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CO2の混成軌道
CO2のVB法でC]haSP混成軌道でOがSP2混成軌道になるのがよく分かりません。OはSP軌道ではいけないんですか?
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VB法とか関係なしに電子対が1つあると軌道が一つ増えます。 軌道は、s→p(x)→p(y)→p(z)→d・・・と増えていきます。 ここで、二酸化炭素の結合状態を考えます O=C=O ですね?これを電子式であらわすと http://www.miyazaki-c.ed.jp/miyazakiminami-h/media/elearn/bakegaku/co2.gif になります。 酸素の周りには、電子対が3つなので、軌道三つ分(SPP混成軌道) 炭素の周りには、電子対は2つなので、軌道二つ分(SP混成軌道) になります。 別の例 水 H-O-H http://www.miyazaki-c.ed.jp/miyazakiminami-h/media/elearn/bakegaku/h2o.gif 水素の周りの電子対は1つ:S軌道 酸素の周りの電子対は4つ;SPPP混成軌道(SP3混成軌道) メタン CH4 http://www.miyazaki-c.ed.jp/miyazakiminami-h/media/elearn/bakegaku/ch4.gif 炭素の周りの電子対4つ:SPPP混成軌道(SP3混成軌道) 水素の周りの電子対1つ:S軌道 ちなみに「混成軌道」っていうのは2つ以上の軌道が混じってることです。(SP混成軌道とか) なので、1つの軌道しかないS軌道はS混成軌道なんて言いませんよ。
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> CO2のVB法でCはSP混成軌道でOがSP2混成軌道になるのがよく分かりません。 はい。よく分からなくて正解です。このような混成軌道の組み合わせにならなければならない理由は、実はVB法の中にはありません。No.1さんの説明にあるように、電子対反発則(VSEPR則)にもとづいて、Cがsp混成軌道でOがsp2混成軌道になる、と考えてください。 分子の構造を考えるときに使われる理論には、電子対反発則(VSEPR則)、原子価結合法(VB法)、分子軌道法(MO法)の三つがあります。混成軌道という考え方はもともとVB法から生まれたものなのですけど、非常に便利な考え方なので、今ではVSEPR則やMO法でも混成軌道が広く使われています。とくにVSEPR則では、原子価殻にある電子対の数と混成軌道とが(ほぼ)一対一に対応するので、混成軌道の概念とVSEPR則とは切っても切れない間柄になっています。しかしそのために「VSEPR則」と「VB法」の違いが不明瞭になってしまったので、これらの言葉の指し示すものが人によって少し違うことがあります。複数の教科書を読み比べるときには注意してください。 > OはSP軌道ではいけないんですか? Oがsp混成軌道になると考えても本当はいいんですよ。実際、VB法でCO2の共鳴構造を考えるときは、CもOもsp混成軌道で考えます。ですけどCO2の共鳴構造なんてマニアックなものは、大学の授業ではふつう出てこないです。また、「CO2のOがsp混成軌道になると考えてもいいよ」と言っちゃうと、詳細は省きますが同じ論理で「H2OのOがsp2混成軌道になると考えてもいいよ」と言ってもいいことになります。H2OのOがsp2混成軌道になると考えても理論的にはまったく問題ないのですけど、理論化学を専門にしない人にとっては厄介ごとが増えるだけですよね。ですので、厄介ごとをさけてVSEPR則の結果と整合性をとるために、VB法でもCがsp混成軌道でOがsp2混成軌道になる、としているのでしょう。
炭素の二つの直交するp軌道と両端の酸素のp軌道がπ結合を作る為には、酸素側はそれぞれp軌道一つずつでないと「困ります」。 なぜかと言うと、両端の酸素がsp混成でp軌道が二つずつあると、三つの原子に共通してp軌道が二つずつあることになり、どう重ね合ってもそのいくつかは「反結合性軌道」に電子が入ると解釈するしか無くなります。(MO法になっちゃう) 図で書くと分かり易いのですがね。 #1のお答えの図では無理ですね。