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電磁誘導と電位差
高校生です。 円形のコイル(抵抗R、半径a)が水平面上においてあってそれに対して垂直な磁場が時間経過とともに強くなるとき、 誘導起電力が発生して電流(i)が流れますが、 その時にコイル上の2点P,Qの電位差Vを求める時に V=R*(PQ/2πa)i としたときに弧PQのとり方が遠回りと近回りで二通りあってそれぞれ異なる値になってしまいます。 多分どこがが間違っていると思うのですがどうも分からなくて混乱してきました。 実際の電位差はどうやって求めればよいのでしょうか?
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すでにある回答の通り問題の電圧は経路依存です。 計り方(導線引き回し)を具体的に指定しなければ一意に定まりません。 変動磁場のある場所では離れた二点間の電位を比較する事はできないのです。 しかし電圧計リード線の引き回しが与えられれば、実質の電位比較は電圧計の近接両端点に限定されますから指示値が定まります。 電圧計を含むループに鎖交する磁束で誘導される電圧と、抵抗分に生じる電圧の合計が指示値となるでしょう。 いくつかの例を挙げてみました(添付図)。 抵抗環は真円で抵抗は均一、誘導起電力はE、全周長L、弧の長さを l としましょう。 1) V1 = ( l1 / L ) E、 V2 = - ( l2 / L ) E 電圧計 V1 のリード線と抵抗環の弧 l1 からなる、黄色で示した隙間を囲むループを考えます。 隙間の面積が零とみなせるか、あるいはその部分の磁束が零とみなせるならば、このループの誘導起電力は零で、電圧計に導かれるのは抵抗由来の電圧だけです。 抵抗由来の電圧というのは、いわゆる電圧降下で、電流に弧の抵抗を乗じたもの、すなわち i ( l1 / L ) R = ( E / R ) ( l1 / L ) R = ( l1 / L ) E です。 真円抵抗短絡環において抵抗による単位長あたり電圧降下は一周を通して均一で、累積は環の誘導起電力とつりあっていると考え、算出しています。 V2 も同様に そのリード線と弧 l2 とからなるループを考えれば - ( l2 / L ) E となります。 電圧が P、Q のみならず、経路に依存する事に疑念を持たれるかもしれません。 しかし次の例を考えてみて下さい。 2) V3 = E、 V4 = 0 l1 = L、l2 = 0 の極限はこの図と一致します。そして抵抗環から切り離せます。抵抗環に惑わされなければ、V3 = E、V4 = 0 は明白でしょう。 ところで V1 を求める際には電圧計リード線と抵抗環にはさまれる面積零のループを用いました。 一方 V3 では磁束を取り囲む大きなループを想像する事を要請しました。 V1 を求める場合に後者のループでは駄目なのか。 そんな事はありません。 その手順で行くなら、V3 から ( l2 / L ) E を差し引く手順で、 V1 = ( l1 / L ) E が得られます。 ループの取り方(計算の組み立て方)には任意性がありますが、解は一致するので心配はいりません。 ただし、計算の任意性は測定リードの引き回しとは別の物ですから要注意です。 測定リードの引き回しが規定されていなければ、解は一意に定まりません。 変動磁場がある場所に「電位」とか「電位差」という概念を安易に持ち込むのは厳禁です。 「ポテンシャル場でない」とか「保存場でない」と言います。 3) V5 = ( l3 / L ) E 4) V6 = 0 左右抵抗環と電圧計リード線が作る面積が等しく、かつ周長が等しいなら、誘導起電力も抵抗電圧降下も丁度 E / 2 で、相殺します。 5) V7 = ( 1 + l4 / L ) E 電圧は E 以上にもなれます。 電圧計リード線一周の誘導起電力に l4 部分の電圧降下が加わっています。 あるいは、抵抗による電圧降下が一周を越え、l4 + L の分が積み上がると考えても辻褄は合うようです。
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- felicior
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イメージとしては、透明な螺旋階段をボールが転がって落ちていくのを真上から 見ている感じです。ボールが電流、高さが電位です。 真上から見ている限りはボールはグルグル回っているだけですが、同じ点Pをボールが 通っているように見えても横から見れば高さの違う部分を通っているかもしれません。 なので、PからQにボールが落ちていく時とQからPに落ちていく時とでは当然高低差 (=電位差)が変わります。 つまり誘導起電力が発生する時は、(普通の意味の)電位は場所によって一つの値に定め られないため、その差である電位差は経路に依存します。 一方、電池によって起電力が発生する場合は、一周転がったボールをエレベーター (=化学的な力)で元の高さ まで戻してやっているわけですから、上から見た時の同じ点は横から見ても同じ高さで、 電位差は経路に依存しません。こういった直感的な理解も大事ですよ。
お礼
回答ありがとうございます。 そのように考えれば電池による「普通の」回路と電磁誘導による回路との違いを直感的にとらえることができるのですね。
- yokkun831
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コイルは,抵抗であると同時に起電力を生じる「電源」にもなっています。そして,一回りしてもとの位置にもどっても電気力の仕事がゼロにならないところが,誘導電場の特徴なのです。電位差は単位電荷あたりの電気力による位置エネルギーなのですが,保存力場でない導線内電場による電位差が経路によって異なるのは自然のことなのです。詳しいことは大学レベルになりますが,PQが2πaに対して小さいのなら次のように考えることができます。 (1)コイルの途中に小さな内部抵抗ゼロの理想的な電流計をつなぐと,i=V/R という電流値を示します。 (2)コイルの途中に小さな内部抵抗無限大の理想的な電圧計をつなぐと,V=dΦ/dt=πa^2×dB/dtという電圧値を示すでしょう。 以上から考えて,PQ間で測定される電位差は,遠回りにはかったPQの長さで計算すべきだということになるでしょう。
お礼
回答ありがとうございます。 このような場合に電位差が経路によって異なるのは自然なことなのですか!
- ORUKA1951
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異なって当たり前では? もし2点間が極めて近接している場合、直線と曲線でもし同じなら、コイルの意味がないわけで・・・ 問題が違うのかな?
お礼
回答ありがとうございます。 申し訳ないのですが「コイルの意味がない」という意味がよくわかりませんでした。 実はこれは自分でふと気になったことなのでどこかの問題をとってきたのではないのです。
お礼
回答ありがとうございます。 例をたくさんつけて解説してくださったのでよく分かりました。 電磁誘導の考え方を確認することができました。