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pHtと希釈について
pH8の水酸化ナトリウムを水で100倍に希釈すると pHの変化はどうなるか選べという問題で 答えは、pH7~pH8の間になる。です 水のpHも考えて計算すると 1.0×10(-11)+1.0×10(-10)×99=1.0×10(-8) ※()内は指数 となると思うのですが 選択肢にpH8~pH11の間もあります。 ・なぜ8~11ではなく7~8になるのですか? ・あとpH6の水溶液を薄める時、pH7を超えないのはねぜでしょうか? よかったら教えてください。
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水酸化ナトリウムはpH8付近では完全解離します。 さて、pH8の水酸化ナトリウムの濃度を考えてみましょう。 pH=-log[H^+] ですから、[H^+]=10^-8 です。 一方[H^+][OH^-]=10^-14 ですので[OH^-]=10^-6 mol/Lのはずです。 でも、この水酸化物イオンの全てが水酸化ナトリウムから来た訳ではありません。 [Na^+]+[H^+]=[OH^-] のはずです。 ですから、水酸化ナトリウムの濃度=[Na^+]=[OH^-]-[H^+]=10^-6-10^-8=9.9×10^-5 になります。 さて100倍に薄めましょう。 [Na^+]=9.9×10^-7 また、 [Na^+]+[H^+]=[OH^-] かつ [H^+][OH^-]=10^-14 ですから 9.9×10^-7 +[H^+]=[OH^-] これを代入して、 {9.9×10^-7 +[H^+]}[H^+]=10^-14 解いてみて下さい。 解かなくても [H^+]^2 +9.9×10^-7[H^+] - 10^-14=0 乱暴に、第一項を無視すると、[H^+]=10^-14/9.9×10^-7>10^-8 pHは8より小さくなります。 同じ事をpH6の例えばHClaqでやってみて下さい。
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- htms42
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高等化学でpHを学習する時の最初に必ずこういう問題が出ます。 機械的にpHの数字を計算するとダメだということを分からせるためです。pH=nの溶液を水で100倍に薄めるとpH=n+2になると公式的に考える生徒が多いからです。選択肢の中にはpH=10を含むものもあるようですからかなりの生徒が機械的に答えようとすることを想定しています。アルカリ性を区別して考えることが出来る生徒であればpH=n-2を考えるでしょう。どちらの場合にしても中性の近くでは水の電離を考える必要があるという事に思い至るのは難しいことです。 そのためにも計算によらずにどういうことが起こるかを判断する力が必要です。その意味では#1の考え方が大事だと思います。一番いい考え方です。 アルカリ性のものをいくら水で薄めたからといって酸性になるはずがないという事実とpHの式との食い違いを埋めるものとして水の電離の働きが大事なんだということが納得できるのです。 計算は必要ないのですがそういう風に考えたことの裏づけが欲しいと思っている生徒もいますからおおよそどの程度になるかを示しておくことも意味があります。その場合は0.99なんて数字は必要ありません。pH=10とする生徒も多いのです。pH=6とする生徒も多いのです。 ややこしい計算をしても意味がありません。範囲が分かればいいのです。(ややこしい計算をしてdoc sunday様のように間違ってしまっては仕方がありません。) pH=8ですから[Na+]=[OH-]=10^(-6)mol/L でスタートします。100倍に薄めますから[Na+]=10^(-8)mol/L です。NaOH由来の[OH-]も同じ値ですから[OH-]N=10^(-8)mol/Lです。 [OH-]全=[OH-]N+[OH-]水 [OH-]全・[H+]=10^(-14)(mol/L)^2 X=[H+]=[OH-]水 (H2O → H+ + OH- ですから) (X+10^(-8))・X=10^(-14) これは二次方程式ですから高校生でも解くことができます。 X=(10^(-7)√(4.01)ー10^(-8))/2 ≒10^(-7)-0.5×10^(-8)=9.5×10^(-8) 10^(-8)<X<10^(-7) です。 