• 締切済み

漁業者のストライキは独占禁止法違反にならないのか。

質問は掲題の通りですが、以下のように整理します。 1. 昨日の一斉休漁は、形式的には、独占禁止法3条違反(不当な取引制限)に当たりえますか。 2. 以上で当たりえないとしても、形式的には、その他の違反要件に合致することがありえますか。 3. 以上いずれかで当たるとした場合、法律上、公取委の告発を阻む理由はありますか。  お答えになるにあたって、現実的な範囲であれば仮定をおいていただいてかまいませんし、むしろそれが望ましいことが多いでしょう。漁業者や政府の行動などに対する評価については質問の対象外です。本件質問は私の本件に対する価値判断とは無関係です。

みんなの回答

  • ok2007
  • ベストアンサー率57% (1219/2120)
回答No.5

No.3&4の者です。 ごめんなさい、1点訂正をいたします。うしろから数えて3段落目です。 誤 他方、共同拒絶者の数は多く、魚介類市場における重要な地位を占めています。また、直接の被拒絶者の数も多く、やはり魚介類市場における重要な地位を占めています。これらは正当化事由を強める働きがありましょう。 正 他方、共同拒絶者の数は多く、魚介類市場における重要な地位を占めています。また、直接の被拒絶者の数も多く、やはり魚介類市場における重要な地位を占めています。これらは正当化事由を弱める働きがありましょう。 「強める」→「弱める」です。コピー&ペーストで一部書き換えをするつもりで、書き換えを忘れてしまいました。お詫びして訂正いたします。

  • ok2007
  • ベストアンサー率57% (1219/2120)
回答No.4

No.3の者です。 x_rr01さんのご質問の趣旨は、今回の一斉休漁が実際に公取委に持ち込まれたときにどのように判断されるのか、という実務的観点からのものだろうと私は捉えたのですが、そうではなく、学術的観点からどうなるのか、ということだったのですね。 そうであれば、「少なくとも一回限りでも違反要件を満たしうる」という立場を前提にしたときは、次のような考え方になろうかと思います。 まず、今回の一斉休漁はいわゆる共同ボイコットですから、競争の実質的制限が見られれば2条6項・3条後段ないし8条1項1号の問題を、それが見られなければ19条・一般指定1項ないし8条1項5号の問題を、それぞれ検討することになりましょう。なお、市場占有率によっては2条6項・3条後段ではなく2条5項・3条前段違反に該当することもありますが、この検討は割愛させてください。 この点、競争の実質的制限についての判例の定義(東宝・スバル事件)を考えると、今回の一斉休漁には「その他各般の条件」を左右する力があるといえますから、競争の実質的制限が見られるものと思います。したがって、2条6項・3条後段ないし8条1項1号の問題を検討することになりましょう。 ここで、漁業競合組合等が今回の共同ボイコットを企画・実行したときは、これらの者に対しては22条但書により8条1項1号の適用はなく同項5号を検討することになりましょう。1号の違反行為が見られるときは基本的に5号の違反行為ともなるからです。(なお、一般指定は行為者の目的に違法性を見出しているのではなく、公正競争を阻害するおそれすなわち抽象的危険に違法性を見出しており、不当な取引制限が見られる以上は不公正な取引方法も見られることになります。) ただ、今回のケースでは後述のように3条後段違反につき利益衡量をすべきところ、8条1項5号でも同様の利益衡量をすることになります。結論としては一緒なので、ここでは3条後段違反の可否に絞らせてください。 さて、共同ボイコットの場合、競争者ないし被拒絶者排除目的・効果があるか否かで正当化事由の判断基準・要素が異なってきます。すなわち、そのような目的も効果も無ければ、反競争効果と正当化事由との利益衡量をおこなう一方で、そのような目的があれば利益衡量はおこなわれません(なお、この場合でも「公共の利益」の有無が問題になるところ、通説・判例は他の要件が満たされれば常に公共の利益が無いものと考えますから、この点は結局のところ問題となりません:少数説の立場については省略させてください)。また、そのような効果があればその目的が推定されることになります。 今回のケースでは、競争者ないし被拒絶者排除目的が無いといえましょうから、利益衡量をおこなうべきでしょう。 そうすると、利益衡量の判断要素が問題となりますが、共同ボイコットの目的・共同拒絶者の数や市場における地位・共同ボイコットの客観的効果・被拒絶者の数や市場における地位などについて、いわゆる総合的判断をすることになりましょう。 この点、目的は、共同拒絶者の生活の安定など正当化要素が多いでしょう。また、客観的効果は、直接の被拒絶者すなわち魚市場関係者等の事業活動を阻害するものの、共同ボイコット行為が一回限りであり直接の被拒絶者その他の販売者が冷凍ものを使用するなどした結果、独禁法が重視する一般消費者への影響はほとんど無かったといえましょう(「少なくとも一回限りでも違反要件を満たしうる」という立場であれば、「一回限り」である点はこの利益衡量に読み込まれることになるでしょう)。そして、これらは正当化事由を強める働きがありましょう。 他方、共同拒絶者の数は多く、魚介類市場における重要な地位を占めています。また、直接の被拒絶者の数も多く、やはり魚介類市場における重要な地位を占めています。これらは正当化事由を強める働きがありましょう。 あとは、これらの総合的判断をいかに下すかによりますが、個人的には、独禁法の基本理念である一般消費者の保護に立ち返った上で、一般消費者への影響がほとんど無かった事実を重く評価し、正当化事由を認めて3条後段違反にはならないものと考えます。(したがって、8条1項5号違反にもならないでしょう。) 以上が、「少なくとも一回限りでも違反要件を満たしうる」という立場を前提にしたときの、おそらくこうなるだろうという判断過程と個人的判断結果です。x_rr01さんのご参考になれば幸いです。

