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レシプロ式内燃機関
レシプロ式内燃機関は、自動車用動力源としては色々な欠点をもってますが、ロータリーエンジンなどと比較するとなぜ今まで使用され、これからも使われ続けようとしてるのでしょうか?
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>ロータリーエンジンなどと比較するとなぜ今まで使用され・・・ ・・・ロータリエンジンの方が劣っているからに過ぎません。 熱力学を学んでいない多くのヒトが誤解していますが、熱力学的にロータリエンジンがレシプロエンジンよりよい、という点はありません。 ※まず、内燃機関が出すチカラとは、何に由来するか理解されていますか? ガソリンエンジンの場合、ガソリンと空気の混合ガスの爆発力が、エンジンのチカラの源で、この爆発力を回転力に変換して取り出すのが内燃機関です。 ※『ロータリは高効率』というデマが定説になっていますが、難しい理論を考える前に、根本的な点を指摘します。 今ここに100ccの混合ガスがあったとしましょう。コイツを理想的に燃やし、可能な限り高変換効率で回転力を取り出せるとしても、その回転力は『100ccの混合気分の』モノにしかなりません。 そこでロータリとレシプロを比べてみてください。同じ馬力のエンジンでは、ロータリの方がどうしても燃費が悪くなりますね?これはロータリの方が、『同じ馬力を得る為には、レシプロより余計に混合気を燃やさなければならない』という事を意味しており、つまり同じ100ccの混合気から取り出せる回転力が、ロータリの場合は小さいということになります。 これって単純に『効率が悪いエンジン』って言いませんか? ※『ロータリは排気量が小さいのに高出力』という話もありますが、あれはロータリの排気量計算方法がレシプロと違うからに過ぎません。 これから打つことは、ちょっと乱暴な解釈になるんですが・・・と一言断っておいて。 レシプロでは各シリンダの容積全てを足して排気量を求めていますが、ロータリでは燃焼室の部分の単室容量しか排気量にしていません。 ロータリでは、三角形のロータの1つの部屋で燃焼しているとき、他の部屋では排気と吸気が行われているので、レシプロ式の排気量計算とする為には、排気や吸気中の部屋も排気量に含めるべきです。(レシプロで、例えば6気筒あったとしても全てのシリンダで同時に爆発していることはありませんね。爆発している気筒もあれば、排気している気筒も吸気している気筒もあります。これら全てを足し算してしまっているのがレシプロの排気量であり、この法則に則れば、ロータリの排気量も3倍して考えるべきです。) で、ロータリエンジンのカタログ排気量を3倍すると・・・同等馬力のレシプロより大きい排気量になってしまいます。 ※もう少し理論的な話をしましょう。 その1;熱効率の悪さ 混合気の爆発力とは膨張力であって、ガスの膨張なので当然高温であればあるほど、同じ量の混合気でも大きい回転力が得られます。 実際には、エンジンの部品が高温に持たなかったり、あまりに高温にすると本来不活性なはずの窒素が酸化する様になり(酸化窒素は毒ガスです)、際限なく高温で燃焼させるワケにはいきませんが、しかしある程度はエンジン内の温度を高温に保ち次の燃焼の為に使えれば、その分熱を回転力に変換出来ることになります。 ロータリでは混合ガスとロータやハウジングが接触している面積がレシプロより広く、熱がこれら『エンジン本体』に逃げてしまいます。エンジン本体に逃げた熱エネルギは、水冷のウォータジャケットに吸収され、ラジエタを介して大気に『捨てて』います。 より大きい熱エネルギをそこらに捨ててしまっている以上、熱効率(やさしく言うと燃費)でレシプロを凌駕するのは難しい事です。 その2;燃焼室形状 一回で吸い込める混合気の量が決まっている以上、それを可能な限り燃え残りが出ない様に燃やしてギリギリまで回転力に変換しようとすると、どうしても燃焼(火炎の伝播)を緻密にコントロールしなければなりません。 