>ニュースでも「ブンピ」と読まれることが多いように感ぜられます。
『NHK ことばのハンドブック』(1992年初版、2002年第二版)では、「ブンピ」の読みを優先しています。
分泌 読み (1)ブンピ (2)ブンピツ
『NHK 新用字用語辞典』(2001年第二版、2004年第三版)も、「ぶんぴ」で見出しを立てています。
ぶんぴ 分泌 (「ブンピツ」とも)
ただし、「分泌物」は「ぶんぴつぶつ」としています。
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>「ぶんぴつ派」の私は昭和47・8・9年頃かな? 当用漢字にあるかどうかは わかりませんが、
『当用漢字音訓表』(昭和48年内閣告示第1号)
漢字 音訓 例 備考
ヒ 泌 →「ヒツ」
ヒツ 泌 ヒツ 分泌 「分泌」は,「ブンピ」とも。
『常用漢字表』(昭和56年内閣告示第1号)
漢字 音訓 例 備考
泌 ヒツ 分泌 「分泌」は,「ブンピ」とも。
ヒ 泌尿器
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手もとの辞書では…
『新明解国語辞典』(1972年初版~2005年第六版まですべて同じ)
見出し語は「ぶんぴつ【分泌】」のみ。語釈の末尾に「ぶんぴ」とあり。
『明鏡国語辞典』(2003年初版)も同様です。
見出し語は「ぶんぴつ【分泌】」のみ。語釈の末尾に「ぶんぴ」とあり。
『岩波国語辞典』(2000年第六版)
・「ぶんぴつ【分泌】」の見出し語。語釈の末尾に『「ぶんぴ」とも言う』とあり。
・「ぶんぴ【分泌】」の空見出しあり。『→ぶんぴつ(分泌)』
『広辞苑』(1998年第五版)
・「ぶんぴつ【分泌】」の見出し語。語釈の末尾に「ぶんぴ」とあり。
・「ぶんぴつえき【分泌液】」「ぶんぴつぶつ【分泌仏】」の見出し語もあり。
『広辞苑』(2008年第六版)
・「ぶんぴつ【分泌】」の見出し語。語釈の末尾に「ぶんぴ」とあり。
・「ぶんぴ【分泌】」の空見出しあり。『→ぶんぴつ』
・「ぶんぴつえき【分泌液】」「ぶんぴつぶつ【分泌仏】」の見出し語もあり。
『大辞林』(1995年第二版)
・「ぶんぴつ【分泌】」の見出し語。語釈の末尾に「ぶんぴ」とあり。
・「ぶんぴ【分泌】」の見出し語あり。語釈に『「ぶんぴつ(分泌)」の慣用読み。』とあり。
・「ぶんぴつえき【分泌液】」「ぶんぴつせん【分泌腺】」「ぶんぴつぶつ【分泌物】」の見出し語もあり。
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本来の読みは「ぶんぴつ」でしょう。
「ぶんぴ」も古くからあるようですが、どちらかといえば医学分野の慣用読み・専門読みではないでしょうか。
少なくとも「日本内分泌学会」は「ないぶんぴ」です。
一般用語と専門用語の読みが違うケースはよくあります。
「口腔」 こうこう(一般)、こうくう(医)
「鼻腔」 びこう(一般)、びくう(医)
「発疹」 はっしん(一般)、ほっしん(医)
「頭蓋骨」 ずがいこつ(一般)、とうがいこつ(医)
お礼
非常に詳しい解説、ありがとうございます。 いくつかの辞書によれば「ぶんぴつ」が一般的そうですね。 でも、天下のNHKが「ぶんぴ」を優先させているのは・・・? そういえば、本来の読みと慣用読みとがあって、いつしか本来の読み方がされなくなってるケースありますもんね。 「百姓」 ひゃくせい(本来)→ ひゃくしょう(フツー) 「洗滌」 せんでき(本来)→ せんじょう(フツー) さらに…→ 本来、仏教用語の「洗浄」の文字にとって変わられた 同じ漢字でも、使われる「場合」によって読み方違うこともありますし・・・ 「礼拝」 れいはい(キリスト教)、らいはい(仏教) こうしてみると、自分と違う読み方をしてるコトに「オカシイゾ!」と目くじらたてるコトがオカシイのかな? ・・・なんか、自己帰結してまった感が・・・