基本的にヨーロッパとアジアと分けているのはヨーロッパ人です。だからアジアという言葉は「ヨーロッパの東」を意味する言葉です。
アジアという言葉は昔からありましたが、その使われ方は今とは違います。
トルコ共和国の領土は小アジアと言われています。古代ギリシア時代のペルシア戦争のころ、ギリシア以西=ヨーロッパ、小アジア以東=アジア、でした。彼らが実感として認識できたアジアの東の果てはインドでした(アレクサンドロス大王はインドを征服すれば世界制覇を達成したと思ったことでしょう)。ですから、アジアの西端=小アジア、アジアの東端=インド、そして中東は今のイラク周辺(メソポタミア周辺)となっていました。
しかし、大航海時代以後、ヨーロッパ人は東に日本という極東Far Eastがあることを知りました。東アジアの名が中国・朝鮮・日本を表すようになります。インドは南アジア。中央アジアはインドの上あたりと思ってください。アジアの中心がこのあたりです。気をつけなければならないのは、昔の名残で中東Middle Eastという呼び方が残っていることです。これは中央アジアCentral Asiaとは異なります。中東は西アジアに属します。ややこしいですね~。
では現在のアジアの西端は?
地理上はウラル山脈あたりと言われていますが、国別となると難しい問題が生じます。ロシアはヨーロッパに区分されます。問題はトルコです。
現在、トルコ人はEUの仲間入りを目指していることからも分かるようにトルコはヨーロッパだと主張しています。ワールドカップの区分もトルコはヨーロッパ地区ですよね。しかしトルコはイスラム圏のため、キリスト教徒のヨーロッパ人はトルコに拒否反応を抱いているようです。本音は「トルコはアジアだ(つまり仲間ではない)」と思っているのでしょう。十字軍の敵ですからね。