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沸点と水蒸気の温度の関係
高校生です。 海水の蒸留の図が与えられていて、海水を加熱していくとどのようになるか、という選択肢問題で、 解答が「海水の温度は徐々をさしたままである徐々に上昇し、温度計の目盛りは100℃のままである。」とあります。 前半部は水の蒸発での濃度上昇によって沸点上昇度が増したことによるものと理解できたのですが、後半部がいまいち理解できません。 水蒸気の温度も上昇するように思えるのですが…。
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- htms42
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#2です。 温度計の目盛りは100℃という理解は広まっているようですね。 #3のご回答を拝見しましたが100℃であるという理由は見つかりません。 (1)「気液平衡が成り立っているから100℃である」ということはありません。状態図の中の気体と液体の境界線上はすべて気液平衡です。100℃でなければ平衡が成り立たないということはありません。 沸点の100℃を特別扱いする理由はないはずです。「圧力=1気圧」も成り立っていません。 (2)気液平衡が成り立っているということもありません。気化した高温の蒸気の流れ、管壁での冷却による一部の凝縮、管壁への熱の移動、管壁から空気中への放熱の起こっている非平衡状態です。ある条件で「定常状態」に近いものが実現している可能性はあります。その場合は温度があまり変動しなくなるでしょう。でも100℃であるという必然性はありません。沸点よりは低いが沸点からあまり離れていない温度というだけです。 凝縮がどの程度起こるかによって温度が変わることを失敗とか成功とかの言葉で表現するのはこの場合意味がありません。それは実験操作上の効率のことであって温度が決まるという理由にはならないのです。枝の部分で十分凝縮が起こらなくてもいいはずです。枝の先にコンデンサーをつけるというのはそのためなんですから。またこれは温度が変わること自体を認めている文章です。 (3)枝の部分の気体の圧力=1気圧とされていることもおかしいです。1気圧であれば気体は蒸留器から流出しないはずです。枝のガラス管の先に手を持っていってください。噴出している蒸気で火傷をするかもしれません。
- DexMachina
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> 水蒸気の温度も上昇するように思えるのですが…。 液面の真上の水蒸気(下図「b」部)に関して言えば、その通りです。 ですが、枝つきフラスコの首(同「c」部)等での「気液平衡」を経ることによって、 温度計の球部を設置した枝の直下(同「d」部)では、水の沸点である100℃で 一定になります。 液の入った枝つきフラスコに、温度計がささっている図と思って下さい: (MS Pゴシック フォントサイズ9で調整) | || | | || | | || \ | || →d \ | |\ \ ┐ | | \ |→c | | | | | | | | ┘ / \ ┐ / \ |→ b | | | | | | \____/ ┘ \__/ ]→ a <a部> 不揮発性の溶質による沸点上昇により、水の沸点100℃よりも高くならないと 沸騰はしません。 (但し、蒸留の対象となる物質によっては、蒸気圧がそこそこ大きくなるために、 沸騰はしていないけれど充分な蒸気が上部に供給される場合もあり得ます。 =沸騰しているように見えないけれど、液の流出は続いている、と:余談) <b部> 100℃超の液から蒸発した直後であること(及び液自体が蒸気に対して熱源に なること)から、液に接した部分の水蒸気は100℃よりも高温になっています。 <c部> 一部の蒸気は器壁によって沸点以下に冷やされて液化する一方、この際に 発生する凝縮熱によって周りの蒸気は温められます。 →「放熱(冷却)による液化」と「凝縮熱による加熱(気化)」とが平衡に達することで、 気液平衡が成り立ち、蒸留対象(今回は水)の沸点で温度が保たれる。 ※下からの蒸気の供給量が少なければ充分な凝縮熱が発生しないため、また 逆に加熱が強すぎると放熱による液化が追いつかないため、気液平衡は 成り立たなくなります(=蒸留は失敗)。 (前者の場合はいつまでたっても留出が始まらず、後者の場合は目的物よりも 高沸点の成分が留出液に混入する可能性がある) つまり、「蒸留が正しく行われている(=上記の気液平衡が発生している)」状況では、 解答にあるように「海水の温度は徐々に上昇し、(枝部の)温度計の目盛りは100℃ のまま」ということになります。 ※温度計の球部をbやcの位置にしてはいけないのも、d部で枝から流出する液の ものではない温度(=d部よりも通常は高温)を示すため、です。
