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XRD結果から分かることと結晶の面指数の決定方法について
- XRDの結果から、結晶の配向度や結晶性を判断することができます。
- XRDでは、ブラッグ条件を満たす結晶が現れるピークが観測されます。
- XRDの結果からは、結晶面の指数(hkl)が得られ、物質の組成や結晶構造の特定が可能です。
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別に化学や物理の分野に関係なく、データの意味をちゃんと考えないような記述に見えたので不可思議に感じたということです。 さてXRDの話ですが、工学の分野や、原料合成の場合だと、作ったサンプルの回折パターンを報告値とくらべて一致していたら同じ物質(組成はもちろん、結晶型まで含めて)ということが分かります。つまり、晶系や空間群まで含めて、物質の同定に使えます。たとえば、蛍光X線の分析でも組成を知ることはできますが、サンプル内部での原子・イオンの配列がどうなっているかということまでは分かりません。しかし、材料として考えた場合は組成だけでは不十分でどのように詰まっているかが物性に効いてきますよね? いっぽう、未知のサンプルの場合だと話はまた違ってきます。 ブラッグの式のことを考えると、回折パターンからフーリエ変換することでサンプル中にイオンや原子がどのように配列しているかということを(原理的には)知ることができます。つまり、理想的な場合にはXRDパターンを測定することでサンプル中の原子レベルでの構造を可視化できるようになるわけです。もっとも、実際には何らかのモデル構造を解析のスタート点に使わないと上手く解が得られないケースが多いですが。 いわゆる、単結晶のXRD実験なら、現在では組成が分かっていれば(入っている原子・イオンが分かっていれば)、もともとの分子構造・結晶構造をほとんどの場合良く再現できます。粉末パターンだと角度の情報が消えてしまうため(パターンを見ると、同心円になってますよね)情報が減っていますが、無機固体サンプルのように構造を得るためのパラメーター(結合長など)が少ない場合、および出発モデルとして使える類似構造の物質のXRDパターンが利用できる場合は解がえやすいでしょう。
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- phosphole
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どうもちゃんと理解されていないように思います。アモルファスの場合、単にバックグラウンドノイズが見えるだけで、ジグザグだろうがなんだろうと回折は生じません。実際に測定したことはあるんですか? ジグザグと書いているのは、バックグラウンドノイズのことですか?普通そういう書き方をされると、ピークが多数出ていることをイメージします。こちらに分かるように書いてください。 また、後半はピークが見えたらそれでok、その先は考えない、というような記述に見えますが、そういうことですか?誰かに教わって測定されているのなら、教え方に問題がありそうですが。例えば、紫外可視スペクトルを測って、ピークが出たらそれで終わり、ということがありますか?ピークの波長や吸光度から化合物の同定や定量を行うのが普通でしょう。
補足
ジグザグというのはそのバックグラウンドノイズの事です。用語が分かりませんでした。 私は物理系の者で吸光度や化合物の同定など化学系の方がやってそうな事はよく分かりません。またX線関連は物理実験でラウエ写真を1回撮ったことがあるだけです。 どうしてこんな質問をしたのかというと、輪講等で過去の論文を読む機会が増え、物性関係の論文にはXRDの図が表記されてる事がありますが、本文中であまり触れてないからです。各ピークの強さや位置、そのピークの元素や面指数まで記載してある割には触れられてないので、XRDの結果から物質が結晶化したという事の他に何が読み取れるのか知りたかったからです。(ピークの本数が多いほど○○な結晶だとか、面指数が分かることで○○だと言える等)
- phosphole
- ベストアンサー率55% (467/834)
>数種類の物質を混ぜて出来た固体ではそのピークがどの物質によるピークなのかまで分かってしまう原理がどうしても理解出来ません 一つ重要な前提があります。 質問者さんが書かれているようなことは、混合物でないと一般には成り立ちません。 たとえば、食塩とスクロース(砂糖の主成分)の微粉末を混ぜた粉末サンプルのX線回折を測った場合、NaClとスクロースのX線回折の重ねあわせが得られるでしょう。 しかし、2つの物質から化合物を作ったばあい、あるいは2つの金属から合金となった場合、あるいは2つの分子から超分子構造が生じた場合・・・こうした場合にはサンプルの結晶構造はもともとの構造と無関係になるため、サンプルの反射から元の物質を決めることは一般にはできません。 逆に鋭いピークが1つだけのは単結晶 単結晶を砕いた(あるいは単結晶そのものでも良いですが)サンプルのX線回折を測定して、反射ピークが一つしか生じないということは普通は無いと思いますが。。。 単結晶ほどではないけど、無秩序でもない、その中間くらいの周期性を持ったサンプルなら、そのような回折を与えると思います。たとえば、液晶のようなサンプルだと、原子~分子レベルでの周期性はほとんどありませんが、数分子程度以上からなる超分子構造がある程度の規則性を持って配列するため、そのような周期性を反映したピークのみが観測されることはあります。 ピークの数が多過ぎたり全体的にノイズのようになってるのは配向が不均一過ぎるので非晶質固体 うーん、そもそもX線回折がなぜ生じるのかをブラッグの式のあたりから勉強しなおすべきでは?なぜ非晶質(ここでは液晶レベルの周期性もない、全くのランダムなものということ)で回折が生じるんですか?単結晶でも複雑なサンプル(たとえば有機物質の単結晶)なら結晶中に多数の周期構造があり、回折スポットは莫大なものになります。粉末パターンではもとの結晶構造を再構成するのがほとんど不可能なほどです(現在では簡単な分子ならかなりできるようになっていますが)。
補足
早速の回答で有難いです。 非晶質の物質に回折が起きない事は分かっています。非晶質ならおそらく全体的にジグザグな形になるだろうという意味だったのですが、ピークの数が多過ぎるという表現は良くなかったです。すみません。 最後にですがXRD測定をする事の意義を教えてもらえないでしょうか。私には「溶液をアニールして出来た物質をXRDに掛けてピークが現れてればちゃんと結晶化した事が確認できた」という程度の認識しかありません。例えばピーク強度やピークの数が多ければ良いとか、このピークが(111)だと分かったならば何が言えるのか等を教えて欲しいです。
お礼
重ね重ね有難うございました。