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刑法のしつもんです!教えてください。
刑法の質問です。教えてください! 甲は乙を殺したが、その時、迷信深い甲は、乙を、キツネが化けたものだと確信していた。甲には殺人の故意は認められない。 ○か×どちらですか?お願いします。 できればもうひとつ、、 判例は、覚せい剤を所持しているものが、「自己の所持している薬物は有害で違法な薬物であるが、覚せい剤ではない」と思っていた場合でも、覚せい剤所持の故意を認めることができるとしている。 この問題が○か×か教えてください。 またこういう法律や刑法の判例がたくさんのったようなホームページ等知っている方、いれば教えてください。お願いします。
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1.「甲が乙を~」について 要するに、この問題の趣旨は事実の錯誤があったということを言いたいのでしょう。つまり、被害者を「人」ではない何か別物だと認識していた。殺人罪(199条)が成立するには、客観的構成要件として結果(人の死)と実行行為(人を殺す行為)、その間の因果関係が必要となりますが、主観的構成要件として故意が必要となります。そこで故意の内容が問題となりますが、学説により異なりますが、結論としては「事実の認識」は最低限必要ということになります。そして、ここにいう「事実」とは何かということになりますが、構成要件事実、すなわち「実行行為」と「結果」と「因果関係」(因果関係の認識の必要の有無についても争いあり)ということで、最低限「実行行為」と「結果」についての認識は必要ということになります。そこで、殺人罪の実行行為は「人」を殺す行為ですから、「人」を殺す認識が無ければ構成要件的故意があったとは言えません。本問の場合の問題はここで、どうも問題文からすると、甲は乙を、「キツネが化けたもの」と認識していたようなので、甲としては「乙という人」ではなく「乙に化けたキツネ」を殺す認識であったように読み取れます。さすれば、「人」殺す認識でない以上、殺人の故意は認められない。つまり、動物(物)を殺す(損壊する)意思で人を殺したということになり、器物損壊罪の故意で殺人罪を実現したことになります。つまり抽象的事実の錯誤の問題で、結論として、器物損壊の故意には殺人の故意は含まれないので、殺人の故意は認められない。よって○ 2.「自己の所持している~ 」について これは有名な判例で、故意の成立に違法性の意識が必要かという論点に関するものですが、争点として複雑な部分です。結論からいうと、いかなる学説でも最低限として社会的意味の認識は必要ということになり、違法な薬物を所持している認識があれば、社会的に取り締まられる禁制品を所持している認識およびそれが有害薬物である認識を有しているわけですから、社会的意味は認識していたといえ、故意が認められる可能性があります。本問は最決平成2.2.29判時1341・157を題材にしているようなので、結論としても ○ です。
お礼
詳しくありがとうございました。参考になりました。