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光発芽種子の温度依存性
よろしくお願いします。 レタス種子の光発芽は温度依存であることが知られており, 光発芽性を示すのは 25℃近辺の場合のみ。高温(30℃以上) では二次休眠し、低温(20℃以下)では暗黒下においても発 芽することが知られているようですが, 低温における光依存性消失の意義がわかりません。 よろしくお願いします。
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ANo.3です。 Ligandableさんのシナリオ「生育に適した温度帯では・・・生存に有利」もPossibleだと思います。植物は固着性ゆえに「その場所」で生き延びるための戦略として、あらゆる条件を情報として受容しているのだと思います。温度(とその遷移)、湿度、酸素分圧、二酸化炭素分圧など・・・、光条件もきっとその中の一つなのでしょう。 休眠誘導におけるGA3の役割だけに注目しても、まだまだわからないことが多いようです。重要なのは濃度なのか、濃度の遷移なのか、タイミングか、局在か、濃度勾配か・・・。 そこで一つ訂正させて下さい。ANo.2の記述で【種子の休眠は、「親植物」から、後代を担う配偶体に対して与えられた機能】の「配偶体」を「胚」に訂正いたします。GA3感受性は、雌性配偶体でなく、胚発生の一定のステージでピークに達するようです。 suiran2さん、フォローありがとうございます。嬉しいです。光発芽も表現形質の一つと考えられます。種苗会社から供給される種子の多くはF1種子ですので、光発芽を含めて形質にばらつきが少ないのに対して、それ以外では、光発芽の再現性が低いことも、原因の一つかも知れませんね。
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- suiran2
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tomi-chanさんの回答で長年の疑問が氷解しました。有り難うございます。 光発芽に関しましては,葉レタスの一部の品種で光発芽が見られるようですが,大部分のレタスの発芽は温度依存だそうです。なぜ葉レタスが光発芽の性質を示すのか。葉レタスがその性質を獲得したのか,または他のレタスがその性質を失ったのか,どちらかは解りませんが,光発芽と温度依存が別な機構と考えるとすっきりとします。 「種子の休眠は、「親植物」から、後代を担う配偶体に対して与えられた機能であると考えております。」 実験に使用される葉レタスでも,種苗会社から買い求めた種子は確かに光発芽等で均一な性質を示しますが,様々な条件下で栽培された葉レタスの種子は,その性質が栽培条件で大きく異なり「教科書的」にはならないと聞いたことがあります。これも2つの調節機構が存在し,温度依存の方が基本的な仕組みであり,なおかつtomi-chanさんの「親が与えた機能」と考えると良く理解できます。 ご質問者さんへの回答ではないですが,tomi-chanさんへのお礼です。
お礼
追記入ありがとうございます。 またお教えいただければ幸いです。 「親が与えた機能」正しいと思います。 加えて,イネで云うところの糊粉層は親の細胞です。 ただ,レタスとなるとそこは種皮・・・しかし,種皮 を除いた種子が発芽しなくなる例はあまり聞かない・・・ まだまだ考えるべき事が多そうです。
- tomi-chan
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ANo.2です。 私は、種子の休眠は、「親植物」から、後代を担う配偶体に対して与えられた機能であると考えております。種子の休眠は、GA3によって一義的に誘導されるのかどうかも疑問です。GA3そのものについても、種子において生合成されるものではなく、「親」において生合成された上で、胚に与えられるものだと考えています。そして、光発芽のメカニズムと、休眠打破のメカニズムとは独立であると考えています。 前置きが長くなりました。私は光発芽のメカニズムは、R光による発芽促進でなく、FR光による「発芽抑制」にこそ意味があると思っています。発芽率の低下は戦略においては不利ですが、FRリッチな光によって、周囲に植物(生存競争の相手)がたくさんあることを感じ取っている、と解釈できます。 そこで、激しい生存競争に加わるよりも、穏やかな条件になるまで発芽を見合わせよう、という戦略のように感じます。