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抗生物質の抽出および単離
抗生物質を単離するまでの過程を、微生物の培養のやり方から抽出方法まで、具体的に教えてください。 例えば、物を得るには、微生物を大量に培養しないといけないと思うのですが、いったい、どうやったら微生物を数キロ単位で培養できるのか想像できません。 皆さんよろしくお願いします。
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細菌の小~中程度量培養(1 kg 程度まで)はお得意です。大量培養も基本的にはいっしょじゃないかな。 まず、細菌を寒天培地に伸ばして培養し、シングルコロニーにします。これをオートクレーブで滅菌した液体培地に接種し培養します。一回めは 10 ml くらいに、さらにそれを 1 L 位に増やします。これが種菌になります。 実際の培養は、大きな培養装置をつかいます。(だいたいこんなかんじ。下記URL参)私が使ったことがあるのは、 90 L と 250 L。これだけの量の培地はオートクレーブできませんので、培養槽に滅菌設備がついてます。培養槽の中で水と粉をまぜて培地をつくっておいて、ボイラーで発生させる蒸気で加圧加熱滅菌します。適温まで冷えたら、種菌を加え培養します。 増えたら、連続遠心機で菌体と上清を分けます。力仕事だけども簡単です。企業ではもっと大きなの(100倍とか)が稼働しているはず。 次は抽出。抗生物質はやったことないですが、まあだいたいはあっているでしょう。でも、大容量だとちょっとちがうかも。(カラムはコストがかかるし、改良した細菌なら一種類の抗生物質をかなり大量に作るので楽かも) 上清に出てきている場合は、上清から抽出します。普通は有機溶媒との分配をしてざっと分けます。また、菌体の場合は、破砕して適当な溶媒で抽出です。粗抽出物は、性質によってシリカとか疎水とかイオン交換とかをつかったカラムで分離し、最後HPLCで単離。 大量のときでも最後はHPLCでしょう。企業で直径 50 cm とかのHPLCカラムを見せてもらったことがあります。 こんなので、いかがですか?
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専門家のmasa1000rxiさんの回答がありますが、以下の成書は参考になりますでしょうか(内容未確認!)? ------------------------------------ これでわかる微生物利用技術/特許庁/2000.2 食品工学・生物化学工学/矢野俊正/丸善/1999.4 培養工学/吉田敏臣/コロナ社/1998.12 微生物とその利用/緒方靖哉/コロナ社/1997.3 微生物工学/百瀬春生/丸善/1997.1 微生物資源工学/千田佶/コロナ社/1996.9 応用微生物学/高尾彰一∥〔ほか〕編…/文永堂出版/1996.4 生物化学工学/東稔節治/朝倉書店/1996.5 微生物工学/永井和夫/講談社/1996.5 微生物のおはなし/山崎真司/日本規格協会/1996.3 -------------------------------------- 新・微生物学と抗生物質の基礎知識/横田健∥他執筆/薬業時報社/1999.6 微生物その光と陰/杉山政則/共立出版/1996.10 微生物学と抗生物質の基礎知識/横田健/薬業時報社/1987.4 ------------------------------------- ご参考まで。
お礼
大変、参考になります。いろいろな情報、ありがとうございました。
お礼
分かりやすい説明、ありがとうございました。 直径50cmのHPLCカラムってあるんですね。ビックリしました。