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胎盤をつくる遺伝子について
人類の胎盤を作る遺伝子はY遺伝子の上にあると聞きかじったのですが、そうなるとX染色体しかない女性となるべき受精卵には胎盤が出来ないことになります。 なにか理解不足があるのだと思いますので、どなたか教えて頂ければ幸甚です。NHKの放送以来、このことが頭から離れず何事も手につきません。 よろしくお願いします。
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NHK の放送はみていませんが, 本当に「Y染色体上にある」と言ったのでしょうか? 一部の遺伝子では「どちらの親から受け継がれたものか覚えていて, 一方の親からきたもののみが発現する」という現象が知られています. これを「ゲノムインプリンティング (刷り込み)」と呼びます. 当該遺伝子でこの現象が起きていて, 父性由来の遺伝子のみが発現するということではありませんか? もしそうなら, これが常染色体上にあれば問題がすべて解決します.
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- Tacosan
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実はビデオに録っていたので今確認しました. 正確には「精子に含まれる遺伝子情報が必要」と言っています. 「Y染色体」とは言っていませんでした. なお, 「胎盤を作る遺伝子が父親の X染色体にある」と仮定すると, 今度は男の子が存在できませんね. だから, 常染色体にいないとまずいです.
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ご丁寧にありがとうございます。 「父親性発現遺伝子」! 非常に勉強になりました。疑問が忽ち解消してとても愉快です。 かさねて、ありがとうございました。
- nayu-nayu
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もしNHKを録画されていたらもう一度見てみて下さい。 私もテレビを見ていて誤解を招く表記だと思いましたがNHKは「Y染色体を持つ雄がいないと・・・」といっています。 「Y染色体がないと・・・」ではありません。NHKの制作者の表現のミスです。たぶんゲノムインプリンティングを説明したかったんでしょうが、1時間番組で説明するのは表現を簡略化せざるを得なかったのでしょう。 胎盤が形成されないのは雄ゲノムが関与しない単為発生胚(メス×メスの受精卵。初期発生メカニズム解明のためにマウスで人工的につくり研究されています)の場合です。 この場合は胎盤は形成されません。 胎仔は妊娠途中で致死となり生まれることはありません。 このメカニズムに関して、日本語の専門書では朝倉書店より出版されている「動物発生工学」を紹介します
お礼
ありがとうございました。 放送中の表現に予備知識がないとひっかかってしまう部分があった、と納得がいきました。 インターネットとは有難いものです。 「父親性発現遺伝子」について少しでも説明があれば分かりやすかったと思いました。 例えば、遺伝子には父性由来に限定される遺伝子があり、その中にY染色体に存在するものと性染色体以外の染色体に存在するものがある、と整理すればいいのでしょうか。
- Tacosan
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ちょろっと「ゲノムインプリンティング」で調べてみたんだけど, マウスでは「PEG10」という遺伝子が胎盤形成に不可欠なんだそうです. で, この遺伝子の名前にある PEG が「父親性発現遺伝子」の略で, つまり父親が胎盤形成には必要, と. なお, この PEG10 は有袋類と真獣類 (つまり「胎生の哺乳類」) で保存されており, マウスでは 6番, ヒトでは 7番染色体上にあるそうです. PEG10 以外にも, いくつかインプリンティングされた遺伝子が胎児の生存に不可欠なようです.
お礼
早速にご回答をいただきましてありがとうございます。 耳にとまった範囲では、哺乳類は胎盤によって卵子を胎児に育てる仕組みを獲得した。その遺伝子はXX、XY型の性染色体によって雌雄を決定する仕組みと不可分であり、精子を作る遺伝子と胎盤を作る遺伝子はY染色体の上にある。こういうことだと理解したのです。 前段に、Y染色体は一つしかないのでコピーに不備が起きた際、二つ存在するX染色体が修復可能であるのに対し、修復が出来ないため不備な部分が徐々に失われ、大きさが格段に小さくなっている、 500~600万年でY染色体そのものが消失する可能性が高い、との説明もありました。 そこで質問に書いたようなひっかかりを感じた訳です。 私の理解不足であって、胎盤をつくる遺伝子はY染色体にあるのではない、父性のX遺伝子にあるとなれば疑問は解決です。 放送の表現に疑問は残りますが。