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CuFeS2のFeとCuの酸化数について
CuFeS2のFeとCuの酸化数を教えてください!
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Feを13族元素に置換えた CuAlS2, CuGaS2, CuInS2 や、CuをAgに置換えた AgFeS2 などは CuFeS2 と同じカルコパイライト構造をとります。これらの物質では、Al^3+、Ga^3+、In^3+、Ag^1+ であることは明らかです。ですので、「同じ環境にあるから同じ酸化数をとる」と考えるのはよくないです。 構造から考えると、Fe^3+とCu^1+はそれぞれFe^2+とCu^2+よりも4面体4配位を好む傾向があるので、むしろ Fe^3+、Cu^1+ なんじゃないかなと私は思います。 また、もしCu^2+ならば、銅イオンは不対電子を一つ持つはずなのですけど、CuFeS2結晶中の不対電子はほとんど鉄イオンに局在していて、銅イオンはほとんど不対電子を持たないことが中性子回折実験から分かっています。このことからも、Cu^2+と考えるよりもCu^1+と考えた方が良いように思います。 しかし、参考URLの論文には、 Nevertheless the oxidation state of CuFeS2 is still a matter of controversy. と書いてありました。 Cu(I)Fe(III)なのかCu(II)Fe(II)なのかは、まだ決着がついていないようです。
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> Fe^3+は8面体6配位と習ったような記憶があります Fe^3+とFe^2+は8面体6配位であることが圧倒的に多いのですけど、どちらのイオンも4面体4配位をとることが可能です。例えば、Fe3O4の結晶中には、8面体6配位のFe^3+、8面体6配位のFe^2+、4面体4配位のFe^3+、の3種類の鉄イオンがあります。この結晶構造で興味深いのは、8面体6配位の環境にある鉄が全てFe^3+になっていて4面体4配位の環境にある鉄がFe^2+になっている(仮想的な)結晶構造の方が、イオン間のクーロン引力が大きくなってエネルギー的に安定化するということです。しかし実際には4面体4配位の環境にある鉄は全てFe^3+になっています。これは、クーロン力による安定化を多少犠牲にしてでも、4面体4配位の環境にFe^3+が入っている方がトータルとしてみれば安定になるということを意味します。#2で「Fe^3+がFe^2+よりも4面体4配位を好む傾向がある」と書いたのは、このことです。 Fe3O4とよく似た構造を持つFeAl2O4という化合物では、Fe^2+が4面体4配位になっています(Al^3+は8面体6配位)。また、同じ構造をもつZnFe2O4という化合物では、全てのFe^3+は8面体6配位になっていて、4面体4配位の環境にはZn^2+が入っています。もしこのあたりの話に興味があれば スピネル構造 をキーワードに調べてみて下さい。Fe3O4の構造は逆スピネル構造、FeAl2O4とZnFe2O4の構造は正スピネル構造と呼ばれています。 > 4面体4配位でなぜ Fe^3+、Cu^1+なのか 「Fe^3+がFe^2+よりも4面体4配位を好む傾向がある」と書きましたが、これはかなり微妙な話で、上で書いたように、Fe^2+も4面体4配位をとることができますし、Zn^2+と比べればFe^3+は4面体4配位をとりにくいです。Fe3O4が正スピネル構造ではなく逆スピネル構造になる理由は、大学で習う(かもしれない)ので、それまで待って下さい。 それに対して、Cu^1+がCu^2+よりも4面体4配位を好むことは、高校化学の範囲外かも知れませんけど、よく知られた事実です。4配位のCu^1+は4面体型に、4配位のCu^2+は平面型になります。Cu^1+とZn^2+は電子配置が同じですから、Zn^2+が4面体型になるのと同じ理屈で、Cu^1+も4面体型になります。 希なことですけど、Cu^2+が4面体型になることもあります。しかしこの時は「ヤーン・テラー効果」によって必ずひずんだ形(正4面体と正方形の中間のような4面体)になります。Cu^2+が8面体6配位ではなく正方形4配位になる(もうすこし正確に言えば、引き延ばされた8面体6配位になる)のも、ヤーン・テラー効果で説明できます。 > 銅の製錬反応において一方が還元され他方が変化しない反応になりますが、なぜそうなるのか ごめんなさい。私にはまったく分かりません。 以下のサイトの関連情報/銅製錬のページが参考になるかもです。 冶金の曙 http://www.geocities.jp/e_kamasai/index.html
お礼
懇切丁寧に返信いただきとてもありがたいです。 理解が難しい言葉がたくさん出てきているので 少しずつ勉強していこうと思います。 十分な理解はできませんでしたが いままで学んだことから少し視野が広がった感じが してありがたかったです。
構造が↓(英文wiki) http://en.wikipedia.org/wiki/File:Chalcopyrite-unit-cell-3D-balls.png ですので、銅と鉄は等価と考えFe^2+、Cu^2+が適切かと思います。
補足
早速の回答ありがとうございます。お二方からアドバイスもらって考えているうちに返信遅くなってしまいすみません。 詳しくないところにきて英文も読めないのでよくわかりませんが、構造だけみるとFeとCuの足?の数から等価そうだという理解でいいんでしょうか。もし等価(+2)だおすると銅の製錬反応(2CuFeS2+4O2+2SiO2→Cu2S↓+2FeSiO3+3SO2↑)においてCuが還元され(+2→+1)鉄が変化しない反応になります(+2→+2)が、なぜそうなるのかがわからなくて苦しんでいます。アドバイスいただければ幸いです。
補足
早速の回答ありがとうございます。お二方からアドバイスもらって考えているうちに返信遅くなってしまいすみません。 回答内容が難しくて理解できないのがとても残念です。 たとえば「構造から考えると、Fe^3+とCu^1+はそれぞれFe^2+とCu^2+よりも4面体4配位を好む傾向があるので、むしろ Fe^3+、Cu^1+ なんじゃないか」というところですが、Fe^3+は8面体6配位と習ったような記憶がありますし、それより4面体4配位でなぜ Fe^3+、Cu^1+なのかがわかりません。高校レベルではやはり無理でしょうか。 ”中性子回折実験”の結果からFe^3+、Cu^1+ とすると銅の製錬反応(2CuFeS2+4O2+2SiO2→Cu2S↓+2FeSiO3+3SO2↑)においてFeが還元され(+3→+2)銅がが変化しない反応になります(+2→+2)が、なぜそうなるのでしょうか。アドバイスいただければ幸いです。