noname#75810
質問者

お礼

 ありがとうございます。確かに、質問の趣旨が分かりにくかったかもしれません。私は、学術的観点からの検討だけをしたかったわけではなかったのですが、その検討をしたかったわけでもありますので、その点不明確だったと思います。  綿密且つ丁寧なお答え、ありがとうございます。内容については、概ね理解しました。また何か疑問があれば補足に書かせていただくかともいますが、大変参考になりました。

  • ok2007
  • ベストアンサー率57% (1219/2120)
回答No.3

1について 3条違反にはなりません。 3条違反となる行為は2条6項にて定められているところ、独占禁止法違反とされる行為ないしその効果は、ある程度持続的であることが必要だと考えられています。 この点、本件ストライキは1日ないし数日のものですから、形式的要件を満たしません。 2について 1と同様の理由により、他の違反行為にも該当しません。 なお、価格に影響しなくても、品質・数量等に影響する場合が考えられますから、価格に影響しなければ独占禁止法違反にならないということはありませんし、摘発されないということもありません。 牛乳の生産調整は公的規制であり、事業者団体ガイドライン第二 12に照らして独占禁止法違反にはならないものと思われます。 参考URL: http://www.jftc.go.jp/dk/jigyoshadantai.html (事業者団体ガイドライン)

noname#75810
質問者

お礼

 ありがとうございます。  確かに、一回限りの行為は、違反要件を満たさないという立場は、実務的には確立しているようです。学説的にも主流(通説?)のようです。しかし、それは公取委が実質的にそのような解釈で運用しているだけとも考えられ、少なくとも一回限りでも違反要件を満たしうるという立場は少数ながらあります。  よろしければ、その立場を前提として考えて見てください。もちろん、そんな立場は認めないというのであれば、結構です。

  • walkingdic
  • ベストアンサー率47% (4589/9644)
回答No.2

>1. 昨日の一斉休漁は、形式的には、独占禁止法3条違反(不当な取引制限)に当たりえますか。 そうですね。きわめて形式的に考えるならば該当すると思います。 もちろん事実上1日だけですから、デモンストレーションとして行っているに過ぎませんので、不公正取引を狙ったものではないし、価格吊り上げができる/できたわけでもありませんので、3条違反があったといえるほどのものではありませんが。 >3. 以上いずれかで当たるとした場合、法律上、公取委の告発を阻む理由はありますか。 すでに述べたように、不公正取引を目的としていませんので、それで告発をすることはないでしょう。 あともうひとつは漁業協同組合は独占禁止法の適用除外規定(独占禁止法第22条)に該当するので、価格を意図的に吊り上げたという行為がなければ適用されないでしょう。 まあ、今回の話をいうくらいであれば以前に農協が行った牛乳生産調整の方がよっぽど直接的だし問題ではないかと思いますけど。(目的が価格維持だった) あのときになぜ独占禁止法抵触の話が出なかったのか、いきさつはわかりません。 もしかしたら農協や漁業組合の場合にはまだ他に独占禁止法の除外となる規定がどこかの法律に記載されているのかもしれません。

noname#75810
質問者

お礼

ありがとうございます。 私もさほど詳しく知りませんが、確かに価格に対する影響がないのであれば、独占禁止法は罰しないと利いたような気がします。影響の評価が結構重要になるかもしれませんね。

  • mox0313
  • ベストアンサー率20% (30/149)
回答No.1

はじめまして 法律には疎いものですが、今回の件に関しては一般的なストライキと捉えて良いのではないでしょうか?

参考URL:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AD
noname#75810
質問者

お礼

ありがとうございます。私もストライキだと思います。詳細は割愛しますが、ストライキと独禁法違反は理論的に排他的な関係に立たないと考えています。だから、ストライキ該当性は本質問に直接的に結びつかないと思っています。