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アルコールの酸化
QNo.488438に回答をしていて気になったので投稿しました。 第2級アルコールを硫酸酸性ニクロム酸カリで酸化すると、ケトンになりますが、そのとき被酸化物質である第2級アルコールはどのように酸化剤によって攻撃されているのでしょうか?第一級アルコールも同じ理由なのでしょうが、第三級アルコールは、水酸基がつくCにHがないので酸化されないんですよね?てことは、アルキル基のHと水酸基のつくCにつくHと水酸基のHは、同じHでも違っているってことですよね?どう違うんでしょうか?
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> 三級アリルアルコールの酸化の機構は興味あります。 > どうやってすすむんだろ? 先の回答で書いた反応を例にとりますね。まずその前に,#3 で書いた事を若干訂正させて下さい。 『ま,3級アルコールでは立体的に混んでますので,ホトンド起こらないとは思いますが。』ですが,「ホトンド起こらない」じゃなくて「起こり難い」にして下さい。これが起こらないと,3級アリルアルコールの酸化が起こりません。 R’ | R-C-CH=CH-CH3 | OH ↓ K2CrO7, H+ R’ | R-C-CH=CH-CH3 | O-CrO2-O- ここで,クロム酸が脱離しようとするのは1級,2級の場合と同じです。さらに今の場合,生じるのは3級,かつアリル位,のカチオンでかなり安定なカチオンです。そのため,この脱離は起きやすい状態です。 一方,クロム酸が脱離して生じる+電荷は共鳴によってオレフィン炭素にも分散されます。つまり,=CH-の炭素が+性を帯びます。 上図で解る様に,この+性を帯びた炭素のスグ側には-電荷を持つクロム酸の酸素原子が存在します。結果,両者の間に結合が生じます。つまり,クロム酸エステルの転移が起こります。 R’ | R-C-CH=CH-CH3 | O-CrO2-O- ↓ R’ | R-C=CH-CH-CH3 | O-CrO2-O- これは2級アルコールのクロム酸エステルですから,先の場合と同じ様にして酸化が起こります。 いかがでしょうか。解り難いかな。
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- rei00
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rei00 です。補足拝見しました。 チョット補足の内容が解り難いので外した回答になるやもしれませんが,その時は再度補足でもしてください。 > 水酸基のHがOHに攻撃されて、裏からCrがくるSN2? 3級アリルアルコールの場合が,これに近いです。これに関しては別回答に致します。 で,2級アルコールの場合ですが,まず酸化剤とは何かから始めましょう。 御存知だと思いますが,「酸化剤」は相手から電子を奪う試薬です。ですので,それ自身は電子不足状態であり「ルイス酸」です。ですので,電子豊富な場所に攻撃します。今の場合,最も電子豊富なのは水酸基の酸素原子です。 さて,ここで二クロム酸の構造をよく見て下さい。先の参考 URL のページにもある様に,クロム酸の酸無水物です。酸無水物ですので,求核性を持つ官能基(今の場合,水酸基)が存在すると反応してエステルを与えます。無水酢酸とアルコールから酢酸エステルが生じるのと同じです。 この反応は,水酸基の酸素原子が Cr に対して求核攻撃して,クロム酸が脱離していく反応です。つまり,クロム原子上でのSN2求核置換(厳密には,求核付加-脱離)反応です。 この反応自体はアルコールが1級でも2級でも,あるいは3級でも可能ではあります。ま,3級アルコールでは立体的に混んでますので,ホトンド起こらないとは思いますが。 1級アルコールと2級アルコールの場合は,クロム酸エステルになったアルコールの付け根に水素が存在します。ここで,C-O結合よりもO-Cr結合の方が強くなるため,付け根の水素が抜けて酸化反応が進行します。このO-Cr結合の方が強くなる理由も,Crが電子を強く引き付ける事で説明可能です。 3級アルコールの反応機構は別回答で。
- rei00
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「教科書を御覧下さい」と言いたいところですが,高校生(受験生?)の方の様ですから,回答いたしましょう。 参考 URL のページを御覧下さい。「Mechanism of Alcohol Oxidation」に出ています。ここには HO-CrO2-OH の反応が出ていますが,二クロム酸カリウム(KO-CrO2-O-CrO2-OK)の場合は,酸性で生じる HO-CrO2-O-CrO2-OH がアルコールと反応してクロム酸エステルを生じます(次の反応)。 R-CH(OH)R' + HO-CrO2-O-CrO2-OH → RR'CH-O-CrO2 + HO-CrO2-OH なお,大学レベルですが,三級アルコールでも三級アリルアルコールの場合は反応します。 例えば,次の反応が起こります。なお,この場合の反応機構は1級アルコールや2級アルコールとは若干異なります。 R’ | R-C-CH=CH-CH3 | OH ↓ K2CrO7, H+ R’ O | ∥ R-C=CH-C-CH3 > アルキル基のHと水酸基のつくCにつくHと水酸基のHは、 > 同じHでも違っているってことですよね? > どう違うんでしょうか? 電子密度が異なります。アルキル基のHはCと結合しています。水酸基の付くCに付くHは同じC-H結合ですが,このCは水酸基が電子を引っ張るためにアルキル基のCよりも+性が強くなっています。そのため,C-Hの電子もよりC側に引っ張られ,H上の電子密度は低くなっています。 水酸基のHは電気陰性度の高いO原子に結合していますから,電子はO側に引っ張られてH上の電子密度は最も低くなっています。 いかがでしょうか。
- merrygoround
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1級および2級アルコールはCr試薬との間でO-Cr結合を持つクロム酸エステル中間体を形成し、Cに結合したプロトンが塩基によって奪われるとC-H結合に使われていた電子がC-O間に移動しC=O結合ができる。そしてカルボニル化合物とクロム酸イオンが脱離する。 3級アルコールでは3級炭素には塩基が攻撃するはずのHが結合していないからじゃないかな(自信なし)。 同じ元素でもそれと結合している元素が違ったり結合に仕方が異なれば(単結合と二重結合とか)結合力が違うので結合が切れ具合は違うでしょうね。 反応機構については、大学で教科書として使われている有機化学の本(マクマリーなど)でアルコールの反応の項目があるので、そういう本を見てみてはいかがでしょうか。
補足
電子密度が疎になっているからルイス塩基のような電子供与性物質によって求核置換されやすいということでいいんですか?水酸基のHがOHに攻撃されて、裏からCrがくるSN2? 独学なもので知識があいまいです。エステルってことはそうじゃなくて脱水縮合なんですか? ウーム。三級アリルアルコールの酸化の機構は興味あります。どうやってすすむんだろ?エルレンマイヤー則で二重結合が移動する?