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アクリル酸エステルの1H-NMRの帰属について
http://okwave.jp/qa3810171.html NMRを勉強中で、上記質問に横レスで質問させていただきましたが、宜しくお願いいたします。 HcHbC=CHa-COOCH2CH3で Ha, Hb, Hcのケミカルシフトの違いが何故なのか説明していただけませんか。 特にHb,Hcにおいて、 エステル基とシスにあるプロトンがトランスのプロトンより低磁場に成るのかということと、Haのケミカルシフトがトランスのプロトンより低磁場にでるのかを教えてください。 宜しくお願いいたします。
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要は-COOC2H5の影響の出方が違うということで説明されますが、その詳細な理由に関しては私には説明出来ません。構造有機化学を詳しく学ぶ必要があると思います。 ただ、そういった影響の出方については、NMRの本などに書かれています。 それらに基づいて、簡易的な化学シフト予想をするならば以下のようになります。 Haに関しては、基準となるエチレンの化学シフト(5.25)が、geminalの、すなわち同一の炭素上にある、-COORという置換基の影響で0.80だけ増加する(すなわち0.80低磁場シフトする)と考えて予測します。結果は6.05となります。 Hbに関しては、5.25に-COORのシスであることによる1.18を加えた6.43というのが予想値になります。 Hcでは、5.25に-COORのトランスであることによる0.55を加えた5.80というのが予想値になります。 ここで出て来る数値は、類似した構造をもつ多数の化合物の実際のデータに基づいて、もっともらしい(あるいは平均的な)値を算出しただけのものです。 ここで、Rが何であるかということは問題にしません。しかし、Rが異なれば化学シフトも違うはずです。ということは、そもそも精確さには限界があるということです。こういったことは既知のデータからの簡便な予測法として有用ではありますが、誤差がつきものですので過信はできません。 なお、上記のことはNMRによる構造決定法の本には書かれていると思います。 また、もしもChemDrawというソフトが使えるのであれば、それで化学シフトの予測ができます。そして、その予想のプロトコルとして上述のようなことが書かれています。なお、ChemDrawのバージョンやグレードによっては上記のことができないものもあるかもしれません。
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済みません。 http://okwave.jp/qa3810171.html の件で、スペクトル読み間違えていました。 http://riodb.ibase.aist.go.jp/riohomej.html のethyl acrylate のスペクトルの帰属は正しかったのですが、私が読み間違えていました。 w-palace様、hiyoshiko様有り難う御座います。ご指摘があったので一晩中考えて再度サイトを見直したところ、帰属を間違えて書き写していました。(赤恥) ---------間違い------- 6.130 CH(b) 一見quartet エステル基のシスの二重結合水素 6.369 CH(a) 一見doublet エステル基と同じ側の二重結合水素 ---------以下訂正------ 6.130 CH(a) 一見doublet エステル基と「同じ側」の二重結合水素 6.369 CH(b) 一見quartet エステル基の「シス」の二重結合水素 ---------ここまで------ http://www.chem-station.com/yukitopics/nmr-analysis.htm にある方法でw-palace様と同様に計算したところ、 5.811 CH(c) 5.28+0.56=5.84 6.130 CH(a) 5.28+0.84=6.12 6.369 CH(B) 5.28+1.15=6.43 となります。これでJ値も説明がすんなり付きます。 有り難う御座いました。 m(_ _)m
お礼
御教示頂き有り難うございました。 とても勉強になりました。
お礼
早速教えていただき有り難うございます。 何か電子吸引基の関与が理論的に説明されているのか疑問に思っておりました。実験事実から経験的に推測するのだということを理解いたしました。
補足
研究室のChemDrawを使って見ましたところ、ご指摘の表が出てきました。 何故このようなことが起きてくるのか理論的に説明が出来るといいのですが。