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カチオン性ポリマーのアミン基について
カチオン性ポリマーについているアミン基についてですが、アミン基には通常1級-NH2・2級-NRH・3級-NRR'の形があると思うのですが、これらはポリマー分子中でどの様な性質の違いを持つのでしょうか?例えば分岐鎖のポリエチレンイミンなどはこれらアミンが混在していると思うのですが、アミンの違いはあるのでしょうか? 色々調べているのですが、まだ分かっていません。 誰か教えて頂けないでしょうか? 宜しくお願いします。
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アミンの化学的性質は窒素の不対電子対によって支配されていて,求核性すなわち塩基性をもっていることはおわかりですよね.つまり,アミンの性質はその塩基性の強弱の影響を大きく受けます.脂肪族アミンの場合,1級,2級,3級のアミンの間に,塩基性度の明確な違いはありません.具体的には,メチルアミンの塩基性度は3.36,ジメチルアミン3.27,トリメチルアミン4.21です.メチル基は電子供与性なので,3級アミンの塩基性度が高くなってよいと思うのですが,それほど明確な傾向はないようです.ただし,アミドが塩基性を示さないように,隣接する炭素に酸素やイオウなどの元素が結合している場合や,芳香族アミンの場合には,ケースバイケースになると思います.ポリエチレンイミンでしたら,ほぼ上記のルールに従うと思います.(ただし,ポリマーの場合は難燃化剤などの添加剤が入っている場合が多いので,注意が必要ですね.) ポリマーの場合,むしろ重要なのは立体障害ではないでしょうか.1級アミンのように水素が2箇所に結合していると,構造がかなり「スカスカ」になりますので,他の化合物の攻撃を受けやすくなったりします. あと,低分子の場合ですが,1級,2級,3級アミンを識別する方法にHinsberg試験というものがあります.アミンを塩化ベンゼンスルホニルと水酸化ナトリウムで処理した場合, 1)1級なら透明な液体が生じ,酸性にすると不溶な化合物が生成 2)2級は最初から不溶な化合物が生成 3)3級は不溶な化合物が生じ,酸性にすると溶解 のようになります. とりあえず,そんなところでしょうか. 塩基性度のデータはマクマリー著の「有機化学(下)」東京化学同人(1987)を見ました.ご参考になれば幸いです.
お礼
返事か遅れて申し訳ありません。 非常に参考になりました。 どうもありがとうございました。