- ベストアンサー
古文の文法について
一生を苦しむること愚かなれ(一生を苦しんで暮らすのは馬鹿げている)という文章の中で使われている【むる】の部分の文法が分かりません。どなたか教えて下さい。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
こんばんは。 口語(現代語)で言うところの「苦しむ」と「苦しめる」の終止形は、 文語では、どちらも「苦しむ」になります。 ややこしいですよね。 現代語の「苦しむ」に相当する「苦しむ」の活用は、 苦しま・ず 苦しみ・たり 苦しむ 苦しむ・とき 苦しめ・ば 苦しめ という四段活用、 現代語の「苦しめる」に相当する「苦しむ」の活用は、 苦しめ・ず 苦しめ・たり 苦しむ 苦しむる・とき 苦しむれ・ば 苦しめよ という下二段活用なんです。 「一生を苦しむること」における「苦しむる」は、後者、つまり、「苦しめる」の意味のほうの「苦しむ」連体形です。 つまり、 「一生を苦しむること」 は、 「一生というものを苦しいものにするという行為」 ということです。 「一生苦しむという行為」 ではないんですね。
その他の回答 (2)
- Parismadam
- ベストアンサー率65% (2756/4211)
こんにちは。 だいたいの回答は出ていますが、少し補足します。 1.この文は、「愚かなれ」の語尾からも、文語調であることがわかります。 2.従って、「苦しむる」も文語体で書かれていると推察することができます。 3.文語体の「苦しむる」は、現代語の「~を苦しめる」という目的語をとる他動詞に相当します。 4.ここでは「こと」という体言にかかっていますから、「苦しむること」の「苦しむる」は連体形となります。 5.「苦しむ」の現代語は自動詞になりますが、文語では目的語をとる他動詞「~を苦しめる」という意味になるということがポイントです。 6.この例文では、「一生を」が「苦しむ(苦しめる)」の目的語になっているのです。 7.以上から解釈は 「一生を、苦しめることは、愚かである」 という他動的な意味、すなわち人の意志を表しています。 この詩はそうした、「意志的に人生を苦しめること」、「自ら苦しい人生を送ろうとする意志」を非難した詩になっているのです。 以上ご参考までに。
- suunan
- ベストアンサー率14% (224/1569)
動詞「苦しむ」の連体形が「苦しむる」なのです。