「ランチタイム平価」は聞いた事がないですが、ビッグマック指数の亜種ではないかと想像します。
wikipediaには、
「一物一価が成り立つとき、国内でも海外でも、同じ商品の価格は同じ価格で取引されるので、2国間の為替相場は2国間の同じ商品を同じ価格にするように動き、均衡する。この均衡した為替相場を指して、購買力平価ということもある。」
とありますが、実際には、市場の(均衡)為替レートが購買力平価となることはないと考えられている点も言及されています。
すべての財・サービスが貿易されることはないので、市場の均衡為替レートが購買力平価となることは、現実にはありません。
理論上でも、「すべての財・サービスが貿易される」と非現実的な仮定をしないと、市場の(均衡)為替レートが購買力平価となると想定できません。
また、ビッグマック指数に至っては、
「物価感覚の比較の簡便で実用的方法ではあるが、たった1品目では厳密な比較ができない事はいうまでもない。」
と書かれていることからも明らかなように、「利用の代表例」と言えるか疑問です。
普通の感覚で言えば、購買力平価説の利用の代表例は、世界銀行やOECDの作成している購買力平価です。
wikipediaには書かれていませんが、購買力平価は、諸外国の所得水準を比較する際に用いるのに適当な為替レートです。
所得水準の比較には、所得から得られる効用が直接、比較できれば一番良いのですが、各国の効用(関数)を知る手段はありません。
そのため、財・サービスの購買量が同じなら、そこから得られる効用が各国で同じと仮定して、消費バスケット(散髪等サービス、電気、ガス、水道、家賃などの非貿易品を含む)を考えて、そのバスケットを購買することができる単位に換算して、所得水準を比較すればよいことになります。
実物の世界で考えれば貿易財のみで決まる市場の(均衡)為替レートに比べ、適当と考えれる由縁です。
また、途上国では、マクドナルドの商品は他の現地の外食の価格より高く割高なので、所得水準を比較する購買力平価として、ビッグマック指数は適当ではありません。
ビッグマック指数は感覚的に分かりやすく、議論を極端に単純化できるため、報道関係や官庁エコノミストの方が安易に(稀に理論を誤解して)用いていたりするだけのことで、学問的に意義のある指標ではありません。
ビッグマック指数と市場の為替レートの比較は、学問的には無意味です。ビッグマック指数は、販売価格を比較したものなので、卸売価格に上乗せする部分に、非貿易品の要素が入ります。この事から一物一価の法則に当てはまらないのは明白です。
現実の経済で、一物一価の法則が当てはまるとすれば、貿易品の卸売物価の方で、その場合でも、取引費用などを無視できると仮定しないといけません。また、裁定取引を行うのに必要な完全情報なども仮定されねばならない。この辺を正確に理解していない官庁エコノミストなども散見します。
私の知る限りでは、ビッグマック指数の利用者は、自分に都合の良い内容を引き出すために利用しているにすぎません。
お礼
ご回答ありがとうございます。 「ランチタイム平価」は経済学部生との雑談の時に出てきました。 この単語ではインターネットでも全然ヒットしないので困っておりました。 購買力平価説で調べます。