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時制(助動詞+動詞)のニュアンス
質問です。 助動詞の現在形+動詞の完了形 と 助動詞の過去形+動詞の原形 (例えば、may have been とmight be) は意味的にはどんな違いがあるのでしょうか? よろしくお願いします。
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そもそもの助動詞の用法という点から説明を試みます。 (1) 助動詞は話者の気持ちや考えを表すのですが、助動詞mayなどの各助動詞には、そもそも用法として、 (1)「根源用法」(root use) (mayの場合、「~してよい」(許可) (2)「推量用法」 (mayの場合、「~かもしれない」など確信度50%程度) の2つの用法がいわば表・裏のペアになって存在していることをまず、ご確認ください。 (2) (現在からみた)過去のことについては助動詞の形は、 (1) の「根源用法」では「助動詞の過去形+動詞の原形」を用いる (この用法は、couldやwouldなどに見られます。ただし、ご回答#3にもあるように、他の助動詞では、動詞を用いた表現が代わって用いられます。 例えば、must ⇒ had to、 may ⇒ be allowed to ) 一方、 (2) の「推量用法」では「助動詞の現在形+have+過去分詞」を用います。 ポイントは、(1)の「根源用法」の時とは違って、この用法では「助動詞の過去形+動詞の原形」は使えないということです。 (3) 次に、(2)の「推量用法」では、助動詞の形が「過去形」(例えば、助動詞mayではmight)もあることがポイントです。(このことはご回答#3の最後にも書かれています。) 例えば、 My son might become prime minister when he grows up. (ひょっとして私の息子は大きくなったら総理大臣になるかもしれません。) ここで、mightは形が過去形でも、意味は現在(あるいは、現在から見た未来方向へ)の推量である、というのがポイントです。 もちろん、(2)の最後に書いたとおり、(1)の「根源用法」ではこういうことはなく、助動詞の形が「過去形」(例えば、助動詞canではcould)は過去のことを表します。 She could read when she was four. (彼女は4歳の時に字が読めた(読む能力があった)。) ここで、この文の意味がcanの「推量用法」(~である可能性がある)という読み・解釈はできないことをご確認ください。 (4) ですから時制が現在で流れている文脈では、may have beenとmight beは共に(1)の「根源用法」の「~してよい」の意味はなく、(2)の「推量用法」ですが、その違いは次のとおりです。 ● 前者 ”may have been” は現在から見た過去方向に対する推量で、「~かもしれなかった」 ● 後者 ”might be” は現在(あるいは、現在から見た未来方向へ)の推量で、「(ひょっとすると)~かもしれない」
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- trgovec
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may + have been と might + be このように並べると、どちらが現在(原形)でどちらが過去(完了)、前後の入れ替えで意味の差はどう生じるのかという疑問が生じます。 しかし次の基本的なことがあります。 ・be と have been be は「~である」 have been は「~だった/ずっと~である」。助動詞部分がどうであれ明確な違いがあります。助動詞でなくても He is said to be...「彼は…『である』と言われている」 He is said to have been...「彼は…『だった』と言われている」 さらに He was said to be...「彼は…『である』と言われていた」 He was said to have been...「彼は…『だった』と言われていた」 主動詞の時制に関わらず原形は同時、完了形はそれ以前のことを表します。 ・助動詞の過去形 could see, would often など特殊な場合を除いて一般に助動詞の過去形は積極的に過去の状態や動作を表しません。 may も might も視点は現在にあります。 may be 「(現在の視点で今)…であるかもしれない」 may have been 「(現在の視点で過去)…だったかもしれない」 might be 「(現在の視点で今)ひょっとしたら…であるかもしれない」 might have been 「(現在の視点で過去)ひょっとしたら…だったかもしれない」 便宜上「ひょっとしたら」を付けましたが助動詞の過去形は控えめな遠回しな感じを出します。これは仮定法の帰結にある助動詞の過去形と同種で実現性の低さを表すものです。
お礼
論点が非常にすっきりとして、また、may be 、may have been など、それぞれ具体的に書いていただいて非常に分かりやすかったです。どうもありがとうごさいました。 助動詞の過去形は積極的には過去を表さないのですね。
- taked4700