- htms42
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docsunday様の回答の続きを書かせていただきます。 >○海水の温度は徐々に上昇し、(枝部の)温度計の目盛りは100℃のままである。 加熱したら温度が上がるという部分の意味があいまいです。後半部分の記述がおかしいということと合わせて考えるとここの表現のあいまいさは指摘してもいいことだろうと考えます。 加熱したら温度が上がるのは当たり前です。 したがってここでの「温度が上がる」は沸点に達してから後のことです。 加熱していくと沸騰し始めます。純水の場合は沸騰が始まると温度が上昇しなくなります。食塩水の場合はこの沸騰の温度が徐々に上がっていくのです。水の蒸発によって食塩水の濃度が高くなっていくからです。 普通は上昇しない沸騰の温度が徐々に高くなっていくから改めて記述する必要があるのです。解答の文章ではこの内容が読み取れません。食塩水の濃度が高くなっていくと沸騰の温度も高くなるというのは沸点上昇という現象であるというのは質問者様も書いておられます。 不揮発性の溶質が溶け込んでいる水溶液の飽和水蒸気圧は純水の場合よりも小さくなるという説明が高校の教科書にも載っています。100℃の食塩水の飽和水蒸気圧は1気圧よりも小さいので100℃よりも温度を上げて1気圧にしないと沸騰は起こらないということになります。 100℃よりも高い温度で沸騰が起こっているのですから当然水蒸気の温度も100℃以上です。「枝の部分に取り付けた温度計の目盛りは100℃のままである」ということはありません。沸騰の温度に等しい温度の水蒸気が発生するはずです。いくらか冷えるでしょうが冷却の効果を考えて答える問題ではないはずです。冷却があるとしても100℃とは限りません。 >蒸気圧と大気圧(ここでは1atmでしょう)がつりあう点は沸点になりますよね? 気液平衡というのは「蒸発が見かけ上ストップした状態」のことですよね?ここでは当てはまらないように思えるのですが…。 どういう疑問であるかが分かりにくいです。 推測で書きます。 沸騰は平衡状態での現象ではありません。気液の平衡が成り立っていないからこそ起こる現象です。 状態図で液体、気体の境界線と圧力1気圧の線との交点が沸点であると書いてあります。状態図は平衡状態を前提としていますから沸騰は平衡状態で起こると思ってしまうかもしれませんね。でも状態図は飽和蒸気圧のデータを得るためだけに利用しています。沸騰が平衡状態で起こるという意味ではありません。 空気中での加熱を考えます。空気中に含まれている水蒸気の圧力が飽和水蒸気圧に等しければ蒸発は起こりません。加熱するとどんどん蒸気が発生するというのは飽和が実現していないからです。平衡状態は実現していません。蒸発は平衡状態を実現する方向での物質の移動なのです。密閉容器でない限りいくら加熱しての飽和状態は実現しません。沸騰はこの変化の中で液体内部からの蒸気供給が可能になる時に起こる現象です。泡が生じることのできる条件としての「泡の内部の気体の圧力>泡にかかる圧力」が実現すればいいのです。「泡の内部の圧力は周囲の水と平衡にある蒸気の圧力に等しい」、「泡にかかる圧力は液面にかかる気体の圧力+深さに相当する圧力である」と考えると 飽和水蒸気圧>大気圧+水蒸気圧+水圧 になります。標準沸点というのは状態図から得られた飽和蒸気圧の値から「飽和蒸気圧=大気圧(=1気圧)」になる温度を見積もったものです。 ふたをしたやかんでお湯を沸かせば発生した水蒸気が内部にたまる分だけ圧力が高くなっていますから沸騰の温度は100℃を超えます。
お礼
