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犬馬の労

出典は中国古典だと思うのですが、カテゴリがよくわからなかったのでここに質問させていただきました。 中国の歴史ドラマや文学に、よく「犬馬の労をいとわずお仕えします」というようなくだりが出てきます。意味合いはわかりますが腑に落ちない点があります。馬はわかりますが、犬がなぜ出てくるのかという点です。中国の歴史ドラマや文学に犬がほとんど出てこないからです。馬と同列に扱われるほどのものであれば、もっと登場してもいいとは思うのですが、この故事にある「犬」は、実際どんな働きをしていたのでしょうか。番犬として犬が飼われていたという話もあまり聞いたことがありません。ご存じの方いらっしゃいましたらぜひ教えてください。

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  • Big-Baby
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回答No.4

中国の文学に犬はあまり登場しないとのことですが、ちょっと漢文の書をひもとけば無数の用例がすぐ見つかりますよ。 高校の漢文の教科書に限るのであれば、次のような例があります。 羊頭狗肉 羊の肉があるぞと看板を掲げておきながら実は犬の肉を出す。 中国では昔から犬の肉を食べていました。羊の肉は上等な肉です。 文章なら、「桃花源記」 鶏犬相聞(鶏犬相聞こゆ) 鶏や犬の鳴き声がお互い聞こえる。犬はもちろん番犬でしょう。 孟子(梁惠王上)をひもとくと、すぐ次のような用例が見つかります。 鷄豚狗テイ之畜,無失其時,七十者可以食肉矣 (鷄豚狗テイの畜,其の時を失うなくんば,七十の者以て肉を食らうべし) (鶏や豚や犬を節度をもって飼育すれば70の老人が十分肉を食べることができる)(ここで犬は食料として登場してますね)  「犬馬の労」ぴったりの出典はないのですが、近いのであれば、やはり孟子(梁惠王下)の次の文でしょう。  狄人侵之。事之以皮幣,不得免焉;事之以犬馬,不得免焉     (これに事ふるに犬馬を以てするも免かるるを得ず)  (異民族の狄人が進入してきたとき、これに対し犬馬のように奉仕したが許してもらえなかった)(ここでの犬はやはり番犬でしょうね)  なお、現代中国語では「狗」の字が使われ、「犬」はほとんど使われません。古典では両方使われます。

Karinpapa
質問者

お礼

ありがとうございます。漢文についてはあまり考えていませんでした。ドラマや文学というのは、現代に作られたドラマや、日本人が編集、執筆したもの(三国志や水滸伝等)をイメージしていました。他にも(最近ですが)、中国にしばらく滞在した時に、あまり犬を見かけなかったこともイメージとして残っていたのかも知れません。 おかげで少しイメージがわいてきました。ありがとうございました。

その他の回答 (3)

noname#57571
noname#57571
回答No.3

手元の漢和辞典で「犬」を引いてみたところ、人を見下したり、馬鹿にしたりする意味の用例として「犬馬」の記載がありました。ですからこれは、一種の慣用句なのかもしれませんね。日本でも植物名で「イヌ○○○」と付くのは、「○○○によく似ているが食べられない = 役立たず」という意味ですし(「イヌワラビ」、「イヌゴマ」など)。 なお、犬という文字は吠えている犬の側面図で、「`」は耳に相当するそうです。ですから犬は、中国でも古くから番犬として利用されていたのじゃないかなと思います ( ^^

Karinpapa
質問者

お礼

犬という動物は、いい意味と悪い意味と両方に使われる動物ですね。その成り立ちは大変興味深いです。 犬という漢字については、初めて知りなるほどと思った次第です。参考になりました。

noname#57571
noname#57571
回答No.2

犬や馬程度の働きしか出来ませんが‥ という謙遜の意味だそうです。犬がどれほどの働きをしたかというより、然程の働きをしない動物とみなされていた節がありますね。 もっとも、そうすると犬と並べて馬が出てくることの方が逆に不思議に思えますが‥ ( ^^ 「三國志語録」 http://www012.upp.so-net.ne.jp/redfang/glist.html

Karinpapa
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 どうやら犬馬の労には二つの意味があって、ご指摘のような、犬や馬程度の働き、という謙遜の意味と、犬や馬のように主に二心なく忠実に奉仕する、というような意味だそうです。確かに前者で考えると、馬の方が不思議ですね。馬は武将にとっては生死を左右するほど重要な要素だったと思いますし。 後者で考えると、犬馬より牛馬の方がふさわしい気もしますね。(故事成語にケチをつけてもしかたないとはわかってますが^^;)

  • DexMachina
  • ベストアンサー率73% (1287/1744)
回答No.1

原典に当たったことはないのですが・・・恐らく、犬は「狩り」の際に使う 猟犬を指しているものと思います。 (それを端的に示している慣用句として、「狡兎死して走狗烹らる」が  思い当たりました) 馬は戦いの場に使われるので歴史小説の題材になることが多いのに 対して、狩りは日常の一場面として描かれることがあるかどうか、という ことで、なじみが薄い・・・ということではないでしょうか。

Karinpapa
質問者

お礼

説得力のある回答ありがとうございます。 数的にはどうだったんでしょうね。狩りをすることのできる身分でしか飼うことができないぐらいの数だったのでしょうね。つまり一般の兵士や庶民には縁のない動物だったとか。

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