この火炎伝播、点火プラグの近くでは設計の狙いに近く伝わりますが、プラグから離れると設計通りの燃焼が得られにくくなります。 ボアが小さいレシプロに対し、燃焼室が扁平なロータリエンジンでは、プラグから離れたところの燃焼コントロールが難しくなります。 この扁平の燃焼室はロータリの構造ではどうにもならず、レシプロを追求しているエンジニアにとっては『お笑いネタ』にさえ見えます。(ロータリでは1つの燃焼室に点火プラグを2本用いますが、2本置かないとマトモに燃焼しないほど燃焼室形状が悪い、という事です。) こんな燃焼室では、同じ量の混合気でもレシプロと同じだけの回転力を取り出すのは難しく、燃費が悪化するのも当然です。 ※さて、他のエンジンはどうでしょう? 40年ほど前までは盛んに研究されたガスタービンエンジン(ジェットエンジン)は、航空機などでは既に実用化されており自動車用エンジンにもカンタンに転用出来そうな気がしますが・・・混合気の爆発力を直接回転力に変換するレシプロやロータリと違いスロットルレスポンスの『遅さ』が自動車用としては致命的で、また、元々ガスタービンはマルチフューエル(いろんな燃料が使える)がメリットだったんですが、排ガス規制が厳しい現在ではスキ勝手に色々な燃料を燃やすワケにもいかず・・・というワケで、現時点ではガスタービンのメリットは少ないです。同じトルクなら驚愕の回転数になり、故に小型でも驚くほどの馬力が得られるんですが・・・ ※他には、スターリング・エンジンも船舶などで既に実用化されていますが、これは外燃機関なので更に排ガスは厳しい事になるでしょう。そもそも、レシプロ内燃機関と同じ馬力を得ようと思ったら、トンでもないサイズになってしまうでしょうし。 ・・・っというワケで、レシプロエンジンを凌駕する内燃機関の構造は、実は今のところ無い、というワケです。 勿論御指摘の様に、レシプロも『自動車用動力源としては色々な欠点』がありますが、他に無いからしょうがない、ってところがホンネでしょうね。熱力学上最高の効率を持つミラー・サイクル・エンジン(アトキンソン・サイクル・エンジン)やディーゼル・サイクル・エンジンだって、結局は低効率のオットー・サイクル・エンジン(いわゆるガソリンエンジン)とよく似たレシプロ構造にならざるを得なかったぐらいだし。 もっとも、レシプロの欠点もハッキリしているので、ロータリやガスタービンは上記の様にダメダメでしたが、将来的にはレシプロを凌駕するエンジン機構が登場しないとも限りません。 尚、最後に余談ながら。 熱力学でなく機構学的に考えると、爆発力を回転力に変換する部分ではロータリの方がレシプロより高効率です。ただ上述した熱力学的な効率が低過ぎ、ロータリは(熱力学機関としては)ダメエンジンになっているだけです。 また、上記で『レシプロと同じ基準で計算した場合の単位排気量当たりの馬力は、レシプロより悪い』という様な事を述べましたが、単位重量当たり(例えばエンジンの重さ1kgf当たり何馬力出せるか)、或いは単位体積当たり(例えばエンジンの体積1000cm^3当たり何馬力出せるか)という話になると、レシプロよりロータリの方が圧倒的に有利なのは間違いありません。 そもそもロータリには、アクセルに対するレスポンスがよいとか、振動が少なく高回転でもオッケーとか、トルク特性がピーキーでクセがあるとか、運転して『面白い』と言える要素が満載です。 クルマとは効率がよければ全てヨシ、という機械ではなく、官能面での魅力も重要な『性能』になります(この点が、マツダさんがロータリに拘る最大の理由でしょう)。多少効率が悪くても、ロータリでしか実現出来ないクルマもあるワケで、高価なRX7とか8とかばかりでなく、ロードスターやデミオにも使える様な、もっと小さいロータリエンジンを作ってもヨイと思うんですけどねぇ、マツダさん。(昔は10Aという、レシプロなら1600ccクラス以下ぐらいの小さなロータリも作ってたんですけどね・・・やはりレシプロに比べ、今でも不具合が多いのかな?)
