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樹木の水の吸い上げ

100mもある樹木がその先端の葉まで水分を吸い上げる原理はどんなものでしょうかお教え下さい。  ・単純に葉の先からポンプのようなもので吸い上げるのであれば10  mまでのはず。  ・毛細管現象であれば導管の径が10μであれば2m以下。  ・浸透圧:導管がの途中が浸透膜で区切られていれば理解できるが?   実際は繋がっているのでは。  ・水の凝集力との説(NEWTON12月号):全く理解できません。   この説が正しいのであれば、やさしく教えて頂ければと思います。

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  • suiran2
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回答No.2

樹木の水の吸い上げには根は直接は関係しません。水の凝集力だということは次のような実験から考えられたことです。藤等の長いつる性植物を用意し、その茎を煮沸したりしまして茎の細胞を殺します。バラの水揚げと同じ原理です。この茎を水に入れ葉を上にして垂直に設置しますと葉があれば10mを遙かに超えて水が上がることが観察されました。 水は丸い水滴になります。これは水の分子がお互いに引き合う力(この力を凝集力、または表面張力と言います。)が極めて大きなものですので丸くなるわけです。しかし、量の多い水は丸い水滴になりません。これは凝集力よりも水の自重が勝るからです。大気圧中では10mというのは太いガラス管の場合です。これも水の凝集力よりも遙かに水の自重が大きいからです。 植物の水の吸い上げは極めて細い道管内の話です。水は道管内程度の細さならば、理論的には凝集力で2000mほどの細い水の糸が切れないで動くことが予測されています。ですから植物の吸水は葉で蒸散が起こりますとこの細い水の糸が大気中に引っ張られます。そうしますとずるずる水の糸が引っ張られまして根から水があがるわけです。理論的には「ジャックとマメの木」の雲より高いマメの木は存在が可能なわけです。 それでは茎を木ったら水の糸がなぜ落ちてこないかですが、これは道管はセルロースという紙の成分で出来ています。このセルロースは親水性が高い物質です。紙を水に濡らして持ち上げても、すべての水は落ちてはこず紙は濡れたままです。それと同じで水が道管にくっついていますから落ちないわけです。

maki5784
質問者

お礼

大変ご丁寧に回答して頂きまして有難う御座いました。 もし下記の条件で吸い上げ高さの理論値の計算式がありましたら、ご教授下さい。  針葉樹の導管半径: 10μ  水の表面張力  : 0.0728N/m

その他の回答 (2)

  • suiran2
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回答No.3

水の凝集力は気圧に換算しますと21?気圧だと思います。つまり空気の入っていない細い管なら21?0mの水柱が成立するということです。重要なことですので念を押しますが、あくまでも水柱は連続した状態ならばです。空気が入り水柱が分断されますとあなたの予想通りにわずかしか植物は水を吸い上げられなくなりまして枯れてしまいます。それを防ぐために木は絶えず道管を新たに形成するわけです。 勘違いなさっているようですが、凝集力は植物の水の吸い上げとは直接に何の関係もありません。ただ水の細い糸が存在できるというだけです。その糸を引っ張るものは葉からの蒸散です。蒸散がなければ水の糸は動きません。当然吸水も起こりません。 これ以上は生物カテではなく物理カテの方が適切な回答を得られるのではないかと思います。

maki5784
質問者

お礼

再三お答え頂き有難う御座います。再度確認させて頂きますが、細い管とはどれ位の径になるのでしょうか。ご存知でしたらご教授下さい。

回答No.1

これは蒸散による水の牽引(蒸散牽引)によって行われています。根の毛根から吸収された水は幹の導管を通って葉の導管に行き、葉の気孔から蒸散します。この時、水は一本の水柱となっているのです。即ち、水分子は強力な付着(水素イオン結合)により根毛から葉の先端まで、途切れることなく続いているのです。従って、水ポテンシャルの勾配を調べると、土壌や水が吸収される毛根の木部が高く(陽圧)、樹の上部の葉の先端に行くほど低く(陰圧)なっているのです。ストローで水を吸い上げるように、根から樹の先端の葉まで、水は吸い上げられて行くのです。(参考:キャンベル生物学、833ページ)

maki5784
質問者

お礼

ありがとうございます。 まだ納得のいかないところがあります。

maki5784
質問者

補足

キャンベルの「生物学」が手元にありません。 疑問は上からいくらポンプで吸い上げても大気圧中では10mまでしか上がらず、それ以上は真空になるのではと思うのですが。また、水柱が100mあるとすると毛根には10気圧の圧力がかかることになり、毛根を切ると水がどーと出てくるように思われます。その当りはどのように理解すればよいでしょうか。