>加熱したら温度が上がるという部分の意味があいまいです。後半部分の記述がおかしいということと合わせて考えるとここの表現のあいまいさは指摘してもいいことだろうと考えます。 すいません、大問内の該当部のみを抜粋して質問してしまったことが曖昧さを生む原因となってしまったようです。 この設問は質問にもあるように選択式問題で、設問と正解以外の選択肢も原文のまま引用すると -------------------------------------------------------------- 問.この操作を行っていくと、どのようになるか。次の(1)~(5)~最も適当なものを選び、記号で答えよ。 (1)海水の温度は徐々に上昇する。温度計の示す温度は徐々に下がる。 (2)(正解)海水の温度は徐々に上昇する。温度計の目盛りは100℃をさしたままである。 (3)海水の温度は100度を保つ。温度計の目盛りは100℃をさしたままである。 (4)海水の温度は徐々に上昇する。温度計の目盛りは100℃をさしたままである。 (5)海水の温度は徐々に下がる。温度計の示す温度は徐々に下がる。 -------------------------------------------------------------- となっております。 >100℃よりも高い温度で沸騰が起こっているのですから当然水蒸気の温度も100℃以上です。「枝の部分に取り付けた温度計の目盛りは100℃のままである」ということはありません。沸騰の温度に等しい温度の水蒸気が発生するはずです。いくらか冷えるでしょうが冷却の効果を考えて答える問題ではないはずです。冷却があるとしても100℃とは限りません。 僕はそのような認識で、「どの温度でも発生する水蒸気は同じ温度だけ冷えるが、沸点上昇度が増す分冷えた後の温度も増すのでは」と思いましたが、選択肢に当てはまるものがなかったために混乱してしまいました。 >沸騰は平衡状態での現象ではありません。気液の平衡が成り立っていないからこそ起こる現象です。 状態図で液体、気体の境界線と圧力1気圧の線との交点が沸点であると書いてあります。状態図は平衡状態を前提としていますから沸騰は平衡状態で起こると思ってしまうかもしれませんね。でも状態図は飽和蒸気圧のデータを得るためだけに利用しています。沸騰が平衡状態で起こるという意味ではありません。 蒸気圧および沸点についての理解が正確にできていなかったようです。 ご指摘いただきありがとうございました。
解答の日本語が変です。 「徐々をさしたままである」 日本語じゃありません。 書き写し間違いなら、直して下さい。 正しく書き写したなら、出版社に文句を言って下さい。 海水など水溶液の沸点は溶質(溶けているもの)の濃度が上がると(濃くなると)上昇します≡沸点上昇。 しかし、水蒸気の一気圧における飽和水蒸気圧は一気圧のままですのでこのような事が起きます。 ちょっとへんてこに思えるかも知れませんが、水溶液の水蒸気圧は溶質の濃度が上がると低下するので、溶液と平衡にある水蒸気圧が一気圧になるときには水溶液の温度>100℃である。という意味です。
補足
ご回答ありがとうございます。 そうですね、ご指摘の通り入力にミスがありました。訂正すると、 ×海水の温度は徐々をさしたままである徐々に上昇し・・・ ○海水の温度は徐々に上昇し、(枝部の)温度計の目盛りは100℃のままである。 となりますね。 すいません、回答者様のご解説を何度も読ませていただきましたがまだ現象がよく理解できません。 蒸気圧と大気圧(ここでは1atmでしょう)がつりあう点は沸点になりますよね? 気液平衡というのは「蒸発が見かけ上ストップした状態」のことですよね?ここでは当てはまらないように思えるのですが…。 理解に不備があったら教えてください。
お礼
わざわざ図まで持ち出していただきありがとうございます。おかげさまで理解がスムーズにできました。 結局、御三方の回答から出した僕の結論は、 (1)海水の温度の上昇の原因 海水中の不揮発性成分の濃度の増加に伴う沸点上昇 (2)温度計の目盛りが100度に固定される理由 気化した直後には沸点と同じ温度だった水蒸気が、枝部の温度計にたどり着くまでに枝付フラスコの内壁によって冷やされ、水の1気圧の元での沸点100℃以上の気体だけが残るはずだが、ここでは温度計に達するまでに十分冷えるという暗黙の了解(選択肢の内容から)があるために、100℃に固定すると考えてよい。設問の問が「最も適切なもの」とあることかもこう結論してよい。 となりました。