その他の回答 (8)
ロータリーエンジンは耐久性が無い・燃費が悪い。 致命的な欠点です。 今のご時勢なら尚更かもしれませんね。
- papepo_08
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このくらいの情報量の方がわかりやすいかも Wikipedia「ロータリーエンジン」構造上の利点と欠点 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3#.E6.A7.8B.E9.80.A0.E4.B8.8A.E3.81.AE.E5.88.A9.E7.82.B9.E3.81.A8.E6.AC.A0.E7.82.B9
- nekoppe
- ベストアンサー率26% (380/1450)
ロータリはバンケルロータリとします。結論から言えば先出しだからです。仮にロータリが先に出て(仮にです)車も飛行機もチェンソーも模型飛行機もと普及したあとレシプロが登場したとすると、効率が良くても既に世界中に普及し改良も進んだロータリに取って代わるのは容易ではありません。後出しのレシプロにどんな問題があるかと言えば、 1.車のエンジンルームに入らないのでレシプロ用の車体開発が必要 2.高級ガソリン(粗悪燃料で動くロータリからすると)で燃費の良さが相殺(ロータリも世界中で改良されレシプロとの差が小さくなっている)される 3.戦闘機乗りは巨大なレシプロエンジンで前方視界が悪く、命がかかっているので不評 4.チェンソーでは振動病が多発する 5.模型飛行機の空撮(測量や軍事偵察)では振動で写真が撮れない 6.水素だと殆ど回せない(水素車も普及しているとして) その他にも種々の問題が発生し、大きさや重量を問題にしない発電機や大型船舶等にだけ使われる事になったと思います。 カセットが普及した後で出たDATが普及しなかったように、優れているというだけで受け入れられるのは困難なのです。
- rgm79quel
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レシプロ式内燃機関は、 ロータリーと比べると欠点が少なく 長所が多いからです。
- leman
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ロータリーたしかにいいですよね。以前イギリスのノートンというバイクメーカーのロータリーエンジンの写真資料を見たことありますが、コンパクトだし、バルブ機構などがないのでえらいシンプルでしたね。 まあロータリーだと燃焼室が広いんで火炎伝播が難しい。だからツイン・プラグにしたり、マツダのルマン優勝マシーンなんかトリプル・プラグにしたりして対処してましたね。 タービンエンジンは意外なところで使われています。それはアメリカ陸軍の主力戦車エブライエム戦車です。 出力1500馬力。50トンの車体を最高時速80kmで走る姿は迫力満点。その割にはエンジン自体は意外と小さいしシンプルでしたね。
ロータリーエンジンは、確かに爆発の膨張運動を直接回転運動に変えているのですが、燃焼室形状とその膨張過程がいびつで不自然なため、デメリットも非常に多いようです。 現在の排ガスクリーン化対策は、ガソリン噴射を希薄にして高圧縮比にし、(当然燃えにくくなるので)スパークプラグの火花を大きいものにして爆発させ、そのとき出やすくなる酸化窒素NOxは触媒で除去するというものです。レシプロの場合、この方法で燃費も出力も同時に上げられるようになりました。しかしロータリーはこれがうまくいかなかったのです。当初排ガスがクリーンと言うことが売り物だったロータリーですが、最近のより厳しい基準には、なかなか対応させるのが難しかったようです。 RX-7でコーナーリング中にアクセルをドカンと開け閉めするとエンジンの妙な振動で車が左右にふらつくことがありました。どうもレシプロより振動対策が取りづらく、最悪それが左右に出てしまうことがあるようです。 各種タービンエンジンは、空気や水などの流体をかいて動かすには良いようで、船舶や飛行機の一部には適するようですが、装置が大きすぎて一般的なタイヤで地面をかく乗り物にはあんまり良くなかったようです。鉄道と自動車レースF1で試験的採用例があったようですが、いずれも芳しくない結果で終わったようです。
作るのも修理するのも簡単だから。 品質の良くないオイルでも動くし。 パーツも細かく交換できますし。 ガスタービンは悪魔のように燃料をがぶ飲みしますし、細かい出力調整は苦手です。
- debukuro
- ベストアンサー率19% (3634/18947)
ロータリーエンジンに比べて 低い精度でも動く 燃費がいい 暖機時間が短い ガスタービンは吹け上がりが悪い