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「宣言と条約」何が違うの?
条約と宣言の違いについて教えてください。 権利や憲法について勉強しているのですが、区別がつかなくて理解ができません。 よろしくお願いします。
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用語集や百科事典を引くのじゃ~。 『世界大百科事典』(平凡社)から「条約」 (引用開始) 具体的な条約は個々の場合に必ずしも〈条約treaty〉と呼ばれるわけではなく, 〈取極arrangement〉〈協定agreement〉〈憲章charter〉〈規約covenant〉〈規程statute〉〈交換公文exchange of notes〉〈往復書簡exchange of letters〉〈議定書protocol〉〈覚書memorandum〉などさまざまな名称が付せられる。これらのものは名称の差異にかかわらず実質的には条約と同意義であり,その内容によって名称が一定しているわけでもない。 (引用終り) 『世界大百科事典』から「共同宣言」 (引用開始) 国際法上の宣言は,本来,ある国家あるいは複数の国家の政策表明として行われるもので,一方的な意思表示を意味する。しかし,ときには国家間の合意を内容とする場合がある。この場合は広義の条約の一種ということができる。たとえば,1956 年の日ソ共同宣言などはそれにあたる。第 2 次大戦後における日本とソ連の国交回復に関して,本来ならば平和条約方式によるのが望ましかったわけであるが,最大の懸案事項であった領土問題について合意に至らず,この問題を棚上げしたまま,とりあえず国交を回復するために,正式の条約よりも軽便な方式である共同宣言という形式を採ることになったといえる。このように,共同宣言は条約としてまとめるにはなんらかの支障があり,しかしながらある目的の実現の必要性に迫られているというような場合に採られる,国家的合意の便宜的な方法ということができる。 共同宣言には,批准を必要とするものとそうでないものとの 2 種類がある。日ソ共同宣言は前者である。 (引用終り) 条約法に関するウィーン条約(東大 田中明彦研究室) http://avatoli.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/mt/19690523.T1J.html (引用開始) 第二条 用語 1 この条約の適用上、 (a) 「条約」とは、国の間において文書の形式により締結され、国際法によつて規律される国際的な合意(単一の文書によるものであるか関連する二以上の文書によるものであるかを問わず、また、名称のいかんを問わない。)をいう。 (引用終り) 『ウィキペディア』から「条約」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%A1%E7%B4%84 (引用開始) 国家間などで結ばれる個別の成文法には、狭義の条約(treaty、convention、例:生物多様性条約 )以外に、憲章(charter、例:国際連合憲章)、協定(agreement、例:WTO設立協定)、議定書(protocol、例:京都議定書)等の様々な名称を持つものがある。これらは法的拘束力において相違はないが、慣習によって使い分けられているもので、 (引用終り) つまり、共同宣言は広義の条約の一種です。特に、批准を必要とする共同宣言などは、狭義の条約とあまり変わりがありません。批准を必要とする場合は、文書の中に書いてあります。たとえば、日ソ共同宣言の第10項は次のようになっています(1956年10月モスクワで署名、同年12月東京で批准書交換)。 10 この共同宣言は、批准されなければならない。この共同宣言は、批准書の交換の日に効力を生ずる。 というわけで、ご質問者の疑問、 > 条約と宣言の違いについて教えてください。(中略) > 区別がつかなくて理解ができません。 は御勉強が進みつつある証拠とも言えるでしょう。むしろ、「条約と宣言は明らかに違うよ! だって名前からして違うじゃん」などと言うほうがアホな子です。 「共同宣言は条約としてまとめるにはなんらかの支障があり,しかしながらある目的の実現の必要性に迫られているというような場合に採られる」とはいえ、両者の境目は「一定しているわけでもない」。「慣習によって使い分けられている」。成文法である「条約法に関するウィーン条約」では、共同宣言と狭義の条約とを区別せず、どちらも「条約」に含めています。 また、次の質問・回答もご参考になさってみてください。 第二次世界大戦後 http://okwave.jp/qa4290697.html