log9.5=0.977ですからpH=7.02です。これは#2にある回答にある値と同じです。初めに0.99からスタートする必要はない事になります。 #4に「常識的に考えることが出来る」と書かれています。新しく習ったことが常識になるためにはかなりの理解が必要です。 言葉で表現された常識と数式で表されたものが食い違う時、「物理や化学では常識とは違うことが起こるということがよくある」という考え方も結構広く存在しています。数式を優先させてしまうのです。この常識はこの場面で当てはめることが出来るという確認をやっておかなくては使えるようにはなりません。 御質問の問題をいきなり出せば進学校でも正答率は50%未満でしょう。化学系の応用分野の技術者に質問しても同じかもしれません。 おまけ 危険物の甲、乙の試験にはpH=n+2になるのを正解として選ぶ問題がありました。酸性溶液という指定もありません。弱い酸性溶液、アルカリ性溶液では明らかに当てはまるものがない事になります。こういう問題を見て受験するのがあほらしくなり、受験しないままになりました。(私の同僚はそういうことは気にしても仕方がないといって受験し、甲を取りました。) 毎年乙4を受験する生徒がかなりいましたので「こういうことは困る、何とかならないか」という質問を研究集会で出したことがありました。主催者の一人として出席していた阪大の教授から「そういうことはあなたが甲を取ってから言うことだ」という返事を貰いました。この教授は自分の専門分野の教科書の中でのウエイトを大きくすることだけを主張していました。 学校の授業で習うことよりも現場で出てくることの方が上だと思っている生徒が多いです。資格試験に出てくることと授業で習ったことが食い違っていれば学校で習うことは外では通用しないと考えます。試験が済めば忘れてもいいことになってしまいます。 劇物・毒物の試験問題にベンゼン環とシクロヘキサンの区別の付かない表記がありました。トルエンの構造式の中のどこにも二重結合が書かれていないのです。全て一本線です。円も描かれていません。二重結合を1つおきに書くか、六角形の内側に円を描くかのどちらかでないといけないと言っていたことが通らなくなってしまいました。そういう試験を受けて資格を取った人たちはそういう区別はうるさく言う必要のないものだと受け取っているはずです。
お礼
凄く丁寧にありがとうございました! おまけも面白かったです(笑)
- km1939
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水は中性(pH7)ですからいくら大量の水で希釈しても限りなくなpH7に近き ますが pH7以下になることはありません。従ってpH7~pH8の間が正解で す。pH6も同様の考え方で、pH7に近づきますがpH7以上になることはあ りません。この問題は常識的に考えられるものだと思います。
お礼
本当にそうですね、、 ありがとうございまいた
- nious
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pH=8のNaOH水溶液は、NaOHが100%解離するとして、 [H^+]+[Na^+]=[OH^-] → [Na^+]=[OH^-]-[H^+]=10^(-6)-10^(-8)=9.9*10^(-7)M これを100倍に薄めると、[Na^+]=9.9*10^(-9)Mになるから、 [H^+]+[Na^+]=[OH^-] → [H^+]^2+9.9*10^(-9)[H^+]-Kw=0 → pH≒7.02
お礼
ありがとうございました!
- BookerL
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「100倍に希釈」なんていわれると計算しなくてはいけないような気がしますが、回答の選択肢があるのなら、計算しなくていいので楽ですね。 水は中性でpH7です。pH8の溶液を水で薄めるので、もっと中性に近づくので 「pH7~pH8の間になる」以外にあり得ません。 >・なぜ8~11ではなく7~8になるのですか? アルカリ性の溶液を水で薄めるとアルカリ性がもっと強くなる、なんておかしいと思いませんか。 >・あとpH6の水溶液を薄める時、pH7を超えないのはねぜでしょうか? これも同じ。pH6は酸性ですから、水でいくら薄めてもアルカリ性にはなりません。
お礼
>アルカリ性の溶液を水で薄めるとアルカリ性がもっと強くなる、なんておかしいと思いませんか。 考えたらそうですね; 数値にとらわれていました、、、 分かりやすくありがとうございました!
お礼
丁寧にありがとうございました