uyama33 さんのおっしゃるように,x' は積分変数という他ありません.
x' が何かわからないと言うよりは,
平均操作ということの概念の理解に問題があるような気がします.
例えば,x 軸上で電波強度を測るとします.
座標をステップ的にしておいて,x = ..., -3,-2,-1,0,1,2,3, ... とします.
点 i での強度を f(i) とします.
測定装置がかなり大きくて(測定装置に入る電波量を稼ぐため),
1点での電波だけではなくて,周りの数点の電波も入ってしまうとしましょう.
その割合が,中心の点が 0.4 の割合,隣の2点が 0.2 ずつ,
もう一つ隣の2点が 0.1 ずつとします.
全部加えて,
(1) 0.4 + 2×0.2 + 2×0.1 = 1
で,1になっていることに注意してください.
この割合が W(i) です.つまり,上の例では
(2) W(0) = 0.4, W(1) = W(-1) = 0.2, W(2) = W(-2) = 0.1,
W(i) = 0 for |i|≧3
となっています.
では,中心を x=5 の点にして,
観測される電波強度(これが,「平均された」強度)はどうなりますか?
当然
(3) <f(5)> = 0.1×f(3) + 0.2×f(4) + 0.4×f(5) + 0.2×f(6) + 0.1×f(7)
ですね.
W(i) を用いて書けば
(4) <f(5)> = W(2)f(3) + W(1)f(4) + W(0)f(5) + W(-1)f(6) + W(-2)f(7)
= Σ_{j=3~6} W(5-j) f(j)
です.
もちろん,W(i) は(2)の形に限るわけでなはなくて,
一般にどんな形でもOKです.
形を支配するパラメーター h を入れて,一般に W(i,h)と書くことにすると
(1)に対応するのが
(5) Σ_i W(i,h) = 1
(4)に対応するのが
(6) <f(i)> = Σ_j W(i-j,h) f(j)
です.
もともと,f は連続関数でしたから,連続版に焼きなおしますと
(7) ∫ W(x,h) = 1
(8) <f(x)> = ∫ W(x-x',h) f(x') dx'
もう x' の意味はおわかりでしょう.
上の例では W(x) が偶関数になっていますが,別にその必要はありません.
例えば,誰かがドジをやって測定装置の電波の入り口を曲げてしまったりしたら,
左右対称性はなくなりますから,W(x) は偶関数ではなくなります.
W は重み(weight)から来ているのでしょう.
お礼
わかりやすい回答ありがとうございます。自分の勉強不足だったようです。 充分理解できました。再度、お答えいただきありがとうございました。