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電子配置について
遷移元素の電子配置でかなり混乱しています。 第一遷移電素の電子配置は理解できるのですが、第二、第三遷移元素がよく分からないです。 第二遷移元素でいえばRu。Ruは[Kr]4d^7,5s^1ですが、何でs軌道に電子が2個入らないのでしょうか?なるべくd軌道を充填に近づけたいからなのでしょうか? 第三遷移元素でいえばPt。Ptは[Xe]4f^14,5d^9,6s^1ですが、これも何でs軌道に2個の電子が入らないのでしょうか?1個前のIrまでは2個入っているのに…。これも充填に近づけたいからなのでしょうか?この場合、電子が入る順番は6s→4f→5dで、5d軌道の充填のために6s軌道の電子を利用することなんてできるのでしょうか? 勉強不足ですみません。お願いします。
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> 第一遷移電素の電子配置は理解できるのですが、第二、第三遷移元素がよく分からないです。 第二、第三遷移元素の電子配置がなぜ不規則に変化するのか、について簡単明瞭に述べたものは、私はみたことがないです。そして、ごめんなさい、私にもうまい説明ができません。以下は、『なぜ簡明な説明がむつかしいのか』についての私の考えです。 遷移元素の電子配置は、おもに (1)軌道エネルギーの高低 と (2)電子間反発エネルギーの大小 の兼ね合いで決まります。全体のエネルギーが低いほど原子が安定になりますので、エネルギーの総和が最小になる配置が、基底状態の電子配置になります。 もし電子間の反発がなければ、話はとても簡単で、 第一遷移元素の3d軌道のエネルギー < 第一遷移元素の4s軌道のエネルギー 第二遷移元素の4d軌道のエネルギー < 第二遷移元素の5s軌道のエネルギー 第三遷移元素の5d軌道のエネルギー < 第三遷移元素の6s軌道のエネルギー の関係がありますから、エネルギーの低いd軌道に先に電子が入り、d軌道に10個の電子が入って満席になってからs軌道に電子が入り始めます。 でも、この電子配置では電子間の反発が大きくなるので、その分だけエネルギー的に不利になります。このd軌道から1個の電子を空のs軌道に移すと、電子間の反発は小さくなります。というのは、d軌道と次のs軌道の軌道半径がかなり違うので、d電子とd電子の間の平均距離よりも、d電子とs電子の間の平均距離の方が長くなるからです。そのため、電子を移すことによる電子間反発エネルギーの減少が、s軌道とd軌道の軌道エネルギーの差よりも大きければ、s軌道に1個の電子が入った電子配置が、基底状態になります。 ここからさらに電子をd軌道からs軌道に移すと、s軌道には2個目の電子が入ります。同じ軌道に2個の電子がありますから、これらのs電子間の反発を考えると、エネルギー的にはあまり得をしないように思えます。ですけど、s軌道の軌道半径が大きいので、s電子同士の電子反発は、軌道半径のずっと小さいd電子同士の電子反発に比べて小さくなります。ですので、s軌道とd軌道の軌道エネルギーの差が小さければ、s軌道に2個の電子が入った電子配置も基底状態になることができます。 結局、電子配置にはs軌道が空のもの、s軌道に1個の電子があるもの、s軌道に2個の電子があるもの、の3通りが考えられるのですけど、上の考えによると、どの電子配置が基底状態になってもよいことになります。 実際、この3通りの電子配置はすべて、遷移元素の基底状態の電子配置になります(s軌道が空の電子配置が基底状態になるのはPdだけですけど)。また、これらの電子状態の間のエネルギー差は、原子スペクトルの測定から、小さいことが知られています。これらのことから、『どの電子配置が基底状態になるかは、微妙なエネルギーのバランスにより決まる』ということになります。 ですから、第二、第三遷移元素の電子配置がなぜ不規則に変化するのか、を説明するには、基底状態の電子配置だけを見ていてはだめで、これら3通りの電子配置が原子番号とともにどのように変化するのかを眺めるところから始めないといけないのではないかなあと、私は考えています。 もちろん、第一遷移元素の電子配置については、『閉殻構造や半閉殻構造をとる電子配置が安定だからクロムや銅の電子配置に異常が見られる』という説明が簡単明瞭ですぐれていると、私も思っています。第二、第三遷移元素の電子配置も、部分的にはこれで説明できますよね。でも、RuやPtの電子配置については、これでは説明できないと私も思います。 # 長文なのに、回答になっていなくてすみません。 # だれかバシッと答えてくれないかなー。
- leo-ultra
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回答でなくてすみません。質問者の援護射撃です。 不思議ですよね。 A-Tanakaさま、単純なFund則ではないように見えます。 軌道のエネルギー間隔も考えなければならないようです。 第2周期遷移元素なのでf軌道は全て空です。 どうもスペースが正しく入らないので、うまく入力できません。 以下のアラビア数字はdとs軌道の電子数です。(ローマ数字は族) 3d 4s 4d 5s IV族 Sc 1 2 Y 1 2 V Ti 2 2 Zr 2 2 VI V 3 2 Nb 4 1 <=* VII Cr 5 1 Mo 5 1 VIII Mn 5 2 Tc 5 2 IX Fe 6 2 Ru 7 1 <=* X Co 7 2 Rh 8 1 <=* XI Ni 8 2 Pd 10 0 <=* VI, IX, X, XI族で第1周期遷移金属と第2周期では 異なる電子配置が実現されます。
- A-Tanaka
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フントの規則によって、同じスピン量子数を持つ電子が充填されないだけだと思います。 詳しくは、参考URLを参照。