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ダイラタンシー現象と液状化現象の違い
ダイラタンシー現象も液状化現象も粒子と水の混合物に振動や力を加えるという点では同じなのに、なぜまったく逆の事が起こるのでしょうか。水との比率などが関係あるのでしょうか。 あと混ぜるのを水じゃなくて油とか別のものにするとどうなるのでしょうか。教えてください。
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ダイラタンシー現象の良く知られた例は、非常に濃厚な澱粉や コロイド粒子溶液(コロイドゾル)です。 静止状態でコロイド粒子は最密充填状態にあり、粒子の僅かな隙間に 溶媒が詰まっています。この様な体系に専断等の刺激が働くと、 最密充填は壊され粗くなり、粒子間の溶媒は引かれそれに抵抗する 力が働くため流れにくくなります。 専断の速度が大きいほど抵抗は大きくなり流れにくくなります。 ここで言う専断とは、豆腐の上下面に面と平行な力を上下逆方向に 働かせることです。 液状化現象は、円筒に砂と水を入れたモデルで説明されます。 円筒を上下方向に引く力が働くときには、上の例と似た力が働きます。 しかし、その効果は砂/水系の場合それほど大きくはありません。 円筒を上下から圧縮する力が働く時には、水も瞬時に圧縮され、 反発力が粒子に働き、粒子同士は孤立する方向に動き、流れ易く なり流動化が起こります。 地震の時には、周期振動により正と負のダイラタンシー効果が同時に 起こるが、正は地盤の抵抗力を増す方向だが効果は小さいのに対し、 負の効果は大きく災害(流動化)に繋がるといえます。 澱粉と水や油の実験楽しそうですね。生徒さんへのデモ準備ですか。 昔レオロジー理論をやりましたが、実験結果とのオーダーを合わせるの が精一杯と言うところで、澱粉等の複雑な系はとてもとてもでした。 今もそれほど変わっていないと思いますが。
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- drmuraberg
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良い点に目を付けられました。 液状化現象をダイラタンシー現象によると言う説明を見掛けますが、ちょっと違います。 ダイラタンシー現象:澱粉粒子等の隙間に水が入っていて、粒子に力が作用した時に粒子同士が引き離されようとします。 隙間の水は引き延ばされる力を受けますが、当然これに抵抗して粒子に粒子を引き戻そうとする力を及ぼします。 つまり、作用した力に対してそれ以上の抵抗をするために変形しにくくなります。流れにくくなるわけです。 この現象では粒子と水の合計体積は増加することになります。 流動化現象:上の現象の反対で、負のダイラタンシー現象とも言われます。 砂粒子の隙間に水が入っていて、粒子に力が作用した時に粒子同士が圧縮されようとします。 隙間の水は圧縮力を受けますが、当然これに抵抗して砂粒子にそれを押し返す力を及ぼします。つまり、砂粒子はお互いの重さで締め付けあっていたものが、離される力を受け互いにより浮いた状態になります。 つまり流れ易くなります。 この現象では粒子と水の合計体積は減少することになります。 地震の場合、正のダイラタンシー現象が起きていても、災害には直接繋がりません。 これに反して、負のダイラタンシー現象の場合は、地盤が流動化するなどで災害に繋がります。 どういう地盤条件でとういう地下水状況なら液状化現象が起こるかの研究が進められています。 水を油に置き換えた場合、流動化の程度は高くなるか低くなるかは正直判りません。 圧縮時に水と油が粒子を押しのける力が同じとすると、油の方が粒子同士の滑りを良くします。 しかし、水と油の粘度もこれに関係してきます。
補足
詳しくてわかりやすいご説明ありがとうございます。 また質問で恐縮ですが、具体的にはどのような力を加えると粒子同士が引き離されたり、圧縮されたりするのでしょうか。 また、どういう組み合わせで正や負のダイラタンシー現象が起きやすいのでしょうか。もしくは、同じ混合物で正と負両方のダイラタンシー現象が起こることがあるのでしょうか。 ちなみに油と片栗粉だと粘性が大きくなってペースト上の物体になってしまいました。しかし片栗粉と洗剤では水と油の中間くらいの感じになりました(界面活性剤だからか?関係ないか(笑))。
力のかかり方の違いによるものです。 粒子と水の混合物に急激な外力が加わったときに起こる現象がダイラタンシーで、 振動や撹拌のような力の加わり方によって起こるのが液状化現象です。
補足
回答ありがとうございます・ 補足というか質問ですが、よく見る実験で水と片栗粉の混合物に電動マッサージ器などを当てると固くなって隆起するというのがありますよね?あれも振動を与えていますが、それはどうなのでしょうか?また力の加え方のみの問題だとすると、水と片栗粉の混合物でも液状化現象が起こるのでしょうか?
お礼
御礼が遅くなって申し訳ありません。2度も回答してくださってありがとうございます。ダイラタンシー現象も液状化現象も同時に起こっていて、反応を決めるのは影響力の大きさということなのでしょうか? ちなみに僕は高校生です。