらに「お粗末」も固定化し、辞書の一項目になる。 もちろん、言葉は時代によって変化するものですから、昔は一語ではなかった「お粗末」が現代では一語になったのだ、ということはOKです。 しかし、「いつ辞書の一項目として分離させるか」には恣意的な判断が関わってきますので、それが永遠不変の真理ではないのです。「お上品」や「ご丁寧」もいずれ辞書の一項目になるかもしれないのです。 「『お粗末』と『粗末』はそもそも違う言葉である」と、永遠不変の真理のように言い切ってしまうと、違うのです。 中国の方が、そう言い切られた方が楽なのか、それとも「お・ご」の運用法の一つにこういうのがあるよ、として通して教えられた方が楽なのか。 後者の方が、それ一つを知っておけば「お上品」「ご丁寧」に出会ったときにも応用が利くので、いいような気がするのですが。 個人的には、恣意的にいつ辞書に一項目立てるのかを逐次判断して行くより、接頭語「お・ご」の使い方一覧の中に「丁寧さを逆に使って、小ばかにする使用法」を書き入れて、それで全て済ます、という方が理にかなっている気がします。 というか今ヤフー辞書で検索したら「お」に「(4)からかい、皮肉、自嘲などの気持ちを表す。」という使用法がちゃんと書かれていました。 これだけですましておいて、「ごもっとも」「お粗末」はいちいち立てなくてよかったのに。 まあこの二語だけ意味が特定化しているというのはありますが(小ばかにした運用法以外で使われない)、しかしそれを言うなら「熱い」と「お熱い」も運用のされ方はそれぞれ特定化していますが「お熱い」は辞書で一項目になっていないので、やはり恣意的な切り分け方です。 いずれにせよ運用の違いと意味の違いを混同して、別の語として扱うのは間違いだったのではないかと思います。
お礼
ご丁寧に説明していただき誠にありがとうございます。大変参考になりました。本当にありがとうございました。
- hakobulu
- ベストアンサー率46% (1655/3578)
「お粗末」は独立した形容動詞のようです。 自分のことに対して主に使います。 落語家なども語り終えた後に「お粗末の一席でした」などと言います。 このように、本来は、謙遜・自嘲気味の表現です。 「当時の子供はみな粗末な食事で我慢したものだ」などという使い方はしますが。 政府提出の案に対して「粗末な改革案」は、まず使わない表現です。 「今回、政府が発表した行政改革案は、あまりにもお粗末で、およそ改革案の名に値しない。」という表現には、政府を揶揄する意図があります。 『政府自身が、「これはお粗末な改革案だ」と自嘲気味に気づいてもよいぐらいの、実にずさんで、おざなりな改革案だ』 という意味が込められています。 「粗末」よりも「お粗末」のほうが厳しい論調になるでしょう。 お粗末ながら、このような回答になります。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。すっきりいたしました。本当にありがとうございました。
- born1960
- ベストアンサー率27% (1223/4397)
「粗末」とはどちらかといえば物品に使いますが、「お粗末」は人の行動や性格に使う場合が多いです。 ただ、粗末な品物を丁寧に言う場合・・・ たとえば、お茶やお料理などを作った側からへりくだって言う場合などには「どうもお粗末なお茶で」などと言うこともあります。 ニュアンスが伝わりにくいですが、この例文の場合だと「あまりにも粗末で」というよりも「お粗末で」としたほうが、より馬鹿にしているような表現にはなります。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。大変参考になりました。本当にありがとうございました。
お礼
こんにちは^^。早速のご回答ありがとうございます。大変参考になりました。また、質問文の添削にも感謝いたします。難しいですね。本当にありがとうございました。