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「歌」と「唄」
読み方は同じですが、この二つの意味に違いはあるのでしょうか?? 由来などご存じの方がいらっしゃいましたら、どうぞよろしくお願いします。
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由来を中心に回答します。 >読み方は同じですが 「唄」という字は読み方で意味が異なります。むしろ、わざと音を変えることで異なる意味を同じ字で共用させているのです。 「唄」は本来の音では「バイ」と読み、もともとは仏典と共に伝えられたものです。 かつてのインドで、仏の徳をたたえた詩に節をつけて声を引いてうたうことをbhasa(バーシャ)と呼んでおり、これを漢訳仏典で「唄匿(バイノク)」と音写したことに始まるのです(そもそもその際に新たに作られた漢字だと言われます)。 「唄匿」は翻訳して「讃歎」とも言われるのですが、一般に日本ではバイノクを縮めて「バイ」と呼び習わしてきました。現在でも、如来唄(にょらいばい)、梵唄(ぼんばい)などという言葉は「声明」の別名として仏教各宗で使われています。 一方、唄を「ウタ」と読ませるのは、中国と関係なく日本で独自に作り出された音です。 民謡や俗謡など、いわゆる「うたい」の総称として使われ始め、現在に至っています。 なぜ「唄」という漢字に「ウタ」という音があてられたのか、正確なところはわかりませんが、察するにこの「ウタ」という音の持つ語感によるところがあると思います。 そもそも「ウタ」、その動詞の「ウタフ」という言葉は語源が「訴ふ」と共通であるという説もあり(折口信夫など)、それによると「ウタフ」とは「(文字であれ声楽であれ、形式を問わずに)自分の心情を外に訴えようとすること」ということになります。 従って漢字で「ウタ」と読ませる漢字は「歌」「詩」「謡」など複数ありますが、これら全てが“心情の表現”という意味で「ウタ」とされるのはごく自然なことでしょう。ウタという表現の範疇のグループは、音を共有しながら、漢字で意味の差別化が図られているわけです。 周知のようにわが国では古来「歌」とは詩の表現形式を指すのであって、必ずしも音階を伴うものは含みませんでした。一方で「謡」は、音階を伴うものではありますが、歌舞音曲の総合体であった能という表現形式から各要素の専門化にともなって声楽部門だけが独立した結果できた言葉でしたから、意味が限定されていたのです。 そのような土台があるところに、新たに「唄」という漢字がもたらされたことは、同じ「ウタ」グループ内のさらなる差別化を図るのに好都合だったのだと思われます。 つまり、後代に一般化した民謡や俗謡といった声楽的な「うた」を表記し分けるためには別の漢字が必要になっていたのだと思われるのです。 この際に、既にイメージ喚起力が確立されていた「唄」という漢字を用い、なおかつ日本人の感覚に一致する「ウタ」という音をあて、仏教関連の用途との棲み分けをはかりつつ俗謡一般を表すものとしたのでしょう。
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一般にある文章や詩に節をつけてうたう場合に歌という字をあてます。従って歌だけでも困ることはありませんが、中国では仏を讃える歌に唄という字をあてたようです。日本では中国の伝統を引き継ぐとともに、日本の歌(邦楽)にこの唄の字を使用するようになりました。従って洋楽は歌、邦楽系は唄と使い分けていると思います。紅白でも歌われた『島唄』がよい例です。
お礼
なるほど。よくわかりました。 ありがとうございました。
- taknt
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http://www5a.biglobe.ne.jp/~kokengle/zuihitsushuu/utanitsuite.htm http://www.ashita.or.jp/publish/mm/72/essay2.htm 上記サイトに、それぞれ個人的解釈が書かれてあります。
お礼
ありがとうございます。 早速読んでみますね。
お礼
詳しいご説明、ありがとうございました。 由来までわかってスッキリしました。