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アセタールの単離について
大学生です。 有機化学の教科書に、 「アルデヒドに大量の無水アルコールと少量の無水の酸を加えてアセタールを生成させる段階はすべて可逆反応である。 平衡になった後、酸を中和し、過剰のアルコールを除くとアセタールを単離することができる。」 という記述がありました。 そこで疑問に思ったのですが、この反応は平衡なのだから、反応物(アルコールや酸)を除くと、 それをつくる方向に反応が進むのでアセタールはどんどん逆にアルデヒドとアルコールと酸に戻ってしまうのではないのでしょうか? なんだかよく分かりません。 教えてください。
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こうした場合には反応の速度を考える必要があります。 そもそも酸を加えるのは、触媒としての役割を期待したものであり、酸を加えなければ反応は極めて遅い、あるいは全く進まないことになります。これは、正反応(アセタールを生じる反応)だけではなく、逆反応(アセタールの加水分解)についてもいえることです。 平衡になった後に酸を中和すると言うのは、それ以降は反応が進まないようにするためであり、事実上、それ以降はアセタール化や加水分解は進みません。 したがって、過剰のアルコールを除く際に化学平衡の移動は起こらず、アセタールが単離できることになります。 仮に、酸が残っていればアルコールを除く際に逆反応(加水分解)が起こる可能性はあります。 ちなみに、実験テクニックとしては平衡の面で有利なオルトギ酸エステル(CH(OR)3)を加えたりします。
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#2のお答えにある「脱水」ですが、酸化カルシウムCaO(生石灰)を加えれば、容易に除けます。酸も一緒に除けます。
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ありがとうございました^^
R-CHO + R1OH + H^+ ⇔ R-CH(OR1)2 + R1OH +H2O +H^+ 上記反応で、左右どちらの方向に進行するにも酸触媒の働きが必要です。 また、右に平衡をずらすためには、多量のR1OHを使用するか、あるいは生じてくるH2Oを除けばよい。しかし、H2Oを反応系から除くことは難しい。
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決め手は酸触媒だったんですね!! わかりました。 ありがとうございました。
- MP-T
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反応機構はウォーレン有機化学などに詳しく載っていると思いますので簡単な説明しかしませんが、カルボニルに対してプロトンが付加しC=O^+H(Oから手が三本でてカチオンとなる)になることでアルコールの求核付加を受けられるようになります。 なので酸を中和した時点でこの反応は(基本的に)起こらなくなります。
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解決しました。 ありがとうございました^^
お礼
とても分かりやすくてなるほど~と思いました。 解決です。 ありがとうございました!!