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労働者派遣法・第四十条の五の解釈

労働者派遣法・第四十条の五は以下のような条文です。 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務(第四十条の二第一項各号に掲げる業務に限る。)について、派遣元事業主から◆三年◆を超える期間継続して同一の◆派遣労働者◆に係る労働者派遣の役務の提供を受けている場合において、当該同一の業務に労働者を従事させるため、当該◆三年◆が経過した日以後労働者を雇い入れようとするときは、当該同一の◆派遣労働者◆に対し、雇用契約の申込みをしなければならない。  この条文によって知り合いのS君は、A派遣先で働き始めてから9ヶ月を過ぎた時、A派遣先の社員になるのを断り、派遣元の紹介でB派遣先で働くようになりました。私は上記の「三年」というのを、S君が働き始めて三年と解釈していたので、驚きました。改めて四十条の五を読んでみましたが、よく解りません。 質問1.とりわけ「同一の◆派遣労働者◆に係る」というのが、どういうことを意味するのか分かりません。私はこれを同一の人間が同じ仕事で三年間働くと解釈していたのですが、違うようですね。正しくは、派遣元が派遣先から派遣社員を使い始めてから三年という意味とのことです。 質問2.もしそうなら、例えばその派遣先に同じ派遣元から数十人の派遣社員が働いている場合、三年経過した時、全ての派遣社員に雇用契約の申込みをしなければならないのでしょうか?実は私もS君と同じ派遣元の派遣社員ですが、派遣先(S君とは異なる)には数十人の同じ派遣元からの派遣社員が働いているのです。三年経過して全ての派遣社員に雇用契約の申込みをした場合、かなりの数の派遣社員が一気に派遣先の社員になる可能性がありますが、派遣先はそんなことが出来るのでしょうか? この条文の正しい解釈というのが(労働相談などで尋ねてみたのですが)どうも腑に落ちないのですが・・・。宜しくお願いします。

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  • guekfbd
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回答No.1

>質問1.とりわけ「同一の◆派遣労働者◆に係る」というのが、どういうことを意味するのか分かりません。 ここで切ってしまうと意味が変わってしまいます。 この文章は"同一の派遣労働者"ではなく、「同一の"派遣労働者に係る労働者派遣の役務"」で一文です。 要するに、「同じ業務を派遣社員に3年以上頼んではいけませんよ」ってことです。 これに関しては「どの派遣会社から」というのは一切関係が無いので、 派遣先企業がその業務に対して「累計で3年」業務を派遣社員に託している時点でアウトです (1年ごとに派遣会社を変えていてもダメです)。 ただ、厳密には「正社員登用しなさい」ではなく、「正社員登用を打診しなさい」なので、 例えばその時点で働いている派遣社員の人が、正社員登用を望まず派遣社員のままでの就業を希望した場合は そのまま派遣社員としての就業継続が可能です。 そもそもこの法律ができた原因が、 「3年もの長い期間派遣社員に頼むような業務があるなら、とっととその業務に従事する正社員を雇いなさい!! =いつまでも派遣社員を使って経費削減&雇用の不安定化の助長をしていないで、とっとと雇用の安定化に貢献しなさい!!」 という理念からですから(他にもあった気もしますが失念したので割愛)、 その理屈から考えると理解し易いかもしれません。 >質問2.三年経過して全ての派遣社員に雇用契約の申込みをした場合、かなりの数の派遣社員が一気に派遣先の社員になる可能性がありますが、派遣先はそんなことが出来るのでしょうか? まぁ理屈上はそうなんですが…、実際は異なります。 というのも、ここまで長々と書いていてなんなんですが、実はこの法律って、典型的な「有名無実」の法律なんです。 順を追って説明致しますので、まずはここのページをご覧ください。↓ ・労働者派遣 26の業務 http://www.hisamatsu-sr.com/haken/26gyoumu.htm これは「26業務」といって、上記の「3年」の例外業務、要するに 「3年間だけではなく、いつまでも派遣社員を利用してもいいですよ」という業務のリストです。 これらは本来、翻訳や財務、特殊な機器操作等、 「3年経ったからといっていきなりその人にいなくなられると、すぐに代役が立てられなくて業務に支障が出る」類の業務に限定された特約のはずでした。 で、ここでご注目いただきたいのは「5号 事務用機器操作の業務」です。 本来の解釈では高度なPC技術保持者等について定めているはずの項目なのですが、この項目の条文をよく読んでみると 「ワードプロセッサー、テレタイプ等の事務用機器についての操作の業務及びその過程において一体的に行われる準備及び整理の業務」 という一文があります。 …これ、解釈によってはWordやExcelのことと言えなくもない文章なんです。 勿論、本来はもっと高度な技術を意図して定められてたものと思われますが、 派遣会社&派遣先企業側の(自身にとって都合の良い)拡大解釈によって、 「WordとExcelを業務に用いている派遣社員の業務は26業務だ」ということになり、 実質「期間無制限の業務」ということになってしまっているのが現状です。 ※実際にはグレーゾーンですが、明確に「黒」ではないので現状では違法ではありません。 そのため、今のご時世、派遣社員の大半を占めるであろう一般事務や営業事務の方はほとんどPCを使っていますから、 つまるところほとんどの派遣社員の方は「正社員打診の対象外」ということになります。 もっと基準を厳格にすればこんな「拡大解釈」がまかり通ることもないのでしょうが、 現状国はこの件に関しては無関心(というか構っている余裕がない)なので、急激な事態の改善は望めないと思います。 というわけで、まだまだ当分の間は、「派遣社員から正社員」というのはハードルが高いと言わざるを得ないでしょう。 ちなみに正社員登用の打診を受けている派遣社員の人は、「3年ルール」云々以前に、 派遣先企業からの評価が高いか、気に入られている人が大半です。 派遣期間中の"引き抜き"もそれほど珍しいことでもありませんし、もし派遣社員から正社員を目指すのであれば、 3年ルール頼みではなく、自身の能力や性格を派遣先に認めてもらった方が近道なのではないかと思います。 …まぁ、企業によってはどんなに気に入られていても可能性が0%のところもありますけどね (「一般事務は全て派遣社員」という方針の会社とか)。 とまぁ、長々となりましたがこんな感じです。 ご参考にでもしてもらえれば嬉しいです。

