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漫画の吹き出しに見られる「あ゛ー!」の「あ゛」の調音法
音声学に詳しい方にお尋ねいたします。 前々から不思議に思っていたことです。漫画の吹き出しやテレビのバラエティー番組の字幕に時に見られる「あ゛ー!」の「あ゛」は、普通の「あ」と調音の仕方のどこがどう異なっているのでしょうか? 過去の質問の答えには次のものが見つかりました。 (1) 「口蓋摩擦音のことでしょうか。ドイツ語の nacht の ch の音(発音記号で/x/)を、 有声音にした音」 (http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1007880.htmlの回答#7) ⇒ 素人判断ですが、硬口蓋よりももっとのどの奥のほう緊張しているように素人判断ですが感じますが。 (2) 「声帯の割れた時の、すごんだ音」 (http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1007880.htmlの回答#8) ⇒ もし、この説明が正しいとすると、「声帯が割れる」とは音声学の説明ではどういうことなのでしょうか? 「国語」のカテゴリーで質問をしようかとも思いましたが、むしろこの「外国語」のカテの方がこの分野については詳しい方がいらっしゃるような気がしてこちらに質問させていただきました。よろしくお願いいたします。
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面白い質問ですね。 考えたこともありませんでしたが、確かにイメージとして「あ゛」という音は想像がつくし、実際に発声もできそうに感じます。 となればIPA表記もできていいはずだと思います。 候補としては、まず連続して出せるので母音かあるいは子音だとしても破裂音やはじき音ではない。 喉より前方の子音なら日本語の文字で表せそうな気がするので咽喉音があやしい。「硬口蓋よりもっと奥」という感覚にも一致しています。 そんなあたりで絞り込んでみると、有声咽頭摩擦音あたりでしょうか。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E5%A3%B0%E5%92%BD%E9%A0%AD%E6%91%A9%E6%93%A6%E9%9F%B3 アラビア語にある音で、NHK語学講座で聞いていると普通の「あ」とは違った「あ゛」と表現できそうな音がします。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%D8%B9 声帯が割れるという言葉はいまだかつて聞いたことがありませんが「声が割れる」と同じ意味で使っているのでしょうか。 声が割れるというのは声にノイズが載った状態ではないかと思います。 そういえば扇風機の前で喋った声も「あ゛~」と表現されることがありますが、あれも「あ」に羽根で気流が乱されてノイズが載った状態ですね。 何か近いものがあるのかもしれません。
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- 2chocolate
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No.2です。 うがいをするとき、「ガラガラ」うがいをするといいますよね。でも実際は「ガラガラ」というよりも、連続音で「ガー」といっていますよね。その調子で「G]の音を省いて、「あー」というと、「あ゛ー」になります。または、うがいをする調子で顔を上に向け、のどを狭めて「あー」というと「あ゛ー」になります。そのときのどの奥に少し唾をためてみるとよりうまくいきます。 前回、回答し忘れたのですが、 (1)「口蓋摩擦音のことでしょうか。ドイツ語の nacht の ch の音(発音記号で/x/)を、有声音にした音」 ⇒ 素人判断ですが、硬口蓋よりももっとのどの奥のほう緊張しているように素人判断ですが感じますが 確かに、のどの奥から出ている音です。が、「あ」は母音なので、子音のchの音を「有声音にした音」とはいえません。かなり近いものは「結果論として」あるような気はしますが。 (2) 「声帯の割れた時の、すごんだ音」 ⇒ もし、この説明が正しいとすると、「声帯が割れる」とは音声学の説明ではどういうことなのでしょうか? 「声帯が開いている」ということを言っているのではないかと思います。出す音によって、声帯は開いたり閉じたりします。 有声音を出すとき声帯は震えています。無声音のときは声帯が開き(全開)、キイキイいうときは、閉じています。また、ささやくとき声帯はわずかに開いていて、ため息交じり(Breathy)のとき声帯はゆるく開いています。 が、「あ゛ー」の音は濁点がついても母音は母音ですので、声帯は全開し、震えているはずです。それで「声帯が割れる」という表現になったのではと思います。声帯http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A3%B0%E5%B8%AFのページをご覧くだされば、わたしの言っている意味が分かると思います。 <「口蓋垂(「のどちんこ」のこと)をふるわせる」音はIPAチャートに従えば、口蓋垂顫動[ふるえ]音> おっしゃるとおり!スミマセン、私、言語学の学位ををアメリカの大学でとったので、日本語での専門用語がでてこないんです、、、。 言語学者のタマゴ
