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Si薄膜のラマン分析

kougakubuです。  Si薄膜のラマン分析を行なったのですが。ラマン強度とラマンシフトの関係グラフにおいて,a-SiであればRaman shift:k=480(cm-1)でブロードなピークがでるのはなぜでしょうか?  また,測定したSampleによって,ラマン強度(Intensity)に違いが見られました。ラマン強度と結晶性はどのような関係にあるのでしょうか?  ご存知の方おられましたら,ご意見お願いいたします。

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  • tokizou
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回答No.1

こんにちは。7年程前に物理学の修士を卒業したものです。 研究テーマは、非晶質系ポリマーの分光学でした。ラマン分析は ラマン散乱実験をしていると思ってよろしいのでしょうか? かなり、忘れてしまったこともありますが、少しでも参考になればと思います。 まず、a-Siというのは、アモルファスSiでよろしいのでしょうか? アモルファスであれば、ブロードなピークは出ます。 これは、ボゾンピークと言われていた気がします。 ポリマー系だったら、数十(cm-1)でしたが・・・ アモルファスの場合は、原子の間隔がばらばらで、受ける相互作用も原子によって 変わってくるので、ブロードなピークが出ると思われます。 たぶん結晶だと、ブロードなピークは出ないと思います。 ラマン強度と結晶性については、以上のことが関係していると思います。 詳しいことは忘れちゃいました。ごめんなさい。 Siは実験したことありませんが、ラマン散乱の実験では、サンプルの温度を 変えたりして実験してました。ポリマー系なら、低温は液体窒素温度で十分で 液体ヘリウムほど温度を下げなくても良かったです。(結果がほとんど変わらないので。) 温度を変えたりして、ラマン強度を測定してみると何かつかめるかもしれませんよ! 話が長くなるとボロが出てきそうなので、このへんで・・・ 学生の頃がなつかしいです。

kougakubu
質問者

お礼

回答ありがとうございました。参考にさせて頂きます。 「ブロード」には非晶質の相互作用が影響していたのですね。理由がわかってうれしいです。 >a-Siというのは、アモルファスSiでよろしいのでしょうか? わかりずらくて申し訳ないです。アモルファスの意です。 >温度を変えたりして、ラマン強度を測定してみると何かつかめるかもしれませんよ! 100℃~500℃の低温操作ですが,温度を変えて実験しました。しかし,いずれのSampleもラマン分析結果において,アモルファスSiと判断されました。私の質問の仕方が悪かったのですが,ラマン分析結果で示されたアモルファスSiの波形形状(波形重ね合わせ)は全て共通するのですが,ラマン強度が温度などのパラメータに応じて,違いがみられたのです。そこでラマン強度が結晶化にはどう影響するのかな?と疑問を感じたわけです。さらに実験を繰り返して,傾向をとる予定です^-^

その他の回答 (2)

  • akuz
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回答No.3

こんばんは! Akuzです。 ◇ラマンシフトは結晶格子の集団振動 > Si薄膜のラマン分析を行なったのですが。ラマン強度とラマンシフトの関係グラフ >において,a-SiであればRaman shift:k=480(cm-1)でブロードなピークがでるのは >なぜでしょうか? なぜ、ブロードなSi薄膜が、480cm-1の位置へラマン散乱光のピークが 出現するか?私には正確な計算はできません。(理論計算していませんので・・)  但し、定性的な説明をいたすと・・・ ラマン散乱は入射光の電場によって誘起される双極子からの輻射によって起こります。 少し分かりやすく言えば、ラマンシフトは結晶格子の集団振動、すなわち フォノンの振動数を与えます。 これがラマンピークが出る原因です。 このとき、構造がブロードな状態だったり、結晶内に欠陥があった場合、 結晶時のピークとは異なる位置へピークが出現します。 これを ”乱れ誘起ラマン散乱”(Disorder Induced Raman Scattering)と呼びます。   ◇蛇足と思いますが・・・  フォノンとは・・  光の量子がフォトンと呼ばれるように、固体中を伝播する弾性波(音波)の  量子をフォノンと呼びます。 > また,測定したSampleによって,ラマン強度(Intensity)に違いが見られました。 >ラマン強度と結晶性はどのような関係にあるのでしょうか? > ラマン強度が結晶化にはどう影響するのかな?と疑問を感じたわけです. 成膜温度を変えると表面におけるSiの凝縮形態が変化し、Siの手が何個の  Siと結合するか?によって ラマンのピーク位置や強度が変化します。  つまり、ブロードとは言っても微視的には微結晶な構造が形成されます。  乱れ誘起ピーク(Disorder Peak)のラマン相対強度Iは、この微結晶サイズLと  反比例することが知られています。   I=C/L 但し、Cは物質特有の定数。   微結晶サイズL(=フォノン相関距離)  つまり、乱れ誘起ラマン散乱の相対強度(=ブロードな相対強度)は  微結晶サイズが小さい程、大きくなります。  逆に 結晶化が進むとこの480cm-1位置のピーク強度は下がります。     PS;分かりやすい回答と思っていますが、不在してたら以前書こうとした内容を    忘れました。 ^^; (大変遅くなりすみません。)     不明点は何回でも回答いたします。  

kougakubu
質問者

お礼

回答ありがとうございました。

  • tokizou
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回答No.2

No.1のものです。 少し補足をさせてもらいます。少しづつ思い出してきました。 アモルファスの場合は、Siの電子と格子振動との相互作用によって ラマンシフトがブロードになると思います。(電子と格子の位置関係がばらばらなので) また、光散乱の実験結果と、比熱?の温度変化は関係があると思います。(デバイの温度なんやらかんやら) 非晶質系では10K以下の温度で、比熱?の温度変化が、少し変わった振る舞いを起こします。 それはTLS(Two Level System)というモデルで説明されているそうです。 ラマン散乱と結晶化についての質問だったので、少し観点がちがうと思いますが、 ちょっと変わった角度から見ることによって、何かヒントをつかめるかもしれないので、一応補足しておきます。 でも、間違っていたらごめんなさいね! 研究頑張ってください。

kougakubu
質問者

お礼

回答ありがとうございました。

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