窃盗罪における不法領得の意思、故意の有無の証明はどうするの？

質問

万引き（窃盗罪）の構成要件には不法領得の意思、窃盗における『故意』があります。
しかしながら、当事者が本当に盗む気がなかったり、「盗む気がないから店員に呼び止められる前に自主的にお金を支払った」などと主張されても、第三者には当事者の心中は分からず、不法領得の意思、窃盗の故意は分かりません。
それではどうやってそれを証明するのでしょうか？？
私物のカバンに商品を入れる行為は客観的に見て、不法領得の意思があり、故意がある証拠として認められ、窃盗罪に問えますか？？

回答No.3

pott64

論点を整理すると

質問前段は、故意認定の問題・・・故意とは、どうやって証明するの

質問後段は、万引きの既遂時期の問題・・・私物のカバンに商品を入れる行為窃盗罪に問えますか

と言うことになりますね。ここでは後者について書きますね。
ます、万引き（窃盗罪）には未遂処罰の規定があります。未遂とは、犯罪の実行行為に着手したが、結果が発生していないものですね。万引きについて、店外に商品を持ち出せばその時点で既遂となると言うことには争いがないのですが、その前の時点で、未遂、そして既遂となる時期については争いがあります。状況によって違いますからね。

例えば、宝石店で店内で宝石を自己のポケットに入れる行為は、宝石のような小さいものをポケットに入れた時点で、不当に他人の占有を排除して自分のものにしようとした、と考えられます。すなわち既遂と考えます。

しかし、例えば、時計売り場で腕に時計をつける行為、試着室で試着する行為は、実行の着手すらない状態ですよね。これが状況が変われば既遂、未遂となるわかです。

スーパーで私物のマイバックでお買い物して、エコポイントをもらうというケースも増えてると思いますが、これは、店内で私物のバックにお店の商品を入れてますよね？

こう考えると、その状況によって、既遂時期の判定が異なるわけです。
実務上は、警備員、保安員さんは、こうしたことから、争いのない、店外に出た時点で捕まえるわけです。

結論は、店内で私物のバックに商品を入れる行為はをもって既遂時期と必ずしも認められるものではなく、場合によっては実行の着手すらないと考えられるケースも存在するため、個別具体的な状況によって異なる、と言うことでしょうね。

補足

商品をカバンに入れる行為は本人がどう思い、主張しようとも、客観的に見て窃盗の故意があると判断されるのですよね？？

回答No.2

noname#120967

故意はできるだけ客観的事実から判断します。
内心そのものを証明することはできないので。

たとえ店内であっても、カバンに入れるという行為は
「占有を自己に移す」ことに該当していますし、
犯人にそのような行為をしているという認識もあるはずなので、
故意があったと認定されやすいでしょうね。
「あんた実際にカバンに入れただろ、自分のしたことわかってただろ」ということです。
裁判になって、「カバンに入れた」という客観的事実が立証されれば、
他に特別な事情がない限り窃盗の故意が認定されることになると思います。

万引きＧメンが犯人を店を出てから捕まえるのは、
実際上その方が確実だからじゃないでしょうか。
店内で捕まえても、犯人がカバンから物を出してしまえば
言い逃れされるかもしれませんが、店の外ならカバンから出しても、
店の占有を排除したことには変わらないので。

お礼

なるほど。やはりカバンに入れる行為は本人がどう思い、主張しようとも、客観的に見て窃盗の故意があるとされるのですね。
ありがとうございました。

回答No.1

lirakko3g

10年ほど前ですが、そういったことを勉強していた者です。

スーパーなどお店での窃盗なら、商品を持ったまま支払いせず店を出た時点で窃盗罪の既遂となります。
（よく夕方のニュース番組で登場する万引きＧメンは、必ず窃盗犯が店を出てから捕まえます。でないと「お金を払うつもりだった」と言い逃れられてしまうから）

問題となるのは店ではなく電車内やバス内でのいわゆるスリ行為です。
いつどの時点で窃盗罪の”既遂”といえるか、学説でもいろんな解釈があり分かれています。
相手のポケットに手をいれた時点ならまだ未遂なのか、財布を握った時点で既遂なのか、自分の懐に盗んだ財布を入れたら既遂なのか。
いろいろな学説を調べて見比べてみるとおもしろいですよ。

補足

私物のカバンに商品を入れる行為は客観的に見て、不法領得の意思があり、故意がある証拠として認められ、窃盗罪に問えますか？？