お礼
改めてのご回答をありがとうございます。 Googleで “あ゛ 音” で検索してみましたら、次がヒットしました。 http://72.14.235.104/search?q=cache:byeqbmCo5jMJ:q.hatena.ne.jp/1168961268+%E3%81%82%E3%82%9B%E3%83%BC+%E9%9F%B3&hl=ja&ct=clnk&cd=5&gl=jp ここで私が思っていた「あ゛」の音を回答2や回答4で聞くことができました。 その回答4の方が、 「声がつぶれてだみ声っていうかがらがら声になっちゃった市場の魚屋さんの「さあーいらっしゃいらっしゃっらっしゃ」のさ「あ」-のところの声」 と書いていらっしゃいます。なるほど「だみ声」とか「しわがれ声」といわれる声に近い感じですね。 その後にこの方が、 「騒々しいところで無理やり声を出し続けると声帯が腫れてもどらなくなりそういう声になります人もいます」 と書いていらっしゃいます。 ここに私はヒントがあるような気がしました。つまり、「声帯が腫れてもどらなくなりそういう声になります人」と言っているように、creaky voice(きしみ声)などと同じように音源である声帯そのものに強い圧力・緊張のような何らかの条件が加わったものなのではないかという気がしているわけです。
補足
ご回答の上から2/5ぐらいのところ. 「あ゛ー」の音は...声帯は全開し... のところは、 「あ゛ー」の音は...声帯は閉じて... の間違いではないかと思いますが。
- 2chocolate
- ベストアンサー率37% (26/70)
久しぶりの回答をさせていただきます。2Chocolateです。 大変面白い質問ですね。 この質問に対する回答ではなくOpinion・Guessなのですが、 母音は基本的にすべて有声音なので、それに濁点をつけると、、、 日本語の「あ」は、一般的にはFront,Open(広、前舌)の母音ですよね。「あ゛」は「あ」がのどの奥から出された音のような気がします。つまり咽喉音の「あ」では?と思うのです。 「あ」は口の中で発音されますが、「あ゛」を発音しようとすると、「あ」がのどの奥から出てくるのがわかります。口蓋垂(「のどちんこ」のこと)をふるわせるようにして「あ」といってみてください。「あ゛」の音になっているような気がします。 言語学者のタマゴより
お礼
「口蓋垂(「のどちんこ」のこと)をふるわせる」音はIPAチャートに従えば、口蓋垂顫動[ふるえ]音(/R/)のことだと思います。 私にできる口蓋垂顫動[ふるえ]音はドイツ語の"r"のものしかありませんが、今実際にやってみているのですが、 口蓋垂顫動[ふるえ]音+母音「あ」 では、わたしの感覚では「あ゛」には聞こえませんでした。 私の感覚では子音のあとに母音「あ」が連続して出るというよりも、あくまで母音「あ」に(時間的にも平行して)副次的な何かが働いているような気がしだしました。「あ」の音の前に子音が来ている、「か」や「さ」あるいは「た」のようなもののタイプではなく、あくまで母音「あ」の変種のような感じがしてきました。 先ほど少し考えて、ご回答#1の「お礼」で少しwild guessを書いてみました。 専門家のお力を引き続きお貸しください。
補足
ご回答が途切れましたので、ここで締め切ります。この後、「国語」のカテに関連する質問を出しますので、ご関心ありの方はぜひそちらにご回答ください。 (1月14日 記)
お礼
ご回答ありがとうございます。 「そんなあたりで絞り込んでみると、有声咽頭摩擦音あたりでしょうか。」 ⇒ 手元のIPAの一覧表に従ったCDでこの 有声咽頭摩擦音を試しに聞いてみましたが、私の耳にはなんか違って聞こえてしまいました。 「あ゛ーーー」と同じ音を伸ばして出してみることではっきりしますが、拍(音節といってもいいと思いますが)を持つことができるので、そもそも有声の子音(ご提案では咽頭摩擦音)からそのすぐあとに母音「あ」が続いているのではなく、むしろ母音そのものに副次的に(時間的にも同時平行して)何か条件が加わったもののような気がします。 (もちろん、この「あ゛」にもきっといくつかの変種(異音?)があるのでしょうが、)私にとっての典型的な音は、いわゆる調音点が咽頭にあるというよりもっと奥、つまり音源である声帯そのものに強い圧力のかかった「あ」の音のような感じがしだしました。 が、よくわかりません。引き続き、アドバイスをお願いいたします。