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基本的に、時制は二つの意味があります。一つは、現実の行為や状況の実際の時、または、そう言った行為や状況に対する話者のものの見方が今のものなのか過去のものなのかを示す意味です。つまり、その行為や状況、または、話者のものの見方が今のことなのか過去のことなのかを示す働きです。どちらにしても、過去か現在かの二つです。 もう一つの時制は、心理的距離感を表し、実現の可能性が低いかどうかとか、話者の生々しい欲求を伴っているかいないかなどを表します。こちらも、心理的距離感が近いか遠いかの二つです。 動詞の現在形は、実際に現在の状況、動作を表し、心理的距離感が近い、または、心理的距離感がないと感じられていることを表します。 反対に、過去形は、現在の動作とか状況ではなく、心理的距離感が遠いこと、心理的距離感があることを表します。 ここで、心理的距離感とは、発言内容に対する、それがどの程度本当のことであると感じているかとか、自分の生々しい欲求と感じているかを表し、心理的距離感が近いとは、本当である可能性が高いこと、生々しい欲求であることを意味します。 また、助動詞は、基本的に、話者のものの見方、つまり、意思とか許可、必然、必要、可能性などを表し、現実の動作、状況に関連する区分けを表すものではありません。 動詞は、基本的に、現実の動作、状況を表し、そう言った現実の動作や状況が能動的なものか受動的なものか、完了の意味あいがあるかどうか、現在進行しているのか、など、現実の動作・状況に関連する区分けを表します。 1.助動詞の現在形+動詞の完了形 は、動詞の完了形(つまり、完了状態の動作とか状況、または、既に終わってしまった昔の動作とか状況)に対して、話者がどんな見方を示しているかを表す。例えば、I will have done my homework before the end of summer vocation. :「夏休みの終わりまでに宿題を済ましておくつもりだ。」 これは、「やっておく、済まして置く」と言う動作、状況をwill、つまり、「自分の意志によって作っておくつもりだ」ということです。動詞の完了形によって、動作、状況の完了、つまり、「出来上がり」が意味され、そういった状況を自分の意思で作るつもりと言っています。 2.助動詞の過去形+動詞の原形 は、ある動作とか状況に対して、心理的距離感を持ち、実現可能性が低いとか、生々しい欲求を感じていないと言う話者の感情を表現します。例えば、He would do his homework today.:「彼は今日宿題をやるだろうと思う。」で、do his homeworkは、「宿題をする」と言う動作であり、それをwouldと言う助動詞で導くことにより、willと言うほど自信はないが、多分そうするだろうと言う控えめな予想を表現しています。また、He would do his homework at the library when he was a freshman.:「一年生の頃は、図書館で宿題をやったものだった」と言う意味になり、would は、過去の非習慣的繰り返し行動を意味しています。 結局、助動詞の現在形+動詞の完了形も、助動詞の過去形+動詞の原形も、文章全体に対する時制は、助動詞で示されています。動詞の部分では、完了とか進行、受身などの区分けが示されます。 なお、It may have been cool there in Kyoto. は、「そこ京都では、ずっと涼しいんだろうな」とか、「そこ京都は涼しかったのかもしれない」のような意味ですが、It might be cool there in Kyoto.なら、「そこ京都は涼しいのかもしれない」のような意味になります。mayよりもmightの方が、確信度が低いことを表します。 have been は、「継続」とか「完了、つまり、既に済んだ昔のこと」が表されています。
お礼
過去形には、 1)行為や状況がいつのことなのかを示す。 2)心理的距離感を表し、実現の可能性が低いかどうかなどを表す。 と二つの働きがあるということですね。 よく分かりました。 どうもありがとうございました。
- exfactor
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助動詞の現在形+完了動詞は過去に起こったかもしれないことに対する推量です。例えば I may have seen him. と言えば、彼に会ったかもしれない、となり「彼に会う」という行為は過去に行われ、それに関して「かも知れない」と現在思っていることになります。 一方で助動詞過去+原形は仮定法の流れを汲み、より低い可能性、婉曲さ、丁寧さなどを表します。例えば you can try calling the help desk と you could try calling the help desk. では後者のほうが丁寧な感じがします。 まれに単純過去で I could hear the sound.(その音が聞こえた) のように使う場合もあります
お礼
助動詞の現在形+動詞の完了形=過去(推量) 助動詞過去+原形=仮定法(可能性、婉曲など) ということですね。 シンプルで分かりやすいお答え、どうもありがとうごさいました。
お礼
根源用法、推量用法それぞれの場合で、過去の表し方が違ってくるのですね。この説明で、問題の全貌がすっきりと理解できました。 どうもありがとうごさいました。