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計算化学の基底関数について詳しく教えてください。
大学で化学を専攻している者です。計算化学の基底関数についてわかりません。特に、自分が計算をした基底関数の「3-21G」と「6-31+G(2df、p)」について詳しく知りたいです!よろしくお願いします。
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■3-21G 3-21【G】:Gaussian Type Orbital. ガウス型関数。 【3】-21G:Contracted GTO. 内殻の原子軌道を、3個のガウス型関数の線形結合で近似する。線形結合の係数は固定。 3-【21】G:Split Valence. 原子価殻の原子軌道を、3個のガウス型関数の線形結合で近似する。内側の2個のガウス型関数の係数は固定してあるが、外側の1個のガウス型関数の係数は自由に変えられる。これにより、化学結合の形成に伴う原子軌道の収縮や膨張を表現できる。 ■6-31+G(2df,p) 6-31+【G】(2df,p):Gaussian Type Orbital. ガウス型関数。 【6】-31+G(2df,p):Contracted GTO. 内殻の原子軌道を、6個のガウス型関数の線形結合で近似する。線形結合の係数は固定。 6-【31】+G(2df,p):Split Valence. 原子価殻の原子軌道を、4個のガウス型関数の線形結合で近似する。内側の3個のガウス型関数の係数は固定してあるが、外側の1個のガウス型関数の係数は自由に変えられる。これにより、化学結合の形成に伴う原子軌道の収縮や膨張を表現できる。 6-31+G(【2df】,p):Polarization Function. 水素原子以外の原子に、2個のd関数と1個のf関数を付け加える。これにより、化学結合の形成に伴う原子軌道の歪みを表現できる。 6-31+G(2df,【p】):Polarization Function. 水素原子に、1個のp関数を付け加える。これにより、化学結合の形成に伴う原子軌道の歪みを表現できる。 6-31【+】G(2df,p):Diffuse Function. 水素原子以外の原子に、広がったs関数とp関数を付け加える。これにより、陰イオンや、分極して部分的に負電荷を持った原子をうまく表現できる。 ■参考文献 [1] 米澤貞次郎ほか共著「三訂 量子化学入門(下)」化学同人 7.2 基底関数の選び方 http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABN00088608 [2] 藤永茂著「入門分子軌道法:分子計算を手がける前に」講談社 8.1 H2+の近似分子軌道関数 13.3 分子計算のための基底関数 http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABN04307689 [3] 武次徹也編「すぐできる量子化学計算ビギナーズマニュアル」講談社 A.3 基底関数とは何ですか? C.10 基底関数の種類と特徴を教えて下さい http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABA76784954 [4] 大澤映二編「分子軌道法」講談社 6.1 基底関数 http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABN10886070 [5] 田崎健三訳「電子構造論による化学の探究」ガウシアン社 第五章 基底依存性 http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABA35712486
お礼
大変詳しく教えていただきありがとうございました。参考にさせていただきます。