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思春期の異界体験について。
河合隼雄さんのある文章を読んでいたのですが、気になったところがあったので 質問します。 「この話を一番単純に考えたら、15歳の少年のイニシエーションの物語、つまり異界へ入っていって、異界から帰ってくる物語ですね。それは大人になるときに非常に大事な経験で、思春期というのは異界の体験をする大事な時期ではあるんですが、最初に言いましたように、これは15歳の少年を主人公にしたという見方をするよりも、少年の目を通して、異界の体験と、そこから帰ってくる体験を書いたことに意味があると思います。これは、日本人全体のあるいは現代人のイニシエーションといってもいいと思っています。」(引用) 思春期の異界体験とはなんでしょう? 僕は東京にきて歌舞伎町を体験して驚き、海外旅行をして、 それぞれの文化の違いに驚きました。 このようなこと??? 「新潮12月号」の河合隼雄さんの 「境界体験を物語るー村上春樹『海辺のカフカ』をよむ 」 のp.242からの引用です。
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- komomomo
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他の回答者の方に同意します! 思春期に異界体験をすることは、子供から大人への通過儀礼として大切なもの、と考えられています。 つまり自我の試練みたいなものですね☆
わたしは学生時代からずっと児童文学を勉強しています。河合隼雄さんの著書には児童文学を取り上げたものがたくさんあり(『子どもの本を読む』『子どもの宇宙』など)、そこを入口に、河合隼雄さんの著書、ユング心理学など読書の幅を広げてきました。仕事の関係で、河合隼雄さんの講演(専門家対象ではなく、一般向けの講演です)もよく聞いてきました。とは言いましても、知識が豊富なわけでも、理解が深いわけでもありませんので、このような欄に投稿するような資格はないかもしれませんが、No.1の方の回答の内容や紹介されていたサイトは、わたしにも勉強になりましたので、少し書かせていただきます。 「異界体験」というのは、たとえば、旅行などで見聞を広めるとか知らなかった世界をのぞいて見る、という段階をもう少し踏み込んで「もう一つの世界」に入り込むことではないでしょうか?「日常」や「今まで慣れ親しんできた空間を離れる」ということ。たとえば「異文化の中で生活する」「病気などで入院する」「親元を離れる」と言ったことも含まれるでしょう。 河合隼雄さんの著書の中に、外国のファンタジー文学について論じられたものがたくさんあります。ファンタジー文学は、まさに、現実とは離れた世界、不思議な力が働くらく非日常的な体験をする物語です。その中で、主人公は孤独を知ったり秘密を持ったり、あるいは自分の限界を知ったり多層的な世界に気付いたりして、そのあと、もとの世界(日常)に帰ってきます。それらは、日常の中や日常と地続きのところで得られるものではなく、いったんそこから引き離され、今までの自分の力や自分を保護してくれた存在が通用しなくなるところでの体験です。 No.1の方が真ん中あたりに書かれていることは、読者は、本を読むことによって、作品の登場人物の追体験や先行体験ができる、ということですよね。 村上春樹『海辺のカフカ』を是非読みたいと思いました。
- sydneyh
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「異界」とは、最近盛んな臨床心理学での専門用語です。 それは、河合隼雄さんの著作を読んだり、現在村上春樹さんが期間限定で開いている「海辺のカフカ」のサイトを見れば分かると思います。 これは、「海辺のカフカ」やその他の村上春樹の著作について、読者が村上春樹本人とやりとりした、メール・リストです。 それには、村上春樹と読者との内容で、わずかですが「異界」についてのコメントがあります。 それには、小説に限らず、何かを読んだり見たりすると、その中の登場人物や設定を、自分もやってしまいたくなる。 でもそれは実際にやることは出来ないことが多いしありえないことも多い。 その分、その小説だったりTV番組を見たりすれば、実際にしなくても自分は「体験」することが出来る。 意味をまとめると、そんな内容です。 その雑誌で河合隼雄さんが述べておられるのは、思春期に体験する、自分では行えない、行くことができない、見れない行為や場所に、「あること」を通して感じることが出来る心理状態を指しているんだと、私は思います。 詳細はサイトをご覧になってみて下さい。 ちなみに、村上春樹が返信してくれるのは11月20日までですし、サイトじたいも期間限定につき、来年の1月20日には閉鎖されてしまいます。 <期間限定サイト 村上春樹「海辺のカフカ」~メイルボックス No.14~>
お礼
実はまだ「海辺のカフカ」読んでいないんです。 やることが多すぎて…。 早めに読んで、サイトにもいってみたいと思います。 ありがとうございました。