FR光受容 - 情報発現 - 発芽抑制「反応」のメカニズムが解明されていない上では、説得力をもってお話することはできませんが、低温条件が、光発芽におけるFR光受容 - 情報発現 - 発芽抑制反応の何れかのプロセスにインタラプトするのではなく、発芽至適温度条件下では、周囲に植物がたくさんあったとしても(FRリッチ)発芽が抑制されることはないのだと思います。発芽を見合わせているうちに活性を失ってしまっては、もともこもありません。 ここで申し上げたい事は3つ、すなわち、光発芽は、種子の「休眠」とは独立のメカニズムによっている可能性があるということ(つまり、Rリッチな光条件による「休眠打破」ではない)、休眠誘導はGA3の存在による一義的なものではないということ、光条件も、発芽条件の中の「一つ」に過ぎないということです。今後、FR光受容による発芽抑制のメカニズムが解明されるに従って「休眠」との相互関係も明らかにされるのでしょう。
お礼
tomi-chan様 貴重な視点をお教えいただき感謝します。 GA3が「親」由来である視点も,大変合理的に感じます。 子でGA3前駆物質が活性化される?等も考えられ, 興味が尽きません。たしかに温度依存性を基本と考え, 抑制機構を別と考えられればすっきりします。 蛇足になりますが,親からGA3とGA3阻害物質(アロステリック?) を与えられ,そのエフェクターが分解される仮説も出ますね 是非,整理して生徒の思考訓練のおかずにしてみたいと 思います。 ところで,tomi-chan様のお話しを整理していて思い当たっ たのは, 生育に適した温度帯ではFR光で発芽抑制し,低温条件では 抑制されないわけで,これを野外での生育と照らし合わせると, レタスの抽薹は高温依存で,夏。種子が形成され,散布は初秋。 この時は発芽しない。 秋になり,低温になったときの環境を考えると周囲の競争者は 枯れゆく時期。すなわちそこで発芽しても光不足にはならない・・・ ため,生存に有利。 このようなものでいかがでしょうか。 光発芽するレタスは特殊なようで,その原産地の環境もつい興味が 出ます。 ありがとうございました。
- tomi-chan
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低温条件下で光条件依存性が消失するのではなく、光発芽種子に認められる R/FR可逆的な発芽促進/抑制のメカニズムと、発芽促進/抑制の温度依存性が、実は「独立」のメカニズムによるのだと思います。
お礼
ありがとうございます。土曜立て込み(>センター), 返事が遅くなりすみませんでした。 従来の実験結果から考えると,GA合成の前の過程が 2つあることとなりますね。 近年の大学入試でも,誘導やホルモンなど合成体側と 受容体側の独立性が多く出され,このような仮説立ては とても興味深いところです。 もう一つすみません。当初からの質問で恐縮ですが, もう少し大きく括って,途中経過は別として,「低温 における光依存性消失すること」は,生存戦略上どの ように有利と考えて良いでしょうか。 よろしくお願いします。
- suiran2
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確かにレタス種子は光発芽種子の代表として様々な実験にも使用されます。しかしレタスの生育適温は確か十数度と思います。20℃は超えないはずです。光発芽の実験はレタスの生育適温より意図的に高めた状態でのものです。自然状態では地温が高くなり,気温が15℃を超えるくらいになると発芽し,生育することは理にかなったことと思いますが…
お礼
早速のご回答ありがとうございます。 温度情報は光発芽実験に標準的に使用されている Grand Rapids レタス のようで,日本で一般に栽培されているものとは異なるかもしれません。 研究者は明確な結果を出すため,再現性良くするため,先駆者の試みた 代表的な種を使うようです。 さて話を戻しますと,光発芽種子の発芽戦略上の意義は このQ&Aでも, http://oshiete.eibi.co.jp/qa1805043.html や, http://oshiete.eibi.co.jp/qa2664842.html や http://oshiete.eibi.co.jp/qa1805043.html のように,11件ほど 取り扱われてきましたが, 問題はその意義が,suiran2様のおっしゃ られるように むしろ生育適温で消失するというところにあります。 光条件が発芽後の生育に適さないときに抑制する仕組みが,なぜ, むしろ生育適温で消失するのか。そこで発芽しては不適な光環境下で 枯死する株が多くなり,淘汰を受けやすくなるのではないか というところに,疑問があります。よろしくお願いいたします。
お礼
レスありがとうございます。 GA3分泌場所とされる糊粉層が,改めて親植物由来細胞であること に気付かされました。 またよろしくおねがいいたします