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液体の動径分布関数の測定の仕方を教えて下さい。
http://polymer.apphy.fukui-u.ac.jp/~koishi/lecture/md_program7/index.html ここのページによればX線散乱を用いることである水分子からの水分子の確率密度を測定することが出来ると書かれてあるのですが、 これは一体どうやるのでしょうか? アモルファスや液体のXRDを測定してもハローというかたちで何もピークは出ないと思います。 更にXRDは原理的に結晶の周期を測定することは出来ても、ある原子・分子を固定したときの他の原子・分子の確率密度は測定出来ないように思うのですが、一体どういう原理を用いればこれが可能になるのでしょうか? お願いいたします。
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X線散乱実験と解析をやっていたことがありますが、残念ながら動径分布関数を求めた ことはありません。それで自称「一般人」なのですが、当時の経験と数式から判断できる 範囲でお答えします。 ハローという形のドーナツ状の散乱パターンでは、散乱角θ=0はマスクしてあり、 θ=0の近辺からθが増えるに従い散乱強度が強くなり、なだらかな山を越してから 減少しθの大きな領域でほぼ0となります。 この干渉性散乱の実測強度をI'(θ)とします。 X線束の拡がりとスリット幅に依る散乱強度曲線の拡がりを単結晶の基準物質を使い 測定します。その結果を用い畳み込み積分を数値計算しI'(θ)から補正強度I(θ)を求めます。 このI(θ)の各散乱角θに対する強度値を読取り数値表I(θi)を作ります。 還元距離rをパラメータとしてrの数値を段階的に変え計算式のθに対する積分を数値計算で求めます。 順次g(r1),g(r2)...と計算して行きます。積分の範囲は0から∞です。 計算結果g(ri)をriに対してプロットします。これで、g(r)とrのグラフが得られます。 g(r)を求めるにはI(θ)に対する他の積分表示形式も有りますので文献調査では注意してください。 残念ながら、手許に残るX線散乱と動径分布関数を説明した3冊の本には、液体論の本も含め、 具体的な計算方法は載っていませんでした。ネットでもこれはという文献は見つかりませんでした。 市販の計算ソフトは色々と有るようです。 経験の有る方のコメントに興味は有るのですが。
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- Akira_Oji
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もう随分昔のはなしですが、友人と一緒に読んだ原著者の論文です。何かの役に立つかも知れませんが。 Molecular distribution in liquids Kirkwood, J.G. Source: Journal of Chemical Physics, v 7, 919-925, Oct. 1939 Abstract: A theory of the radial distribution function in nonpolar liquids composed of spherical molecules to developed. The characteristic features of experimentally determined radial distribution function are reproduced by the theory. A single parameter, the work of formation of a cavity of molecular aim, determines the approximate form of the distribution.
- drmuraberg
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言われるとおり、アモルファスや液体のX線散乱を測定してもハローという形の ドーナツ状のボケたリングや中心から周辺に行くに従い薄くなるパターンで 明確なピークは出ません。 しかし、この散乱強度曲線の輪郭から動径分布関数g(r)を求めることができます。 液体に対してX線散乱実験を行ったときの干渉性散乱の強度I(θ)は ∫(4πr^2)g(r)(sin(sr)/sr)drに比例します。I(θ)に対してフーリエ変換を行うと (4πr^2)g(r)と(2/λ)∫I(θ)((sin(sr))/sr)dθの比例関係式が得られます。 ここに、θは散乱角、s=(4π/λ)sin(θ/2)です。 この比例関係式にI(θ)を入れ計算しg(r)を求めます。
お礼
回答ありがとうございます。 散乱強度曲線の輪郭から求めることは分かったのですが、具体的に輪郭のどのパラメータを どの式に代入して計算すれば良いのかが貴殿の回答から読み取ることが出来ません。 もう少し計算を詳細に教えて頂けないでしょうか? それと、出来れば、計算手順などについて解説してある書籍名を教えて頂けると助かります。 よろしくお願いいたします。