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欧州憲法についての質問です。
欧州憲法についての質問です。なぜフランスやオランダは欧州憲法を可決しようとしないんですか。お願いします。
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条約には、調印と批准の二つの手続きを経て発効されます。 フランス、オランダは、欧州憲法条約の批准を議会で可決するのではなく、国民投票での承認で行うことにしました。 また、ほかの国も世論は反対が多かったり、五分五分の国も多かったんです。そのため、同様に国民投票を予定していた他の国は、中止したんです。 では、なぜそんなに反対が多かったのか? それは、欧州憲法によって、EUが国家連合から連邦制へ移行し始める可能性があると思われたからです。つまり、国家主権が各国から奪われ、EUに移るということです。 ただ、欧州憲法は、従来の各条約を集大成したもので、そこまで深刻な内容ではないという人もいます。しかし、大統領や外相にあたるポストまで出来る事や、憲法という名前まで含んでいることが警戒されたのでしょう。 また、欧州統合は一般市民、特に労働者に厳しい側面があります。市場統合はすなわち、域内の貿易自由化と労働者の移動をもたらします。そのため競争が激化し、一部の大企業には好都合です。しかし、中東欧などは所得が低いのですが、これは安い労働力や製品として強い価格競争があるとも言えます。そのため、相対的に賃金が高い国の労働者や産業を苦しめるんです。 さらに、各国の景気が悪くなっても、景気回復のための財政支出も抑えられています。これは、ユーロを設立、維持するためです。安易な財政支出は、その国の通貨価値を減じる要因です。ユーロによって単一通貨が成立しても、ユーロそのものの価値と安定を維持するため、この規律は遵守し続けることが各国に求められ、違反した国には罰金まで存在します。 そのため、一般市民にとって、欧州統合を続ける意義を疑う要素も多いと言えるでしょう。
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詳しく回答していただき、ありがとうございます。