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3中心2電子反応
大学の無機化学で困ってることがあります。 3中心2電子反応の定義づけなのですが、これはジボランB2H6にだけ起こる特殊な結合なのでしょうか? またB原子はsp3混成軌道として振舞うのですが、H原子の1s軌道の電子だけで結合するわけではありません。 なのにどうして、2電子結合なのでしょうか? 悩んでます… よろしくお願いします。
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2族とか 13族の典型元素だと, どうしてもオクテットを作るだけの電子が足りないために 3中心2電子結合を作ることがあります. 例えばお示しのボラン類はどこまでいっても電子不足のため基本的に 3中心2電子結合が必要ですし, 同じ 13族のアルミニウムや 2族のマグネシウムなども 3中心2電子結合によるポリマーを作ることがあります. 例えば Mg(CH3)2 のポリマーでは Mg < 2CH3 > Mg < 2CH3 > Mg < ... という形で, 2個の Mg の間をメチル基で架橋する 3電子2中心結合を作ります. グリニャール試薬の平衡にも, Mg < R2 > Mg < X2 という形の 3電子2中心結合を持つものがあります (Mg-R-Mg が 3電子2中心結合). さらにいうとメチルリチウム (CH3Li) の 4量体では Li が頂点を占める正四面体の各面上にメチルが乗っています. これだと 3Li + CH3 が 2個の電子で結びついているわけで, 4中心2電子結合... になるのかな? B2H6 では各 B が sp3 の混成をしていて, 電子が入っている 3個の軌道のうち 2個を H との結合で使います. 残った 2個の混成軌道のうち, 「電子が入っている軌道」と架橋する H の 1s 軌道, さらにもう一方の B に残った混成軌道のうち「電子が入っていない軌道」の 3つが相互作用をして新しい分子軌道を作ります. だから, B-H-B 結合に使う電子は H から 1個, B から 1個供給されるので合計 2個です.
お礼
とても分かりやすく納得しました! ありがとうございます^^