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分光学的状態

授業でL‐S結合について勉強したのですが、電子が2個の場合の原子状態が何で基底状態がどれだということは、わかりました。でも電子が3個ある場合はどうすればいいのかがわかりません。 2個だとL=l1+l2だったのがL=l1+l2+l3になるのでしょうか。SもS=1/2、3/2でいいのでしょうか。 具体的に(np)^2ではどうなるのか教えてください。お願いします。

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回答No.1

> 2個だとL=l1+l2だったのがL=l1+l2+l3になる 記号が何を表しているのかが分からないのですけど、磁気量子数(軌道角運動量のz成分を表す量子数)なのでしたら、それでいいです。方位量子数(軌道角運動量の大きさを表す量子数)ならば、2個だとL=l1+l2,l1+l2-1,...,|l1-l2|になります。3個だと簡単な式では書けなくなります。 > SもS=1/2、3/2でいいのでしょうか。 はい。いいです。 > 電子が3個ある場合はどうすればいいのか 基本的には、電子が2個のときと同じです。電子配置を全て書き下して、それぞれの電子配置について磁気量子数の和Lzとスピン量子数の和Szを計算し、LzとSzから原子のスピン多重度2S+1と全軌道量子数Lを求めます。具体的には以下のとおりです。 -------------------- np軌道には、lz=1のnp1軌道、lz=0のnp0軌道、lz=-1のnp-1軌道の3つの軌道がある。各々の軌道には電子を2つまで入れることができる。軌道に電子を入れて各電子のlzとszを足し上げると、原子のLzとSzとを求めることができる。LzとSzで電子配置を組み分けすると、どんな原子状態が現れるのかを知ることができる。 記号の意味 ↑ ... その軌道に電子が一個入っている。電子のスピンは上向き。 ↓ ... その軌道に電子が一個入っている。電子のスピンは下向き。 ・ ... その軌道には電子が入っていない。 | ... その軌道には電子が一個入っている。電子のスピンは上向きまたは下向き。 || ... その軌道には電子が二個、対になって入っている。 電子配置の例 ||↓・ Lz= 2, Sz=-1/2 lz=1のnp1軌道に電子が二個、lz=0のnp0軌道にはスピン下向きの電子が一個、lz=-1のnp-1軌道には電子がゼロ個入っている。この電子配置の磁気量子数の和Lzとスピン量子数の和Szは  Lz=1+1+0=2, Sz=1/2+(-1/2)+(-1/2)=-1/2 となる。 ■(np)^1の場合 (1) 電子配置の数は 6C1=6/1=6 より6通りある。 ↑・・ Lz= 1, Sz= 1/2 ↓・・ Lz= 1, Sz=-1/2 ・↑・ Lz= 0, Sz= 1/2 ・↓・ Lz= 0, Sz=-1/2 ・・↑ Lz=-1, Sz= 1/2 ・・↓ Lz=-1, Sz=-1/2 (2) スピンの多重度で組み分けする。 |・・ Lz= 1, Sz=±1/2 ・|・ Lz= 0, Sz=±1/2 ・・| Lz=-1, Sz=±1/2 (3) Lzから、Lを求める。 Lz=1,0,-1, Sz=±1/2 ⇒ L=1, S=1/2 ⇒ 2P (4) 検算 電子状態の数=(2S+1)×(2L+1)=2*3=6=電子配置の数 ■(np)^2の場合 (1) 電子配置の数は 6C2=6*5/(2*1)=15 より15通りある。 ↑↑・ Lz= 1, Sz= 1 ↑↓・ Lz= 1, Sz= 0 ↓↑・ Lz= 1, Sz= 0 ↓↓・ Lz= 1, Sz=-1 ↑・↑ Lz= 0, Sz= 1 ↑・↓ Lz= 0, Sz= 0 ↓・↑ Lz= 0, Sz= 0 ↓・↓ Lz= 0, Sz=-1 ・↑↑ Lz=-1, Sz= 1 ・↑↓ Lz=-1, Sz= 0 ・↓↑ Lz=-1, Sz= 0 ・↓↓ Lz=-1, Sz=-1 ||・・ Lz= 2, Sz= 0 ・||・ Lz= 0, Sz= 0 ・・|| Lz=-2, Sz= 0 (2) スピンの多重度で組み分けする。 スピン三重項 ||・ Lz= 1, Sz= 1,0,-1 |・| Lz= 0, Sz= 1,0,-1 ・|| Lz=-1, Sz= 1,0,-1 スピン一重項 ||・ Lz= 1, Sz= 0 |・| Lz= 0, Sz= 0 ・|| Lz=-1, Sz= 0 ||・・ Lz= 2, Sz= 0 ・||・ Lz= 0, Sz= 0 ・・|| Lz=-2, Sz= 0 (3) Lzから、Lを求める。 スピン三重項 Lz= 1,0,-1 Sz= 1,0,-1 ⇒ L=1, S=1 ⇒ 3P スピン一重項 Lz= 2,1,0,0,-1,2 Sz= 0 ⇒ L=2,0 S=0 ⇒ 1S,1D (4) 検算 電子状態の数=Σ(2S+1)×(2L+1)=3*3+1*1+1*5=15=電子配置の数 ■(np)^3の場合 (1) 電子配置の数は 6C3=6*5*4/(3*2*1)=20 より20通りある。 ↑↑↑ Lz= 0, Sz= 3/2 ↑↑↓ Lz= 0, Sz= 1/2 ↑↓↑ Lz= 0, Sz= 1/2 ↑↓↓ Lz= 0, Sz=-1/2 ↓↑↑ Lz= 0, Sz= 1/2 ↓↑↓ Lz= 0, Sz=-1/2 ↓↓↑ Lz= 0, Sz=-1/2 ↓↓↓ Lz= 0, Sz=-3/2 ||↑・ Lz= 2, Sz= 1/2 ||↓・ Lz= 2, Sz=-1/2 ||・↑ Lz= 1, Sz= 1/2 ||・↓ Lz= 1, Sz=-1/2 ↑||・ Lz= 1, Sz= 1/2 ↓||・ Lz= 1, Sz=-1/2 ・||↑ Lz=-1, Sz= 1/2 ・||↓ Lz=-1, Sz=-1/2 ↑・|| Lz=-1, Sz= 1/2 ↓・|| Lz=-1, Sz=-1/2 ・↑|| Lz=-2, Sz= 1/2 ・↓|| Lz=-2, Sz=-1/2 (2) スピンの多重度で組み分けする。 スピン四重項 ||| Lz= 0, Sz= 3/2,1/2,-1/2,-3/2 スピン二重項 ||| Lz= 0,0 Sz=±1/2 |||・ Lz= 2, Sz=±1/2 ||・| Lz= 1, Sz=±1/2 |||・ Lz= 1, Sz=±1/2 ・||| Lz=-1, Sz=±1/2 |・|| Lz=-1, Sz=±1/2 ・||| Lz=-2, Sz=±1/2 (3) Lzから、Lを求める。 スピン四重項 Lz= 0, Sz= 3/2,1/2,-1/2,-3/2 ⇒ L=0, S=3/2 ⇒ 4S スピン二重項 Lz= 2,1,1,0,0,-1,1,2 Sz=±1/2 ⇒ L=2,1 S=1/2 ⇒ 2P,2D (4) 検算 電子状態の数=Σ(2S+1)×(2L+1)=4*1+2*3+2*5=20=電子配置の数 -------------------- 質問者さんが何を知りたいのかよく分からないまま回答していますので、まったく見当違いのことを書いている可能性があります。上の説明文は、電子配置から原子状態を求める手続きを説明しています。そんなことが知りたい訳じゃないんだ、ということでしたら補足欄でお知らせください。

kazehayasa
質問者

お礼

言葉足らずな質問で申し訳ありませんでした。 こんなに丁寧に教えてくださって本当にありがとうございます。助かりました。

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