0123gokudo
質問者

お礼

色々と説明していただきありがとうございます。派遣の現状がよく分かりました。

その他の回答 (2)

noname#66332
noname#66332
回答No.3

#2です。 > 派遣先企業がその業務に対して「累計で3年」 > 業務を派遣社員に託している時点でアウトです > (1年ごとに派遣会社を変えていてもダメです)。 すいません、ここら辺の理解がいまいち自分もあやふやでした‥‥ 26業務以外はこの運用なんですね。大変失礼しましたm(__)m

0123gokudo
質問者

お礼

再度の回答ありがとうございます。参考になりました。

noname#66332
noname#66332
回答No.2

派遣屋の営業経験者です。 1. これは質問者様の想像される通り、  同じ派遣先/同じ派遣労働者/同じ業務 での3年の継続が条件 という解釈でOKですよ。S君のケース(9ヶ月)では、派遣先に直接雇用の申し入れの義務はありません。 考えられるのは、 ・もともと「紹介予定派遣」での契約だった ・派遣先から本当に見込まれた ・請負契約で働いていた期間と、(法改正により)派遣契約に切り替えられてからの通算の就業期間が3年に達するスタッフが、一部に存在する。あとあと労働局に突っつかれる(今のところは適法だが)のが面倒だからそういうスタッフに直接雇用の申し入れをしている中で、ついでにある程度長期で勤務しているS君にも話をしてみた ‥‥のいずれかであろうと思います。なお3番目の想像については、2.のご質問にも絡んでくる部分ですね。 2. おっしゃる通りで、派遣業界では「2009年問題」として恐れられています。法改正で製造スタッフを一斉に派遣契約に切り替えてから、来年で(雇用契約の申し入れ義務が発生する)まる3年を迎えるからです。 検索すると死ぬほどヒットしますよ↓ http://www.google.com/search?num=50&hl=ja&ie=Shift_JIS&q=%94h%8C%AD%81@2009%94N%96%E2%91%E8&btnG=%8C%9F%8D%F5&lr=lang_ja 派遣先と派遣元の対応として考えられる手段としては、 1) 請負への切り替え 派遣労働であると見なされる  ・指揮命令権、および業務の進捗の管理の権限が派遣先にある  ・業務に要する資材(制服なども含めて)などを   派遣先が用意している などの要件について、請負契約として対応できる様にシステムそのものをいじって行くわけです。 その工場での業務全て(あるいは、ライン毎に)を一社の派遣会社にまるまる対応させ、派遣会社の用意する指揮管理者を置き、制服も派遣会社の買い取りで用意し‥‥ となりますが、実際のところは派遣先にも派遣元にもかなりの体力が必要です。 2) 配置転換 別のラインに振られただけでは別業務と見なされない可能性が高い為、事務派遣のように簡単にはいかないのが現状です。 3) 3ヶ月間の派遣停止=クーリング期間を設ける そのスタッフを継続で使うためにはクーリング期間中の雇用をなんらかの形で派遣会社が保障する事になりますが、まあ現実の所はほとんどの派遣会社にとって期間満了で放り出すか別の派遣先にネジ込むかが関の山でしょう。 4) 派遣先が雇っちゃう 一番無難な(しかしどちらにとってもかなり痛い)パターンですが、3ヶ月間だけバイトで雇う→また派遣社員に戻す→労働局に突っつかれる という派遣先が続出な予感。 5) そもそも3年も続くスタッフがいないか、いても少数w といったところでしょうか。