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フランス文学の文章2

前回の質問では大変参考になる回答をいただけました。今回もみなさんの力をお借りしたいと思います。以下の文章(ヴァレリー・ラルボーのローズ・ルルダンから)で上手く訳せない部分があるので、アドヴァイスをお願いします。(文字化けするのでアクサンは省いています) Plus elle me devenait odieuse, plus je flattais, me mettant a son ecole, copiant ses gestes, devancant ses volontes. 彼女が私にとって不愉快になればなるほど、私は、彼女の学校に行き、彼女の仕草を真似たり、彼女のわがままを見越したりすることで、彼女のご機嫌をとったものだった。 以上が本文と自分の和訳なのですが、me mettant a son ecole と ses volontes の部分の訳し方が今一しっくりきません。特に、主人公である「私」は「彼女」と同じクラスなのに「彼女の学校に行く」というのが変に感じます。(他にecoleのとり方が思いつきませんでした・・・) どなたかアドヴァイスをお願いします。

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  • Parismadam
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回答No.2

こんにちは。8/31のご質問ではご丁寧なお返事を有難うございました。 ご質問1: <「彼女の学校に行く」というのが変に感じます。> 1.このecoleは「学校」という意味では使われていません。 2.ここではecoleの持つ他の意味、「流派」「学派」「流儀」という意味から転用して、「派閥」といったニュアンスで使われています。 例: etre a son ecole「彼女に就いて習う」→「彼女の流儀に倣う」 faire ecole「流派を立てる」 3.「派閥」は私の意訳ですが、いわゆる思春期の学校時代によくある、生徒内の「派閥」のことです。普通の言い方にすると「仲間」「やり方」ぐらいでいいでしょう。 4.小説の中の「彼女」は、この一文からもクラス、学校の中心人物的な存在であることが読み取れます。 son ecoleは「彼女の派閥」というニュアンスで使われているようです。 5.従ってme mettant a son ecoleの訳し方は (直訳)「彼女の派閥に身を置き」 →(意訳)「彼女の仲間に加わり」 となります。 別の言い方をすれば、 「彼女の流儀に洗脳され」 「彼女のやり方に身を任せ」 といったニュアンスになります。 6.その理由は、このme mettre aという熟語は直訳すれば「わが身を~に置く」ですが、ここでは、自我である「私=me」を「他方=son ecole」に置いてきているという、 自我の忘我が感じられます。 それが、この熟語に「~に身を任せる」「~の流れに流されるまま」といったニュアンスを生じさせ、「発動的であるはずの自分」が「流動的な自分」になっていることを強調する表現になっているのです。 7.もちろん二人は同じ学校に行っているわけですから、おっしゃる通り、わざわざ「彼女の学校」とする必要はありません。たとえ彼女中心に学校が回っていても、「彼女の学校に行く」は大げさすぎます。 8.ここはecoleのもう一つの意味に気づけば、意外と簡単に謎は解けます。翻訳は、上記のニュアンスを踏まえつつ、フィーリングのあう表現を模索されるといいでしょう。 以上ご参考までに。

faire
質問者

お礼

お久しぶりです。今回も丁寧な解説をありがとうございます。 なるほど、ecoleを一義的に捉え過ぎていたようです。簡単な単語でも今度からは辞書をしっかり調べたいと思います。大変参考になりました。特に(6)の解説などは、盲が晴れる思いです。 まだまだ未熟ゆえに、再びお目見えする機会があるかと思います。その時はまたよろしくお願いします。それでは、失礼します。本当にありがとうございました。

その他の回答 (3)

回答No.4

No.1 です 一点、補筆致します me mettant a son ecole copiant ses gestes devancant ses volontes この三つの順番の意義に関して 最初が、他人の存在がある社会です それが、学校だったり教室だったり 放課後、親しい仲間同士だったりと 其処に、彼女と自分以外の他人空間 二番目は、目に見えるものの世界です 子供達は、目から魅了されたものへの 憧れから、それをまねまねして行きます 同じ帽子、同じ靴などや、仕草や語り口 三番目は、お分かりのように心の天地です この段階は、人との関係で何を意味します 気持ちを推し量っている いじらしいです この重層的な語句を繋いでいる先に何が あるのでしょうか 精華なる筆致です 斯様に感じますと、迷訳としては (彼女と)同じ空気を吸って。。。 以上です

faire
質問者

お礼

わざわざ補足までありがとうございます。 本当に助かります。 それから、この場を借り、皆様に対してお礼を。 この質問はこれにて締め切りたいと思います。みなさん本当にありがとうございました。ポイントに差をつけねばならないのが、本当に心苦しいです。 それでは、本当にありがとうございました。

  • petitchat
  • ベストアンサー率40% (313/767)
回答No.3

こんにちは。 とても興味深いご質問で 思わず回答したくなりました。 日本語の表現には主語や代名詞を省略するという一種ずるい手口があります。ですから日本人が外国語を学ぶ時よく混乱するのです。 私は#1様のご回答を拝読し思わずうなってしまいました。 そうなのです。私はフランス文学を専攻しましたが思い出しました。 この場合はnotreではありえません。 理由は#1様のおっしゃるとおりです。 「彼女」中心に廻っている「学校」という社会に自分の身を投じる主人公からするとson ses sesで表現するのが的確です。 これぞフランス語でありフランスの考え方ですね。 訳出する時にsonに関しましては「彼女の」を入れる必要はないですね。 この文章は非常に格調が高いですね。

faire
質問者

お礼

anapaultoleさんの仰るとおりで、この音韻の揃え方には、思わず僕もうなってしまいました。そういった観点でみると、僕はフローベールの文章なんかが好きです。思わず声に出したくなります。 参考意見ありがとうございました。

回答No.1

faire さん いい文章を読んでいらしゃる ご質問の“son ecole" は、sonでないとすると 如何なる言葉? 一緒に通う学校だから-notre- 等でしょうか でもそれでは二つの点で、NON!!! 一つは音韻面からです son-ses-ses と畳み掛けて 音韻を揃えています 何故でしょうか それは 主人公にとって、彼女中心に世界が回っているからです だからnotre等ではいけません (これは、淡い恋心の 始まりなのではないでしょうか) 二つ目は、彼女が、学校の中心人物として乃至は 学校で、皆から注目されているとのことを示したい為 この点は、今回の文章が、この話の中で、導入か中心か 終末辺りと何処に書かれたかによって、多少違って くるかもしれませんが、短編であれば、あるほど このような用語の選択に、着目することは重要でしょう 特に、秀逸な文章を綴っているValery Larbaudならでは 次に、devancer ses volontes コレは彼女の気ままな 立居振る舞いを汲み取り忖度するだけから、先手を打って それを実現させてしまる(大人の世界ならゴマスリが出来る 状況をそれとなくつくり、自分がいの一番にゴマをすること) では、ないでしょうか 書の読み方に背書があります 一度ご自身の中にある 大人をスッカリ捨て去って、幼子になってその気持ちで Enfantines は、味わいたいものですね 子供達との 触れ合いを 学ぶべき点等も、誠に多々ありますから

faire
質問者

お礼

今回も回答していただき、どうもありがとうございます。 大変参考になりました。文学のフランス語に対して、まだまだ頭が固いようです・・・。 この短編集に収録されているDollyの方は読み終わりましたが、Rose Lourdinの方は若干読みづらく、まだ読了できてません。童心に帰って読み進めたいと思います。 本当にありがとうございました。

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